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24、お呼び出し
しおりを挟む「サイラス様、サンライズ公爵夫人アルビナ様、本日はお呼びだてしまい申し訳ありません」
「オーロラ嬢からの呼び出しとは驚きましたが・・・」
サイラスは疑わしい目をオーロラに向ける。
「早速本題に入りますわ。ノアール。」
オーロラは、ノアールから書類を受け取り2人の前に差し出す。
「これは?」
「サイラス様なら見てご理解いただけるのではないでしょうか?サンライズ家の裏帳簿ですわ」
「なんだと・・・」
「その様子だと全くご存知なかったようですね。説明致しますわ」
「オーロラ嬢は・・・サンライズ家を陥れるつもりか?」
「陥れるつもりならわざわざ開示しませんわ。そんな事ぐらいでしたら簡単にできますもの。このオーロラ・トワイライトを侮られては困りますわ。これから話す事は、サイラス様の将来と夫人を救うためのもの」
「救う?」
「夫人、このままの生活、いつまで耐えられますか」
「それは・・・」
「もう限界なのでしょう?心が」
アルビナは言葉に詰まり俯いた。
「継母上、耐えられないとは?心がとはどういう事です?」
「・・・それは」
「代わりに私からお話ししてもいいかしら?そうね、まずは・・・サイラス様。ルーカス様とエレノア様に体の関係・・・つまり男女の関係であることはご存知?」
「あぁ、恥ずかしい限りだが知っている」
「では、お継母様が被害にあっている事は?」
「継母上が・・・被害?」
「ご存知ないみたいね」
アルビナはサイラスの隣で震えている。
「夫人、こちらを見てください」
アルビナは俯いていた顔を静かにあげ、ゆっくりとオーロラの瞳を覗き込んだ。
「アルビナ様、お辛かったでしょう・・・私を信じて下さい」
オーロラがアルビナの瞳をしっかり見つめると、アルビナは静かに頷いた。
「私が抱える影が調べて、全て知っております。勝手にした事は先に謝罪を致します。でも、これは夫人を思っての事。
サイラス様、エレノア様はルーカス様に懸想しているようですが、夫人は違います。被害者です」
「それって・・・」
「ルーカス様が一方的にという事です。意味はわかりますよね?」
「・・・えぇ」
「子ができなかったことが幸いでした。夫人、よく耐えましたね」
「うっ・・・うぐっ、うっ」
「継母上・・・」
「夫人公爵様にはご相談は何も?」
「・・・はい・・・うっ、何も」
「夫人は・・・これからも公爵様と一緒に過ごされたいと思われていますか?正直な本音をお聞きしたいのです」
「それはもちろんです!愛しています」
「公爵家当主という肩書きがなくてもですか?」
「はい、公爵様としてのではなく、ルドルフ様を愛しております」
「わかりました。夫人、安心して下さい。悪いようには致しません。公爵様との未来は、公爵様のお気持ち次第ですが、出来る限りの事はこちらも助力させて頂きます」
オーロラはチラリとサイラスに視線を移す。
「次は、あなたですね」
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次回
私を誰だと思っておいで?私は・・・
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