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47、トワイライト家の養子
しおりを挟むオーロラとの婚約に加え、養子縁組を言い渡されたノアール。
「しかし、何故、養子縁組など?」
「オーロラが個人的に事業をしているのは知っているな?」
「はい」
「その上で公爵家当主という肩書きがついてしまったら、一人に集中してしまうだろう?オーロラが自身の事業の為にも動きにくくなるし、危険も増える」
「陥れようとする輩や、命を狙ってなどということでしょうか?」
「さすがだな、そう言う事だ。しかし、これはオーロラの望みでもある」
「オーロラの?」
ノアールは、自身の腕の中にいるオーロラの顔を見る。
「そうよ。あなたは男爵家の三男というだけで私との差を感じているでしょう?私が嫌なのよ。それに、仕事がデキる夫なんて最高だと思うのよ!しかもそれがノアールなのよ?あぁ、想像しただけで素敵だわ!」
「いつものオーロラだ・・・安心する」
「ノアールよ、今の会話のどこに安心要素があったのだ・・・全く理解できんぞ」
「えっ、そうですか?部屋に一人でいると、感情が表に出てきてしまうみたいで、俺の事を褒めちぎるんですよ?」
ノアールはオーロラの顔を見て、にこっと微笑む。
「ちょ、ちょっと待って!」
「何?オーロラどうした?」
「・・・まさか・・・私の独り言、聞いてたの?」
「俺の日課は、屋根にのぼって空を見上げること。君の部屋の上でね。怪我が良くなって毎日ずっと」
「ま、毎日・・・」
みるみるうちにオーロラの顔が赤く染まっていく。さすがに日課にするほどまではないと思っていた。
「えっ?だって言ってたじゃないか。俺の黒髪がサラサラで頭撫でたいとか」
「うっ・・・」
「俺のルビーみたいな瞳から落ちた涙は宝石かと思ったとか」
「あぅ・・・」
「俺の腕枕がいいとか、程よく鍛えられている身体が芸術品だとか」
「うぅ・・・」
「俺の身体に抱きしめられたいんだろう?」
「ひゃぁぁ・・・」
オーロラは真っ赤に染まった顔を両手で隠した。
「オーロラ、可愛い顔が見えないなぁ。隠さないで見せてくれ」
ノアールはニコニコしながらオーロラの手を掴む。
「やだぁ・・・見ないで!」
「いつも計算尽くしのオーロラの計画を初めて崩した奴が現れたな。くくくっ、こんな想定外の事は初めてらしい。はははっ!」
公爵はお腹を抱えて笑っている。
「お父様、笑い過ぎですわ・・・」
「くくくっ、まぁ、ノアール、そう言う事だ。イースブールのお父上には話は済んでいて、了承済みだ。何も心配はしらん。サインしてくれるか?」
「はい!!!」
ノアールはオーロラの手から自身の手を外し、サラサラとサインをした。
「トワイライト家は君を歓迎するよ」
「はい、義父上」
ノアールはトワイライト家の養子になり、次期公爵となり、オーロラの婚約者となった。
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次回
うわぁぁぁぁ!!なっ、何!いや、いやだぁ!!オーロラ!おーろらぁぁぁ!!!
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