【完結R18】エリートビジネスマンの裏の顔

シラハセ カヤ

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04.

02.生まれ変わり

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この罪悪感から解放される時は来るのだろうか。

「もしもし、緋莉?」
「お久しぶりです檜垣さん」
「久しぶり、どうしたの急に」
「元気、かなって」

「うん、今外回り休憩中、緋莉は?」
「今昼休み、私はそんなに変わりないかな」
「そっか、よかった」

しばしの沈黙の後、檜垣さんから口を開く。

「僕南さんと結婚するんだ」
正直ちょっと驚いた。南さんがあの後も
檜垣さんのことを好きなままなのにも驚いたが、
檜垣さんが南さんをちゃんと好きになるのも
意外だった。

「南さん、ずっと僕のこと好きでいてくれたんだ、
 変な人だよね。ただのぶりっ子女だと思ってたら
 意外と真っ直ぐな子だったんだよ」
喋り方も何だか柔らかくなった気がする。

「そうなんだ、おめでとう」
「ありがとう」

檜垣さんがちゃんと前に進んでくれていて安心した。私だけ幸せになるのはずるいと思っていたから。

「ほんと最低だったし恥ずかしいけど、
 僕緋莉のこと、本気で好きだったんだ。
 他の男にとられるのが嫌であんな風にさ…」

未だにあの時のことは夢に見て、
心臓がバクバク鳴ることもある。
それで飛び起きた日は最悪。

でもこうして話してみると、
前の檜垣さんはあの時に死んだんだと思える。

「石橋くんとはうまくいってる?」
「たまに生意気でうざいときもありますけど、
 まあ…普通ですかね…」
「…彼にも本当に申し訳ないと思ってるから、
 良かったらそう伝えてくれないかな」
「了解です」

通話終了ボタンを押してポケットに携帯を突っ込む。

「まだ私の連絡先消してないんだな……」





「お待たせ~」
「お疲れ様!」
私を見つけると嬉しそうに私に手を振る。

「今日終わんの早いな」
そう言いながら歩き出す石橋くんの腕の隙間に
手をすり込ませる。

「うん、プロジェクトひと段落ついたから」
「予約してるから、ちょっと飲んで帰ろ~」




「緋莉さ、もうすぐ誕生日やんか」

少し前から、さん付けをやめた石橋くん。
私も、まだ違和感はあるが、
今は下の名前で呼んでる。

1年目の時からしっかりしていたので、
あまり年下だと意識したことはないが、
今更呼び方をお互い変えるのは変な感じがする。

「もう30か~」
20代、長かったような短かったような。

「そろそろ結婚したいんやけど、どう思う?」
早生まれの石橋くんはまだ27歳。

「いや~いいのほんとに、
 もうちょっと他の子~とか考えなくて」
「また言うてるし…俺のこと好きやないの?」

拗ねたように言う石橋くんが可愛くて。
「いや…好きだよ」
私がそう返すと、満足そうに笑う。

付き合い始めて少ししてから、
広めのマンションに引っ越して、
二人暮らしをしている。

「毎日一緒におれてめちゃくちゃ幸せ」
酔うと普段言わないようなことも
何でも言ってくるのが可愛い。

大きい石橋くんを抱き枕にして寝ると安心する。
私の髪を指通りを確かめるように撫でる。
「…いい匂い」
顎先を上げられて、軽いキス。

「ん…」
何度か唇を重ねると、首筋にキスされる。
思わず息が漏れる。
「…したくなっちゃった」
「…いいよ」



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