44 / 240
第2章
第17話『あおいと2人きりの放課後-後編-』
しおりを挟む
俺はあおいと2人でアニメイク調津店に立ち寄る。
漫画やラノベの新刊コーナーを見ていくと、最後に立ち寄った一昨日以降に入荷した作品が結構ある。漫画の方で俺の好きな美少女4コマ漫画の最新巻があったので、それを買うことに。あおいは特に買いたいものはなかったそうだけど、それでもとても楽しそうにしていた。
「好きな漫画の最新巻が買えて嬉しいな」
「良かったですね、涼我君」
「ああ。今回みたいに、一昨日は入荷されていなかった漫画が置かれていることがあるから、バイトのない放課後にはアニメイクに行くことが多いんだ」
「そうなんですね」
ふふっ、と楽しそうで、それでいて上品にあおいは笑う。
学校帰りにとりあえずアニメイクに寄ることは、これまで幾度となく体験したこと。俺1人や愛実と2人。友達と一緒に行ったこともあった。でも、あおいと2人きりで行くのは初めてだから新鮮だったな。これからも、あおいと2人で行くことはたくさんあるのだろう。
「アニメイクでの買い物が終わったし、次はどこに行こうか。あおいは行きたいお店ってある?」
「1つあるのですが、そこでもいいですか?」
「もちろん。どんなお店だ?」
あおいの大好きなレモンブックスかな?
「Laftです」
「ラ、Laft?」
予想外のお店だったので、思わず間の抜けた声が出てしまった。
ちなみに、Laftというのは雑貨ショップのこと。生活雑貨を幅広く取り扱っている人気のチェーン店だ。ここ調津ナルコにも2階にLaftがあり、俺もたまに行くことがある。
「Laftか。いいぞ。春休みに引っ越してきたし、何か日用品でも買うのか?」
「日用品……とも言えそうですね。実はマグカップを買いたいと思っていまして」
「マグカップか」
「ええ。そのマグカップを涼我君の家に置きたいと思いまして。涼我君の家には愛実ちゃん専用のマグカップがあるじゃないですか」
「ああ、ピンクのマグカップだな。愛実が家に来たら、それに飲み物を入れるよ」
ちなみに、俺のマグカップは外側が茶色で内側が白いマグカップだ。
「そのマグカップを何度も見ていくうちに、愛実ちゃんが羨ましくなりまして。それで、私専用のマグカップを買って涼我君の家に置いてほしいな……って。涼我君、いいですか? もちろん、自分のお金で買いますので」
あおいはそう問いかけると、俺の目をじっと見つめてくる。
愛実のように、俺の家で使う自分専用のマグカップがほしい……か。可愛いことを考えるなぁ。俺への許可取りのために、俺と一緒にいるときにマグカップを買おうと考えたのだろう。
「もちろんいいよ」
「ありがとうございますっ!」
あおいはとても嬉しそうにお礼を言った。そんなあおいがとても可愛らしく見えて。
「じゃあ、Laftに行くか。2階にあるよ」
「はいっ!」
俺達は2階にあるLaftに向かい始める。
「Laftって全国チェーンだけど、福岡や京都の家の近くにもあった?」
「はい、ありました。生活雑貨全般売っていますし、お値段もリーズナブルですから、家族でよく利用していました」
「そうだったのか。うちもナルコにあるから、生活雑貨はLaftで買うことが多いよ。何か買うときはとりあえずLaftって感じで」
「うちもそうでした。この10年の間に、調津にLaftができたと分かってお母さんも喜んでいました」
「そっか」
そういえば、Laftも10年前にはまだオープンしていなかったな。調津にはずっと住んでいるけど、あおいの話を聞くと調津が便利な街になっているのだと実感する。そんな街にずっと住んでいるのは恵まれていることなのだろう。
アニメイク近くにあるエスカレーターでLaftのある2階に降りる。このフロアは日用品や衣服を取り扱うフロアだから、アニメイクのある4階に比べて、俺達のような制服姿の人は少ない。近くにある服を眺めながらLaftに向かっていく。
「ここがLaftだ」
俺達はLaftに到着する。あおいは店内を見ながら「おおっ……」と声を漏らしている。
「福岡や京都のLaftと同じくらいに立派ですね」
「それは良かった。えっと、マグカップはあっちの方だったはず」
あおいと一緒にLaftの中に入り、マグカップが陳列されているところに向かう。
「ここだな」
記憶を頼りに案内したけど、無事に辿り着いて良かった。迷ったらかっこ悪かっただろうし。
目の前にはマグカップはもちろんのこと、コップ、湯飲み茶碗、ジョッキといった様々なコップが陳列されている。家で使っているものもあるので見慣れた商品もある。
「素敵なマグカップがいっぱいありますね!」
「いっぱいあるなぁ」
大きさや色、カップのデザインなど様々だ。
あおいは目を輝かせて、棚に陳列されているマグカップを見ていく。気になったのか、たまにマグカップを手に取ることも。
「Laftはいいマグカップが多いですね。……あっ、涼我君のマグカップや愛実ちゃんのマグカップに似たものもありますね」
「おっ、結構似てるな」
「ですよね。……あっ、これは結構良さそうですっ!」
それまでよりも少し高い声でそう言うと、あおいは棚からマグカップを手に取る。そのマグカップは水色で、猫の顔のシルエットが白く描かれている。パッと見た感じ、大きさは俺や愛実のマグカップと同じくらいか。
「シンプルですが、猫のシルエットもあって可愛いですっ! 水色は好きな色ですし。結構軽くて持ちやすいのもいいですね」
「いいマグカップじゃないか」
「ええ! ……このマグカップ、電子レンジ対応なんですね。値段もお手頃ですし、このマグカップを買いますっ!」
「うん、分かった」
あおいは嬉しそうな様子でレジへと向かい、水色のマグカップを購入する。
あおいが嬉しそうだからか、レジを担当する女性の店員さんも楽しそうに接客していた。なぜか、たまに俺の方を見ていたけど。
「いいマグカップを買えました!」
「良かったな、あおい」
「ええ!」
嬉しそうにレジ袋を抱きしめるあおいがとても可愛らしい。購入したマグカップが相当気に入ったと窺える。
「さっそく、このマグカップを使ってみたいです!」
「じゃあ、俺の家に行って、一緒にアニメを観るか。マグカップは俺の家に置いておくんだし」
「それがいいですね! では、一緒に帰りましょうか」
「ああ」
俺はあおいと一緒に帰路に就く。
調津ナルコからは歩き慣れた道で自宅に向かう。ただ、あおいと2人きりで歩いたことは全然ないから、周りの景色が普段とは少し違って見えた。あと、俺から誘っておいて何だけど、俺の家であおいと2人きりで過ごすからちょっと緊張する。
10分近く歩き、俺はあおいと一緒に自宅に帰った。
あおいの希望でアイスティーを用意することに。もちろん、あおいのアイスティーはさっき購入した水色のマグカップに淹れる。
アイスティーが入った自分のマグカップとあおいのマグカップを持って、あおいが待っている俺の部屋に向かった。
部屋の中に入ると、あおいは俺のベッドを背もたれにして、クッションに座ってくつろいでいた。そんなあおいの姿を見ると、2人きりだという緊張感が和らぐ。
「お待たせ、あおい。アイスティー淹れてきたよ」
「ありがとうございますっ!」
あおいはワクワクとした様子でお礼を言う。新しいマグカップでアイスティーを飲めるからかな。
俺はあおいの前にあおいの水色のマグカップを置き、扉に近い方にあるクッションに腰を下ろした。
あおいはブレザーのポケットからスマホを取り出し、嬉しそうに自分のマグカップの写真を撮影していた。
「いただきますっ!」
「どうぞ」
あおいはワクワクしながら水色のマグカップを持ち、アイスティーを一口飲む。お店でこのマグカップをさっそく使ってみたいと言っていたので、アイスティーを飲むあおいの姿をじっと見てしまう。
「とっても美味しいです!」
とても爽やかな笑顔でそう言ってくれるあおい。新しいマグカップで飲んだからなのもあるだろうけど、そう言ってくれるとアイスティーを淹れた甲斐があるよ。そう思いながら、俺は自分のアイスティーを一口飲む。……美味しい。
「それは良かった。使った感じはどうだ?」
「ええ! 取っ手も持ちやすいですし、たくさん紅茶が入っていても重く感じません。これなら長く使えそうです」
「そうか。本当にいいマグカップを買えたな」
俺がそう言うと、あおいはニッコリと笑って頷いた。愛実のマグカップと同様に出し入れしたり、洗ったりするときは丁寧に取り扱わないと。
「さてと。何かアニメを観るか。あおいは何が観たい?」
「そうですね……せっかくですから、この10年の間に放送されたアニメの中で、涼我君が面白いと思った作品を観てみたいです」
おぉ、そういうオーダーか。昔も観ていたアニメもいいけど、離れていた間に放送されたアニメを観るのは新鮮でいいかも。
この10年で放送された面白いアニメはたくさんある。ただ、せっかくならあおいも知っている作品の方がより楽しめるだろう。あおいの部屋にある本棚を思い出すと――。
「『みやび様は告られたい。』なんてどうだ?」
「みやび様いいですね! 好きですっ!」
予想通りの好感触だ。本棚には第1巻から最新巻まであったからな。
ちなみに、『みやび様は告られたい。』というのは数年前から連載中のラブコメ漫画。これまでTVアニメ2シーズンと、実写映画が制作されるほどの人気作だ。また、今月からはアニメの第3期がスタートする。
「原作漫画を持っていますし、アニメは録画して何度も観ました!」
「結構好きなんだな。俺もアニメを何度も観てるけど面白いよな」
「そうですね! 愛実ちゃんの部屋にもみやび様の漫画がありましたね」
「愛実も好きだからな。じゃあ、第1期の第1話から観るか」
「はいっ! 昔みたいに、隣同士に座って観ましょう」
「ああ」
その後、俺はあおいの隣に移動して、あおいと一緒に『みやび様は告られたい。』のアニメ第1期を観始める。
互いに原作を読んでいたり、アニメを何度も観ていたりしているのもあり、このキャラクターがいいとかこのシーンが面白いとか結構盛り上がっていく。
もし、あおいが引っ越さなかったら、こうして放課後にあおいと一緒にアニメを観ることがたくさんあったんだろうな。楽しそうに観ているあおいの横顔を見ながらそう思った。
漫画やラノベの新刊コーナーを見ていくと、最後に立ち寄った一昨日以降に入荷した作品が結構ある。漫画の方で俺の好きな美少女4コマ漫画の最新巻があったので、それを買うことに。あおいは特に買いたいものはなかったそうだけど、それでもとても楽しそうにしていた。
「好きな漫画の最新巻が買えて嬉しいな」
「良かったですね、涼我君」
「ああ。今回みたいに、一昨日は入荷されていなかった漫画が置かれていることがあるから、バイトのない放課後にはアニメイクに行くことが多いんだ」
「そうなんですね」
ふふっ、と楽しそうで、それでいて上品にあおいは笑う。
学校帰りにとりあえずアニメイクに寄ることは、これまで幾度となく体験したこと。俺1人や愛実と2人。友達と一緒に行ったこともあった。でも、あおいと2人きりで行くのは初めてだから新鮮だったな。これからも、あおいと2人で行くことはたくさんあるのだろう。
「アニメイクでの買い物が終わったし、次はどこに行こうか。あおいは行きたいお店ってある?」
「1つあるのですが、そこでもいいですか?」
「もちろん。どんなお店だ?」
あおいの大好きなレモンブックスかな?
「Laftです」
「ラ、Laft?」
予想外のお店だったので、思わず間の抜けた声が出てしまった。
ちなみに、Laftというのは雑貨ショップのこと。生活雑貨を幅広く取り扱っている人気のチェーン店だ。ここ調津ナルコにも2階にLaftがあり、俺もたまに行くことがある。
「Laftか。いいぞ。春休みに引っ越してきたし、何か日用品でも買うのか?」
「日用品……とも言えそうですね。実はマグカップを買いたいと思っていまして」
「マグカップか」
「ええ。そのマグカップを涼我君の家に置きたいと思いまして。涼我君の家には愛実ちゃん専用のマグカップがあるじゃないですか」
「ああ、ピンクのマグカップだな。愛実が家に来たら、それに飲み物を入れるよ」
ちなみに、俺のマグカップは外側が茶色で内側が白いマグカップだ。
「そのマグカップを何度も見ていくうちに、愛実ちゃんが羨ましくなりまして。それで、私専用のマグカップを買って涼我君の家に置いてほしいな……って。涼我君、いいですか? もちろん、自分のお金で買いますので」
あおいはそう問いかけると、俺の目をじっと見つめてくる。
愛実のように、俺の家で使う自分専用のマグカップがほしい……か。可愛いことを考えるなぁ。俺への許可取りのために、俺と一緒にいるときにマグカップを買おうと考えたのだろう。
「もちろんいいよ」
「ありがとうございますっ!」
あおいはとても嬉しそうにお礼を言った。そんなあおいがとても可愛らしく見えて。
「じゃあ、Laftに行くか。2階にあるよ」
「はいっ!」
俺達は2階にあるLaftに向かい始める。
「Laftって全国チェーンだけど、福岡や京都の家の近くにもあった?」
「はい、ありました。生活雑貨全般売っていますし、お値段もリーズナブルですから、家族でよく利用していました」
「そうだったのか。うちもナルコにあるから、生活雑貨はLaftで買うことが多いよ。何か買うときはとりあえずLaftって感じで」
「うちもそうでした。この10年の間に、調津にLaftができたと分かってお母さんも喜んでいました」
「そっか」
そういえば、Laftも10年前にはまだオープンしていなかったな。調津にはずっと住んでいるけど、あおいの話を聞くと調津が便利な街になっているのだと実感する。そんな街にずっと住んでいるのは恵まれていることなのだろう。
アニメイク近くにあるエスカレーターでLaftのある2階に降りる。このフロアは日用品や衣服を取り扱うフロアだから、アニメイクのある4階に比べて、俺達のような制服姿の人は少ない。近くにある服を眺めながらLaftに向かっていく。
「ここがLaftだ」
俺達はLaftに到着する。あおいは店内を見ながら「おおっ……」と声を漏らしている。
「福岡や京都のLaftと同じくらいに立派ですね」
「それは良かった。えっと、マグカップはあっちの方だったはず」
あおいと一緒にLaftの中に入り、マグカップが陳列されているところに向かう。
「ここだな」
記憶を頼りに案内したけど、無事に辿り着いて良かった。迷ったらかっこ悪かっただろうし。
目の前にはマグカップはもちろんのこと、コップ、湯飲み茶碗、ジョッキといった様々なコップが陳列されている。家で使っているものもあるので見慣れた商品もある。
「素敵なマグカップがいっぱいありますね!」
「いっぱいあるなぁ」
大きさや色、カップのデザインなど様々だ。
あおいは目を輝かせて、棚に陳列されているマグカップを見ていく。気になったのか、たまにマグカップを手に取ることも。
「Laftはいいマグカップが多いですね。……あっ、涼我君のマグカップや愛実ちゃんのマグカップに似たものもありますね」
「おっ、結構似てるな」
「ですよね。……あっ、これは結構良さそうですっ!」
それまでよりも少し高い声でそう言うと、あおいは棚からマグカップを手に取る。そのマグカップは水色で、猫の顔のシルエットが白く描かれている。パッと見た感じ、大きさは俺や愛実のマグカップと同じくらいか。
「シンプルですが、猫のシルエットもあって可愛いですっ! 水色は好きな色ですし。結構軽くて持ちやすいのもいいですね」
「いいマグカップじゃないか」
「ええ! ……このマグカップ、電子レンジ対応なんですね。値段もお手頃ですし、このマグカップを買いますっ!」
「うん、分かった」
あおいは嬉しそうな様子でレジへと向かい、水色のマグカップを購入する。
あおいが嬉しそうだからか、レジを担当する女性の店員さんも楽しそうに接客していた。なぜか、たまに俺の方を見ていたけど。
「いいマグカップを買えました!」
「良かったな、あおい」
「ええ!」
嬉しそうにレジ袋を抱きしめるあおいがとても可愛らしい。購入したマグカップが相当気に入ったと窺える。
「さっそく、このマグカップを使ってみたいです!」
「じゃあ、俺の家に行って、一緒にアニメを観るか。マグカップは俺の家に置いておくんだし」
「それがいいですね! では、一緒に帰りましょうか」
「ああ」
俺はあおいと一緒に帰路に就く。
調津ナルコからは歩き慣れた道で自宅に向かう。ただ、あおいと2人きりで歩いたことは全然ないから、周りの景色が普段とは少し違って見えた。あと、俺から誘っておいて何だけど、俺の家であおいと2人きりで過ごすからちょっと緊張する。
10分近く歩き、俺はあおいと一緒に自宅に帰った。
あおいの希望でアイスティーを用意することに。もちろん、あおいのアイスティーはさっき購入した水色のマグカップに淹れる。
アイスティーが入った自分のマグカップとあおいのマグカップを持って、あおいが待っている俺の部屋に向かった。
部屋の中に入ると、あおいは俺のベッドを背もたれにして、クッションに座ってくつろいでいた。そんなあおいの姿を見ると、2人きりだという緊張感が和らぐ。
「お待たせ、あおい。アイスティー淹れてきたよ」
「ありがとうございますっ!」
あおいはワクワクとした様子でお礼を言う。新しいマグカップでアイスティーを飲めるからかな。
俺はあおいの前にあおいの水色のマグカップを置き、扉に近い方にあるクッションに腰を下ろした。
あおいはブレザーのポケットからスマホを取り出し、嬉しそうに自分のマグカップの写真を撮影していた。
「いただきますっ!」
「どうぞ」
あおいはワクワクしながら水色のマグカップを持ち、アイスティーを一口飲む。お店でこのマグカップをさっそく使ってみたいと言っていたので、アイスティーを飲むあおいの姿をじっと見てしまう。
「とっても美味しいです!」
とても爽やかな笑顔でそう言ってくれるあおい。新しいマグカップで飲んだからなのもあるだろうけど、そう言ってくれるとアイスティーを淹れた甲斐があるよ。そう思いながら、俺は自分のアイスティーを一口飲む。……美味しい。
「それは良かった。使った感じはどうだ?」
「ええ! 取っ手も持ちやすいですし、たくさん紅茶が入っていても重く感じません。これなら長く使えそうです」
「そうか。本当にいいマグカップを買えたな」
俺がそう言うと、あおいはニッコリと笑って頷いた。愛実のマグカップと同様に出し入れしたり、洗ったりするときは丁寧に取り扱わないと。
「さてと。何かアニメを観るか。あおいは何が観たい?」
「そうですね……せっかくですから、この10年の間に放送されたアニメの中で、涼我君が面白いと思った作品を観てみたいです」
おぉ、そういうオーダーか。昔も観ていたアニメもいいけど、離れていた間に放送されたアニメを観るのは新鮮でいいかも。
この10年で放送された面白いアニメはたくさんある。ただ、せっかくならあおいも知っている作品の方がより楽しめるだろう。あおいの部屋にある本棚を思い出すと――。
「『みやび様は告られたい。』なんてどうだ?」
「みやび様いいですね! 好きですっ!」
予想通りの好感触だ。本棚には第1巻から最新巻まであったからな。
ちなみに、『みやび様は告られたい。』というのは数年前から連載中のラブコメ漫画。これまでTVアニメ2シーズンと、実写映画が制作されるほどの人気作だ。また、今月からはアニメの第3期がスタートする。
「原作漫画を持っていますし、アニメは録画して何度も観ました!」
「結構好きなんだな。俺もアニメを何度も観てるけど面白いよな」
「そうですね! 愛実ちゃんの部屋にもみやび様の漫画がありましたね」
「愛実も好きだからな。じゃあ、第1期の第1話から観るか」
「はいっ! 昔みたいに、隣同士に座って観ましょう」
「ああ」
その後、俺はあおいの隣に移動して、あおいと一緒に『みやび様は告られたい。』のアニメ第1期を観始める。
互いに原作を読んでいたり、アニメを何度も観ていたりしているのもあり、このキャラクターがいいとかこのシーンが面白いとか結構盛り上がっていく。
もし、あおいが引っ越さなかったら、こうして放課後にあおいと一緒にアニメを観ることがたくさんあったんだろうな。楽しそうに観ているあおいの横顔を見ながらそう思った。
0
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。
とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。
ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。
お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2025.12.18)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる
釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。
他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。
そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。
三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。
新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編8-お泊まり女子会編-が完結しました!(2025.6.17)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる