黒に染まった華を摘む

夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。

高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」

そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。

彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。

この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。

その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。

そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。

すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。

光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。




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