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五百九十話 全て一気にこなすことは出来ない
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「ぼ、冒険者って覚えることが多いんですね」
遭遇するモンスターを倒しながらミレアナから多くの説明を受けた三人は悩ましい表情をしている。
「バカでは上手く生活できませんからね。ただ、私が教えた方法は全然に……三人が起きな怪我を負うことなく活動出来る方法で」
モンスターと戦う際には相手に攻撃を防御出来る何かを持っておいた方が良い。
傷を癒すポーションと魔力を回復するポーションは必須。
相手の攻撃をなるべく読むようにする。
ダンジョン内に限らず、例えば森の中でも同業者から襲われる可能性はある等々。
他にも多くのことを三人に伝えた。
「私が全て伝えたことをいきなり実践するのは難しいでしょうから、一つずつ着実に用意して実行出来るようになれば問題無いですよ」
「そ、そうですか……あっ」
バータの視界に二体のホーンラビットが映った。
「後ろに私はいます。ただ、なるべく三人で倒してください」
「うっす!!!」
ダッシュしていきなり攻撃をぶちかます……ことはなく、ホーンラビットが万が一にも逃げないようにふてぶてしい態度で接近。
脚が地面を踏みしめる音でバータの存在に気が付き、二体同時に獲物を狩ろうと走り出した。
「ッ!?」
低ランクのホーンラビットとはいえ、一人で相手をしたら隙を突かれて腹に穴を空けられるかもしれない。
そうはさせないとフィーネは矢を放って牽制。
当たりはしなかったが、突進を止めることに成功。
「ふんっ!! お、らっ!!!!」
ホーンラビットの突進を大剣の面で受け止め、即座に叩きつけた。
「ウォーターボール!!!」
もう一体の方に詠唱を終えたクレアラがウォーターボールを放つ。
顔面に直撃し、頭蓋骨はバキバキ。脳を損傷してノックアウト。
「ふっ!!!」
バータが吹き飛ばしたもう一体のホーンラビットに矢が放たれ、叩きつけられた衝撃から立ち直れておらず、矢は綺麗に脳天へ突き刺さった。
「良い連携ね」
「ありがとうございます」
ホーンラビットは額から生えている角、魔石、肉、毛皮が売れる。
比較的売れる素材が多いので、冒険者にとっては良心的なモンスター。
ただ、その角は足や腹を容易に貫くので、そこだけは注意しなければならない。
「さて、次はもう少し戦いやすいモンスターが良いのだけど……」
三人で解体を終わらせ、再び探索しながら手頃のモンスターを探す。
上層に現れるモンスターは三人がかりで戦えば倒せる。
それは把握できたので、ミレアナとしてはクレアラの練習相手になりそうなモンスターと遭遇したい。
(ホーンラビットは一歩間違えれば大怪我に繋がる。バータやフィーネなら問題無いでしょうけど……基本的に嫌いなモンスターですが、クレアラの練習相手として早く現れて……ふふ、丁度良いですね)
嫌悪する存在だが、練習台には相応しいモンスター……そう、それはゴブリン。
丁度運良く一体だけで動いているゴブリンを発見。
「クレアラ、あそこにいるゴブリンを一人で倒してみてください。接近戦の練習です」
「ッ!!! わ、分かりました」
普段ならゴブリンと一人で戦くなんて状況になればオドオドしてしまうが、ミレアナから後衛で多少は接近戦をできなければいけないという事を詳しく伝えられた。
手には杖とフィーネから借りた短剣を持ち、徐々に近づく。
後ろではフィーネがいつでも援護できるように弓を構えている。
バータも万が一を考えて大剣を握りしめて待機。
「ギギャ……ギャギャッ!!!」
後ろには三人の人間が待機しているが、自分に向かって来るのはか弱そうな女のみ。
目の前のフィーネには勝てると思い、基礎もクソもない動きで涎を垂らしながら接近。
「やっ!!」
若干の恐怖を感じながらも声を上げながら杖の先端を武器にして突く。
軽くダメージは入るが、刃ではないので体を斬り裂くことは出来ない。
しかしそれは事前にミレアナから教わっているので、あくまで何度も打撃を与える。
それだけを考えながら時にはゴブリンの攻撃よけ、何度も何度もチマチマと攻撃を続ける。
そしてゴブリンの動きが鈍ったところで脛をぶっ叩く。
「ギギョっ!!??」
この戦いで一番のダメージを受け、数秒ではあるが動きが止まった。
その隙を逃さず、片手に持っていた短剣を背後から首に突き刺す。
念には念を入れて数回ほど突き刺し、クレアラは無事に一人でゴブリンを倒すことに成功した。
遭遇するモンスターを倒しながらミレアナから多くの説明を受けた三人は悩ましい表情をしている。
「バカでは上手く生活できませんからね。ただ、私が教えた方法は全然に……三人が起きな怪我を負うことなく活動出来る方法で」
モンスターと戦う際には相手に攻撃を防御出来る何かを持っておいた方が良い。
傷を癒すポーションと魔力を回復するポーションは必須。
相手の攻撃をなるべく読むようにする。
ダンジョン内に限らず、例えば森の中でも同業者から襲われる可能性はある等々。
他にも多くのことを三人に伝えた。
「私が全て伝えたことをいきなり実践するのは難しいでしょうから、一つずつ着実に用意して実行出来るようになれば問題無いですよ」
「そ、そうですか……あっ」
バータの視界に二体のホーンラビットが映った。
「後ろに私はいます。ただ、なるべく三人で倒してください」
「うっす!!!」
ダッシュしていきなり攻撃をぶちかます……ことはなく、ホーンラビットが万が一にも逃げないようにふてぶてしい態度で接近。
脚が地面を踏みしめる音でバータの存在に気が付き、二体同時に獲物を狩ろうと走り出した。
「ッ!?」
低ランクのホーンラビットとはいえ、一人で相手をしたら隙を突かれて腹に穴を空けられるかもしれない。
そうはさせないとフィーネは矢を放って牽制。
当たりはしなかったが、突進を止めることに成功。
「ふんっ!! お、らっ!!!!」
ホーンラビットの突進を大剣の面で受け止め、即座に叩きつけた。
「ウォーターボール!!!」
もう一体の方に詠唱を終えたクレアラがウォーターボールを放つ。
顔面に直撃し、頭蓋骨はバキバキ。脳を損傷してノックアウト。
「ふっ!!!」
バータが吹き飛ばしたもう一体のホーンラビットに矢が放たれ、叩きつけられた衝撃から立ち直れておらず、矢は綺麗に脳天へ突き刺さった。
「良い連携ね」
「ありがとうございます」
ホーンラビットは額から生えている角、魔石、肉、毛皮が売れる。
比較的売れる素材が多いので、冒険者にとっては良心的なモンスター。
ただ、その角は足や腹を容易に貫くので、そこだけは注意しなければならない。
「さて、次はもう少し戦いやすいモンスターが良いのだけど……」
三人で解体を終わらせ、再び探索しながら手頃のモンスターを探す。
上層に現れるモンスターは三人がかりで戦えば倒せる。
それは把握できたので、ミレアナとしてはクレアラの練習相手になりそうなモンスターと遭遇したい。
(ホーンラビットは一歩間違えれば大怪我に繋がる。バータやフィーネなら問題無いでしょうけど……基本的に嫌いなモンスターですが、クレアラの練習相手として早く現れて……ふふ、丁度良いですね)
嫌悪する存在だが、練習台には相応しいモンスター……そう、それはゴブリン。
丁度運良く一体だけで動いているゴブリンを発見。
「クレアラ、あそこにいるゴブリンを一人で倒してみてください。接近戦の練習です」
「ッ!!! わ、分かりました」
普段ならゴブリンと一人で戦くなんて状況になればオドオドしてしまうが、ミレアナから後衛で多少は接近戦をできなければいけないという事を詳しく伝えられた。
手には杖とフィーネから借りた短剣を持ち、徐々に近づく。
後ろではフィーネがいつでも援護できるように弓を構えている。
バータも万が一を考えて大剣を握りしめて待機。
「ギギャ……ギャギャッ!!!」
後ろには三人の人間が待機しているが、自分に向かって来るのはか弱そうな女のみ。
目の前のフィーネには勝てると思い、基礎もクソもない動きで涎を垂らしながら接近。
「やっ!!」
若干の恐怖を感じながらも声を上げながら杖の先端を武器にして突く。
軽くダメージは入るが、刃ではないので体を斬り裂くことは出来ない。
しかしそれは事前にミレアナから教わっているので、あくまで何度も打撃を与える。
それだけを考えながら時にはゴブリンの攻撃よけ、何度も何度もチマチマと攻撃を続ける。
そしてゴブリンの動きが鈍ったところで脛をぶっ叩く。
「ギギョっ!!??」
この戦いで一番のダメージを受け、数秒ではあるが動きが止まった。
その隙を逃さず、片手に持っていた短剣を背後から首に突き刺す。
念には念を入れて数回ほど突き刺し、クレアラは無事に一人でゴブリンを倒すことに成功した。
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