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兄の物語[25]喋りたい事を喋る先輩達
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「っ!!?? お前ら、無事だったのか!!!!」
ドーウルスに戻る道中、暴れ回るリザードマンの情報を聞きつけた冒険者たちが現場に向かい出し……丁度倒し終えて戻る途中だったクライレットたちと遭遇した。
「皆さん、そんな慌ててどうしたんですか」
「どうしたって、お前らがリザードマンジェネラルに襲われてる同業者を庇って、って…………もしかしなくても、そのリザードマンジェネラルを、倒したか?」
「はい。そのまま倒しました」
当然といった様子で、単体で暴れ回っていたリザードマンジェネラルを自分たちが倒したと口にした青年。
「っ……はっはっは!!!! 流石、Bランク候補筆頭のパーティーってことだな」
急遽集められた冒険者たちの中でも一番実力があり、臨時リーダーとして動くことになった男は、クライレットからの報告が嘘だとは思わず、その言葉を丸っと信じた。
「っ!!?? お、おいおい。それマジなのか?」
とはいえ、いきなりヤバいリザードマンジェネラルがいるという報告を受けて集まった冒険者全員が、その言葉を信じられるわけがない……だが、クライレットは予めその反応を予想していた。
「はい、マジです」
「おわっ!!! こ、こいつは……確かにリザードマンジェネラルだ」
クライレットは直ぐにしまったが、死体は明らかに普通のリザードマンとは違うと解る大きさだった。
「いやぁ~~~、しっかしお前ら本当にやるな~~」
「最後は誰が決めたんだ?」
「本当は俺がぶん殴りたかったけど、クライレットが最高の突きを頭にぶち込んでくれたんすよ」
ドーウルスまでの帰り道、急遽集まった冒険者のうち……ベテランたちは見事四人だけで討伐したクライレットたちに積極的に声をかけ……過剰によいしょするわけではないが、その功績を正直に称えた。
そしてそれは……一行がドーウルスに到着し、今回の一件を上に伝え終えてからも続いた。
「その現場見た訳じゃねぇが、あいつらマジでリザードマンジェネラルの死体を持ってたんだよ」
「ほ~~~ん。まぁ、リザードマンジェネラルの死体なんてそう簡単に用意出来るわけじゃねぇし……ガチのマジみてぇだな」
「今からでも、よそのクランが動きそうね」
「あぁ~~~……そりゃあり得そうだが、あのパーティーのリーダーって、ゼルートの兄貴なんだろ。それなら、下手に絡んで来ねぇんじゃねぇか?」
「そういえばそうだったな。ゼルートはちょっとやんちゃというか、元気な雰囲気を持ってっけど、クライレットの方はクールな感じが強ぇから忘れてたぜ」
「「「「「「「「………………」」」」」」」」
冒険者というのは大抵無神経かつ、デリカシーがない連中が多い。
彼ら、彼女たちがクライレットたちを褒めてくなる気持ちは否定出来ない。
ただ……ロビーには彼らベテラン、後五年も経てばベテランの仲間入りになるまだ若い年代の者たち以外にも……まだケツの殻が取れてないひよこ達もいる。
そんな彼らの前で今話題のスーパールーキー、期待の星を褒めれば……不機嫌になるのは目に見えている。
しかし彼らの中には既に酒が入っているということもあって、途中で「あっ、やべ。しまった」と気付くことなく、今日一日その話題で盛り上がった。
無神経でデリカシーがないバカたちが騒いでいる中、クライレットたちは本日遭遇して戦ったリザードマンジェネラルの死体をギルド専属の解体士たちに預け、現在その強敵が使用していた魔剣を鑑定持ちでそういった道具に詳しい者に視てもらっている。
「……言わなくても解っているとは思うけど、これは間違いなく人の手が加えられたいわくつきの魔剣……いえ、邪剣と言うべきかしら。この魔剣を長時間振るえば、次第に精神を邪剣が乗っ取り……ただ暴れる殺戮戦士になってしまうわ」
あのジェネラルは人間だけを狙っていたのではなく、暴れて殺せるのであれば……人であろうがモンスターであろうが、誰でも良かったのだ。
ドーウルスに戻る道中、暴れ回るリザードマンの情報を聞きつけた冒険者たちが現場に向かい出し……丁度倒し終えて戻る途中だったクライレットたちと遭遇した。
「皆さん、そんな慌ててどうしたんですか」
「どうしたって、お前らがリザードマンジェネラルに襲われてる同業者を庇って、って…………もしかしなくても、そのリザードマンジェネラルを、倒したか?」
「はい。そのまま倒しました」
当然といった様子で、単体で暴れ回っていたリザードマンジェネラルを自分たちが倒したと口にした青年。
「っ……はっはっは!!!! 流石、Bランク候補筆頭のパーティーってことだな」
急遽集められた冒険者たちの中でも一番実力があり、臨時リーダーとして動くことになった男は、クライレットからの報告が嘘だとは思わず、その言葉を丸っと信じた。
「っ!!?? お、おいおい。それマジなのか?」
とはいえ、いきなりヤバいリザードマンジェネラルがいるという報告を受けて集まった冒険者全員が、その言葉を信じられるわけがない……だが、クライレットは予めその反応を予想していた。
「はい、マジです」
「おわっ!!! こ、こいつは……確かにリザードマンジェネラルだ」
クライレットは直ぐにしまったが、死体は明らかに普通のリザードマンとは違うと解る大きさだった。
「いやぁ~~~、しっかしお前ら本当にやるな~~」
「最後は誰が決めたんだ?」
「本当は俺がぶん殴りたかったけど、クライレットが最高の突きを頭にぶち込んでくれたんすよ」
ドーウルスまでの帰り道、急遽集まった冒険者のうち……ベテランたちは見事四人だけで討伐したクライレットたちに積極的に声をかけ……過剰によいしょするわけではないが、その功績を正直に称えた。
そしてそれは……一行がドーウルスに到着し、今回の一件を上に伝え終えてからも続いた。
「その現場見た訳じゃねぇが、あいつらマジでリザードマンジェネラルの死体を持ってたんだよ」
「ほ~~~ん。まぁ、リザードマンジェネラルの死体なんてそう簡単に用意出来るわけじゃねぇし……ガチのマジみてぇだな」
「今からでも、よそのクランが動きそうね」
「あぁ~~~……そりゃあり得そうだが、あのパーティーのリーダーって、ゼルートの兄貴なんだろ。それなら、下手に絡んで来ねぇんじゃねぇか?」
「そういえばそうだったな。ゼルートはちょっとやんちゃというか、元気な雰囲気を持ってっけど、クライレットの方はクールな感じが強ぇから忘れてたぜ」
「「「「「「「「………………」」」」」」」」
冒険者というのは大抵無神経かつ、デリカシーがない連中が多い。
彼ら、彼女たちがクライレットたちを褒めてくなる気持ちは否定出来ない。
ただ……ロビーには彼らベテラン、後五年も経てばベテランの仲間入りになるまだ若い年代の者たち以外にも……まだケツの殻が取れてないひよこ達もいる。
そんな彼らの前で今話題のスーパールーキー、期待の星を褒めれば……不機嫌になるのは目に見えている。
しかし彼らの中には既に酒が入っているということもあって、途中で「あっ、やべ。しまった」と気付くことなく、今日一日その話題で盛り上がった。
無神経でデリカシーがないバカたちが騒いでいる中、クライレットたちは本日遭遇して戦ったリザードマンジェネラルの死体をギルド専属の解体士たちに預け、現在その強敵が使用していた魔剣を鑑定持ちでそういった道具に詳しい者に視てもらっている。
「……言わなくても解っているとは思うけど、これは間違いなく人の手が加えられたいわくつきの魔剣……いえ、邪剣と言うべきかしら。この魔剣を長時間振るえば、次第に精神を邪剣が乗っ取り……ただ暴れる殺戮戦士になってしまうわ」
あのジェネラルは人間だけを狙っていたのではなく、暴れて殺せるのであれば……人であろうがモンスターであろうが、誰でも良かったのだ。
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