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かわいいポラリス
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色々考えて眠くなってしまったのか、話し込んでいたら急にポラリスは寝落ちしてしまった。
「しょうがねえなあ。」
膝裏に手を入れ、お姫様のように抱えてベッドに横たえる。
去ろうとした瞬間、俺の服をぎゅっと細い指が掴んで。
「……ないで。いかないで。」
ずっと、あんな国の城の中で冷遇されてたんだもんな。
たまに来る兄(姉)だけが癒しで、衣食住に困りはしなくても、精神的には辛かっただろうし、ここにきて怒涛の連続だ。
兄も帰ってホッとして、気も緩んでるんだろう。
「行かないよ。ポラリス。」
優しく頭を撫でると、えへへ…と笑った。
うっ…。どうして胸が苦しい…っ。
「ジャン様、かわいいでしょう?ポラリスは。」
「ひゃっ!!」
俺としたことが気づかなかった。
振り返ると、アロー様がジト目でこちらを見ている。
「……本当は、ずっと公爵家で大事に育てる予定だった。体が弱いとか、言い訳をしてね。だけど、『公爵家』だったから。女王陛下のお呼びには従うしかなかった。5歳の可愛い盛りのこの子が心配で、私はあのバカ王子の婚約者に名乗りを上げたってわけ。殿下の婚約者なら、側近をしているこの子に近づけるからね。」
「貴方がそばで彼を守っていたんですね。」
「そう。私が。守っていた。貴方、この子のお兄さんになろうとしてるけど、お兄さんは私だから。それは譲れないから。」
「いやあ、俺だってなかなかいい兄貴になれると思いますが。」
「なれない、絶対。なれない。だって、ジャン様の方がポラリスより半年くらい年下でしょうが。」
「あぁあ!陛下に聞いたんですね!」
「あなたは弟。私は兄。これ、決定事項だから!」
笑顔でアロー様は去っていった。
全くもう。
まだ服の裾掴まれてる。
可愛い寝顔。
年下でも、いいよな?
半年くらい、誤差誤差。
「しょうがねえなあ。」
膝裏に手を入れ、お姫様のように抱えてベッドに横たえる。
去ろうとした瞬間、俺の服をぎゅっと細い指が掴んで。
「……ないで。いかないで。」
ずっと、あんな国の城の中で冷遇されてたんだもんな。
たまに来る兄(姉)だけが癒しで、衣食住に困りはしなくても、精神的には辛かっただろうし、ここにきて怒涛の連続だ。
兄も帰ってホッとして、気も緩んでるんだろう。
「行かないよ。ポラリス。」
優しく頭を撫でると、えへへ…と笑った。
うっ…。どうして胸が苦しい…っ。
「ジャン様、かわいいでしょう?ポラリスは。」
「ひゃっ!!」
俺としたことが気づかなかった。
振り返ると、アロー様がジト目でこちらを見ている。
「……本当は、ずっと公爵家で大事に育てる予定だった。体が弱いとか、言い訳をしてね。だけど、『公爵家』だったから。女王陛下のお呼びには従うしかなかった。5歳の可愛い盛りのこの子が心配で、私はあのバカ王子の婚約者に名乗りを上げたってわけ。殿下の婚約者なら、側近をしているこの子に近づけるからね。」
「貴方がそばで彼を守っていたんですね。」
「そう。私が。守っていた。貴方、この子のお兄さんになろうとしてるけど、お兄さんは私だから。それは譲れないから。」
「いやあ、俺だってなかなかいい兄貴になれると思いますが。」
「なれない、絶対。なれない。だって、ジャン様の方がポラリスより半年くらい年下でしょうが。」
「あぁあ!陛下に聞いたんですね!」
「あなたは弟。私は兄。これ、決定事項だから!」
笑顔でアロー様は去っていった。
全くもう。
まだ服の裾掴まれてる。
可愛い寝顔。
年下でも、いいよな?
半年くらい、誤差誤差。
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