16 / 51
ジョニー=ポール=ジュエリー
しおりを挟む
「この証拠品…。依頼なんでね。」
目の前の男はエルグランド王国のアポロ陛下がスターライト公爵に指示をした文書、エドワードの血液型の鑑定書、アポロ陛下の手記を亜空間に放り込んでいる。
「お前ッ!分かっているのかッ!エルグランドの現女王と実家は、お前の妹を……!アレクサンドラを殺したのだぞッ!!!」
「ああ、もちろん分かっている。しかし証拠というから依頼されてみれば、全然弱いな。客観性が欠ける。そんなことだろうと思ったが。これで国際裁判に勝てるおつもりか?」
「この鬼畜がッ!」
許せない。
剣を握る手に力が入り、斬りかかるが力みすぎて捌かれてしまった。
「大きくなったなあ、ジャン。立派になったもんだ。俺はこんなんだからな。お前は犯罪者になって欲しくないから、一人でも生活できる頃合いに捨てたのに、盗賊になんてなるから心配してたんだぜ?まあ、運よくあるべきところに納まってなによりだ。」
「煩いっ!」
「騎士団の副団長のくせにへっぴりだな。」
違う、こいつが異常に身が軽いんだ。くそっ!
「忠告してやろう。俺以外にも使って、お姫様の行方を捜しているぞ?裁判までに死んでくれればもうけだからな。そして、この国にいるだろうってことはとっくにバレてる。そりゃあそうだ、ここは身内だからな。分かりやすい。お姫様が大事なら、裁判の日までお前が守り抜くんだな。」
そして、早く戻った方がいい。
あいつら、俺を信頼しているようで警戒心が強いから、この城にもう……。
スッと男が消える。
「…ッ!転移かっ!」
しかしこうしてはいられない。ポラリスたちが危ない。
「陛下、早く戻りましょう!」
「うむ!」
陛下は書類を閉まっていた金庫の扉を閉め、ジャンに続いて部屋を出た。
――――あいつ。一体…。何を考えている?
陛下やジャンと別れた部屋で身を潜めていると、妖しい動きをする侍女や兵士たちがあたりを見回している。
名前も知らない人たち。
おばあさまを見れば、おばあさまも首を横に振っていた。
――――もしかして…。この人たち…。
緊張で手に汗がにじむ。
息をひそめて。
呼吸の音さえ聞こえないように。
目の前の男はエルグランド王国のアポロ陛下がスターライト公爵に指示をした文書、エドワードの血液型の鑑定書、アポロ陛下の手記を亜空間に放り込んでいる。
「お前ッ!分かっているのかッ!エルグランドの現女王と実家は、お前の妹を……!アレクサンドラを殺したのだぞッ!!!」
「ああ、もちろん分かっている。しかし証拠というから依頼されてみれば、全然弱いな。客観性が欠ける。そんなことだろうと思ったが。これで国際裁判に勝てるおつもりか?」
「この鬼畜がッ!」
許せない。
剣を握る手に力が入り、斬りかかるが力みすぎて捌かれてしまった。
「大きくなったなあ、ジャン。立派になったもんだ。俺はこんなんだからな。お前は犯罪者になって欲しくないから、一人でも生活できる頃合いに捨てたのに、盗賊になんてなるから心配してたんだぜ?まあ、運よくあるべきところに納まってなによりだ。」
「煩いっ!」
「騎士団の副団長のくせにへっぴりだな。」
違う、こいつが異常に身が軽いんだ。くそっ!
「忠告してやろう。俺以外にも使って、お姫様の行方を捜しているぞ?裁判までに死んでくれればもうけだからな。そして、この国にいるだろうってことはとっくにバレてる。そりゃあそうだ、ここは身内だからな。分かりやすい。お姫様が大事なら、裁判の日までお前が守り抜くんだな。」
そして、早く戻った方がいい。
あいつら、俺を信頼しているようで警戒心が強いから、この城にもう……。
スッと男が消える。
「…ッ!転移かっ!」
しかしこうしてはいられない。ポラリスたちが危ない。
「陛下、早く戻りましょう!」
「うむ!」
陛下は書類を閉まっていた金庫の扉を閉め、ジャンに続いて部屋を出た。
――――あいつ。一体…。何を考えている?
陛下やジャンと別れた部屋で身を潜めていると、妖しい動きをする侍女や兵士たちがあたりを見回している。
名前も知らない人たち。
おばあさまを見れば、おばあさまも首を横に振っていた。
――――もしかして…。この人たち…。
緊張で手に汗がにじむ。
息をひそめて。
呼吸の音さえ聞こえないように。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
720
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる