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うそつき
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「今日は農地の視察に行ってくるよ。」
「いってらっしゃい。」
いつもの朝。
レオは、ウルフとタイガーにレノを託して、ジェラルドを連れ、視察に向かった。
今日は辺境の辺りまで視察するらしい。
元々農地には向かない地質である。
国の支援は不可欠だから、定期的な視察は必要だ。
レオを見送って、レノは編み物を取り出した。
あと少しで完成する。
レオのために編んだマフラー。
もうすぐ寒くなるから、喜んでくれるだろうか。
ソファに座って、仕上げをする。
昼を過ぎても、レオは帰って来なかった。
何かトラブルでもあったのかな。
完成したマフラーを包んで、夕餉には帰るはずだと思った。
夕餉が近くなってもレオは帰ってこない。
不安になって、レオの筆記用具で捜索魔法を使おうと思った時。
ガヤガヤと城が慌ただしくなり、音の方へ急いだ。
傷だらけの騎士たち。
返り血で真っ赤に汚れた服。
ジェラルドが、俺を見つけて、泣き出した。
「すみません、申し訳ありませんッ!俺が、俺たちがついていながらっ!」
よく見ると、魔族とエルフの亡骸が転がっている。
そして、縛りあげられている獣人の若い男。
「いったい何が?………レオは?レオはどこなの!?」
いやな予感が、胸を騒がせる。
「レオ様は……この、魔族とエルフの首謀者を。レノ様とお腹の子を守ると言って。倒したのですが……死に際の魔法で森に吹き飛ばされて……。致命傷を負った状態で……。お体も見つけられずっ………」
いや。
いやだ。
レオ。一緒にいてくれるっていったじゃん。
離れないって。
うそつき。
俺は意識を手放した。
「いってらっしゃい。」
いつもの朝。
レオは、ウルフとタイガーにレノを託して、ジェラルドを連れ、視察に向かった。
今日は辺境の辺りまで視察するらしい。
元々農地には向かない地質である。
国の支援は不可欠だから、定期的な視察は必要だ。
レオを見送って、レノは編み物を取り出した。
あと少しで完成する。
レオのために編んだマフラー。
もうすぐ寒くなるから、喜んでくれるだろうか。
ソファに座って、仕上げをする。
昼を過ぎても、レオは帰って来なかった。
何かトラブルでもあったのかな。
完成したマフラーを包んで、夕餉には帰るはずだと思った。
夕餉が近くなってもレオは帰ってこない。
不安になって、レオの筆記用具で捜索魔法を使おうと思った時。
ガヤガヤと城が慌ただしくなり、音の方へ急いだ。
傷だらけの騎士たち。
返り血で真っ赤に汚れた服。
ジェラルドが、俺を見つけて、泣き出した。
「すみません、申し訳ありませんッ!俺が、俺たちがついていながらっ!」
よく見ると、魔族とエルフの亡骸が転がっている。
そして、縛りあげられている獣人の若い男。
「いったい何が?………レオは?レオはどこなの!?」
いやな予感が、胸を騒がせる。
「レオ様は……この、魔族とエルフの首謀者を。レノ様とお腹の子を守ると言って。倒したのですが……死に際の魔法で森に吹き飛ばされて……。致命傷を負った状態で……。お体も見つけられずっ………」
いや。
いやだ。
レオ。一緒にいてくれるっていったじゃん。
離れないって。
うそつき。
俺は意識を手放した。
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