義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

素敵な旦那様

「さて、俺の可愛い奥様？」


ぎくりと、鎧姿のリーゼロッテは肩を揺らした。



兜を脱いで、バツが悪そうにする。

口をとがらせた顔もかわいいな、とスノーは思った。


「可愛いなァ。俺が心配だったんでしょ。それで、やきもち焼いちゃって。どう？安心してくれた？」


「もっ、もっ、もぉぉぉぉっ！」



「やきもち焼きの可愛い奥さんには、俺がどれだけ愛しているのかをよーく理解してもらわないとな。」

「きゃ！」


スノーはリーゼロッテを肩に担ぎ、シンとロイにウインクして去っていった。





「叔父様に連絡しなきゃな……。そもそもなんでローメン王国の修道院だったんだろう。ローメンなんかに行かなきゃ…。」

はぁと、ため息が出る。


「シンは優しいね。」


抱き寄せて、肩に寄せた。





今は気を失っているローザ。


目が覚めたら、彼女はどう思うのだろう。

片足ではもうダンスは踊れない。

傷物では、貴族に嫁げない。



あのローザが逞しく生きていけるのだろうか。