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面倒臭がりの兄を持って、意外といい事だらけです
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ちなみに今日は初めての買い物…もとい視察なのです!
一週間前、兄様が急に
「買い物と視察に行く。ユークも。」
と言い出したのだ。最初は冗談かな~、
あの面倒くさがりの兄様が買い物なんて…と思っていたらいつの間にか父様と母様以外の全員に広まっていたのだった。
まあ母様には何となくバレていたけど。
でも意外。兄様のことだから自分一人でふらっと行ってふらっと帰ってくると思っていたのに。
まあおかげで安心して私も買い物に行けるんだけどね。それに公爵領のことなんて全然知らないし。
公爵領は王都から少し離れたところにある活気溢れる綺麗な街並み。
見ると所々色付きのガラスみたいなのが道路に埋め込まれている。ガラスにしてはキラキラしているような…?
「サーシャ、これ何?ガラス?」
「これはこの近くにある鉱山から発掘された鉱物です。」
「え、それって宝石!?」
宝石が道路に埋め込まれているなんて!日本では信じられない…。
「いえ、宝石ではありません。偽物でございます。」
「え?じゃあやっぱりガラスなの?」
だって鉱山から出てくるキラキラした石でしょ?宝石じゃないの?
「…本物の反応、ない。偽物。」
「やはり偽物ですね。ディアン様がおっしゃるなら間違いないでしょう。」
???本物の反応?もうわけわかんない…
「ユークはまだ知らないの?」
「うん、全然知らない。どういうこと?私だけ仲間外れにされてるみたいなんだけどー。」
ぶーぶー文句を言うと頭をなでられた。仲間外れの次は子供扱いのようだ。まあ子供だけれども。
「昔はこの鉱物も宝石と呼ばれていたらしいのですが今ではこれらは『偽物石』となっております。」
へ~。こんなに綺麗なのにな~。
「じゃあ本物の宝石はどんなの?」
「宝石は様々な、人為を越えた効果が付いた石です。宝石は精霊に気に入られた一族…」
「サーシャ、そこまで。」
急に兄様に遮られた。えー、いい所だったのに。
「あっ…申し訳ございませんでした。」
「兄様?なんで話終わるの?」
「ユーク、行くよ。」
なんだか、というか全く腑に落ちないけど元、空気が読める国代表の日本の国民だった私はちゃんと聞き分けまーす。
「はーい。」
それにそのうち教えてくれると思うし。それまで待っておこうと。
……この謎のお気楽思考はまさか…父様譲り…なわけないよね。うん。
「兄様、ここ来たことあるの?」
「ない。」
「外出は?」
「ない。」
なんと、兄様も初外出だったのか。それにしては臆さずに進むな~。
私なんか買い物なんて前世では嫌というほど行ったのに興味津々だよ。
「怖いの?手、つなぐ?」
「?こわくないよ?」
「ふ~ん。」
何でだろ、ちょっと不機嫌になったような…。後ろからサーシャにため息つかれた!?ううぅ、解せぬ。
「あっ!ウサギの飴!鳥の飴もある!」
ふと横を見ると出店が並んでいた。
その中で一際目を引いたのは飴細工の店だった。
だってピンクとか緑とか黄色の飴が瞬きするたびに形を変えていって気が付いたら色んなものに変わったんだよ!これは興奮するでしょ!
「欲しいの?飴」
「うー、買おうかな~…でももうすぐ昼食だし帰らなくちゃいけないし…」
そう、昼食までには帰ると皆に言ってしまったのだ。
飴細工は小さいのだが食べるのに時間がかかってしまう。
歩きながら食べるのは品がないし…でも家に帰る時には溶けてしまう。やっぱり今回は諦めるか。
「今日はあきら」
「飴、一つ。」
「あいよっ!どれがいいかい?」
諦める、と言い切る前に遮られ注文された。えっえっえっ???
「えっと…うさぎの飴を…お願いします。」
「承知!嬢ちゃん、ちょっと待っててくれよっ。おっちゃんがすぐにうさちゃんの飴作ってやるからな!」
このおじさん、すごいフレンドリーだな…。圧倒される…じゃなくて!
「兄様、時間良かったの?私が食べてたら兄様が店を見る時間なくなっちゃうよ?」
「ん。別に店には興味なかったから。」
…ならいいのか?店は興味ないなら何に興味持ってたんだろ?本当に兄様は視察が目的なのかな?いや、それはないか。
「よし、嬢ちゃん、ウサギの飴だ!落とさないように持ってくれよ!代金は…100ステラだ。」
「ん。」
「まいどありっ!」
ステラはこの世界の共通通貨だ。1ステラの相場は大体1円だと思う。
「兄様、ありがと!ひとくちいる?」
「…もらう。」
多分食べ切るのに時間かかるだろうし。
先に食べてもらおうっと。私は食べきることができなさそうだったら先に兄様に食べてもらっている。
別に母様でもいいんだけどな~。でも兄様が断固として
「俺にだけにして。」
っていうからこっちが折れました。あ、今ならサーシャいるしサーシャにもあげようかな?
「サーシャも一口いる?」
「いえ、もう甘いですし命は大切にしたいので遠慮いたします。」
という謎の理由で断られた。飴アレルギーでもあるのかな?
と、そんな感じで初めての買い物は終わりました。
ちなみに、飴の味は前世で飲んだフルーツパンチソーダの味がしました。うまうま
一週間前、兄様が急に
「買い物と視察に行く。ユークも。」
と言い出したのだ。最初は冗談かな~、
あの面倒くさがりの兄様が買い物なんて…と思っていたらいつの間にか父様と母様以外の全員に広まっていたのだった。
まあ母様には何となくバレていたけど。
でも意外。兄様のことだから自分一人でふらっと行ってふらっと帰ってくると思っていたのに。
まあおかげで安心して私も買い物に行けるんだけどね。それに公爵領のことなんて全然知らないし。
公爵領は王都から少し離れたところにある活気溢れる綺麗な街並み。
見ると所々色付きのガラスみたいなのが道路に埋め込まれている。ガラスにしてはキラキラしているような…?
「サーシャ、これ何?ガラス?」
「これはこの近くにある鉱山から発掘された鉱物です。」
「え、それって宝石!?」
宝石が道路に埋め込まれているなんて!日本では信じられない…。
「いえ、宝石ではありません。偽物でございます。」
「え?じゃあやっぱりガラスなの?」
だって鉱山から出てくるキラキラした石でしょ?宝石じゃないの?
「…本物の反応、ない。偽物。」
「やはり偽物ですね。ディアン様がおっしゃるなら間違いないでしょう。」
???本物の反応?もうわけわかんない…
「ユークはまだ知らないの?」
「うん、全然知らない。どういうこと?私だけ仲間外れにされてるみたいなんだけどー。」
ぶーぶー文句を言うと頭をなでられた。仲間外れの次は子供扱いのようだ。まあ子供だけれども。
「昔はこの鉱物も宝石と呼ばれていたらしいのですが今ではこれらは『偽物石』となっております。」
へ~。こんなに綺麗なのにな~。
「じゃあ本物の宝石はどんなの?」
「宝石は様々な、人為を越えた効果が付いた石です。宝石は精霊に気に入られた一族…」
「サーシャ、そこまで。」
急に兄様に遮られた。えー、いい所だったのに。
「あっ…申し訳ございませんでした。」
「兄様?なんで話終わるの?」
「ユーク、行くよ。」
なんだか、というか全く腑に落ちないけど元、空気が読める国代表の日本の国民だった私はちゃんと聞き分けまーす。
「はーい。」
それにそのうち教えてくれると思うし。それまで待っておこうと。
……この謎のお気楽思考はまさか…父様譲り…なわけないよね。うん。
「兄様、ここ来たことあるの?」
「ない。」
「外出は?」
「ない。」
なんと、兄様も初外出だったのか。それにしては臆さずに進むな~。
私なんか買い物なんて前世では嫌というほど行ったのに興味津々だよ。
「怖いの?手、つなぐ?」
「?こわくないよ?」
「ふ~ん。」
何でだろ、ちょっと不機嫌になったような…。後ろからサーシャにため息つかれた!?ううぅ、解せぬ。
「あっ!ウサギの飴!鳥の飴もある!」
ふと横を見ると出店が並んでいた。
その中で一際目を引いたのは飴細工の店だった。
だってピンクとか緑とか黄色の飴が瞬きするたびに形を変えていって気が付いたら色んなものに変わったんだよ!これは興奮するでしょ!
「欲しいの?飴」
「うー、買おうかな~…でももうすぐ昼食だし帰らなくちゃいけないし…」
そう、昼食までには帰ると皆に言ってしまったのだ。
飴細工は小さいのだが食べるのに時間がかかってしまう。
歩きながら食べるのは品がないし…でも家に帰る時には溶けてしまう。やっぱり今回は諦めるか。
「今日はあきら」
「飴、一つ。」
「あいよっ!どれがいいかい?」
諦める、と言い切る前に遮られ注文された。えっえっえっ???
「えっと…うさぎの飴を…お願いします。」
「承知!嬢ちゃん、ちょっと待っててくれよっ。おっちゃんがすぐにうさちゃんの飴作ってやるからな!」
このおじさん、すごいフレンドリーだな…。圧倒される…じゃなくて!
「兄様、時間良かったの?私が食べてたら兄様が店を見る時間なくなっちゃうよ?」
「ん。別に店には興味なかったから。」
…ならいいのか?店は興味ないなら何に興味持ってたんだろ?本当に兄様は視察が目的なのかな?いや、それはないか。
「よし、嬢ちゃん、ウサギの飴だ!落とさないように持ってくれよ!代金は…100ステラだ。」
「ん。」
「まいどありっ!」
ステラはこの世界の共通通貨だ。1ステラの相場は大体1円だと思う。
「兄様、ありがと!ひとくちいる?」
「…もらう。」
多分食べ切るのに時間かかるだろうし。
先に食べてもらおうっと。私は食べきることができなさそうだったら先に兄様に食べてもらっている。
別に母様でもいいんだけどな~。でも兄様が断固として
「俺にだけにして。」
っていうからこっちが折れました。あ、今ならサーシャいるしサーシャにもあげようかな?
「サーシャも一口いる?」
「いえ、もう甘いですし命は大切にしたいので遠慮いたします。」
という謎の理由で断られた。飴アレルギーでもあるのかな?
と、そんな感じで初めての買い物は終わりました。
ちなみに、飴の味は前世で飲んだフルーツパンチソーダの味がしました。うまうま
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