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出来はいいけど変人な父親を持つと周りは困ります。
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「ユーク様、コール様をお見掛けされていられませんか?」
「父様?うん、今日は見てないよ。また父様が仕事してないの?」
「ええ、それはいつものことです。ですが…」
そう言われてみればそうだな。仕事をしていなくて納期ギリギリにし始めるのが父様だ。
何故まだ爵位を剥奪されていないのかが謎、というくらい。
この焦ってる青年はアルカ。サーシャの弟で父様の部下1年目だよ!
父様の部署は父様が魔法を創造し、それからできた魔法の精度を皆で上げていこー!っていうところです。
ここに入れる人はすごいエリートの証なんだけど…自ら志願する生贄…もとい勇気のある魔導士は年々減って来てるんだよね。
だからアルカは貴重な人材なんだ。
「ですが?」
「大変言い難いのですが…実は今回できた魔法が…猫耳が出現する魔法…なのです。」
「…それは興味深い、じゃなくて大変なことを…」
「ユーク様からも言ってあげて下さい!俺、同僚が不
憫で不憫で夜しか眠れないんですよ!」
うん、安眠できてるみたいでよかった。
でも同僚さんは不憫すぎる…。
自分の頭に猫耳がついていたら…前世の私なら迷いなく鏡割ってただろうな。
まあこの世界に鏡がないだけましだね。
いや、でも自分以外の成人男性の猫耳姿を見るのも嫌だな。
仕方ない…。救助隊、行きますか。
『コンコンコン』
「失礼します。父様…」
ああ、やっぱり。
「ぎゃああああああ!!猫耳ぃぃぃぃぃっ!!!」
「誰得だよ、この魔法!!??」
「ひゃひゃひゃひゃひゃwwwwwwwww」
阿鼻叫喚だな、これは。1人はおかしくなりすぎて笑い転げてるし。
「ああああああああっ、ユークレース様!!お願いです!御父上を止めて下さい!あの変人をどうか!!」
…今すぐUターンしたい。
そして父様を縛り上げたい。
というか何をどうしたらこんなものを作れるんだ…ん?
「ねえアルカ、ちょっと聞いてもいい?」
「はい?何でしょうか?」
「なんで父様しか魔法創造できないの?というかどうやってできるの?」
父様が、知らない魔法を使っているのは何度も見たことがある。
その時はあー、また父様が魔法作ってる。としか考えていなかったけれど今思えばどうやって作っているのか私は知らない。
今魔法創造が出来るのは父様だけというのも謎だし。
「それはですね…」
「アルカ、アウト―!」
「「ぎゃあああああああああああっ!?!?」」
いかん、混乱しすぎて令嬢らしからぬ声が出てしまった…。
でも今のは百パーセント父様が悪いもん!
「もー、ひどいなあ。人をオバケみたいに。」
「公爵様はお化けよりたちが悪いです!ああ、お願いですからお静まり下さい…。」
「君、サラッと上司を悪霊扱いしたよね。」
「あ、というか父様!」
いけない、その場の雰囲気に飲まれて忘れるところだった。
まず初めに父様を叱らないと!
「変な魔法作っちゃだめです!あと人の話遮らないでください!」
せっかくアルカから聞き出そうと思ってたのに…。むうう…
「ごめんごめん~。でも後者は仕方ないんだ~。こればっかりはね。」
「…その件については申し訳ございませんでした。お化け呼ばわりしたのは断固として謝りませんが。」
珍しい、アルカが父様にこんなに真摯に謝るなんて入った3日以来…。
これは聞いちゃダメなのかな?
「わかった。魔法創造の方法を聞き出すのは諦めるけど部下は大切にしてよね。」
「え~、大事に大事に実験してるよ~。まあ、ユークもじきにわかると思うよ。自分で気付きなさい。」
「…はーい。」
ほんと何なんだろ、サーシャに聞いた時も兄様に止められてたし。
これはけっこう昔からあったんだよね。
でも皆私には教えてくれない。
そのうち分かるよ、と言ってもう1年だ。兄様も昔はそうだったらしいけど今は分かってるし…私だけ仲間外れみたい…。
うううう~、もやもやする~。前世では何してたっけ?平日はカラオケ行ったり…休日は買い物して…でもここではできないしな~不便…。
あ、あれならできるかも!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「お菓子作り…ですか?」
「うん!やりたいの!」
「ユーク様、何か食べたいお菓子があるのでしたら私たちが作るか取り寄せますので…」
「いや!それじゃあ意味がないの!」
前世でカラオケに行く時間もない時はお菓子作りをしていたのだ!
ホットケーキにアイスクリーム、ガトーショコラにプリン!ああ、考えただけで唾液が…。
ローゼルクにはあまりお菓子がない。フルーツの砂糖漬けや干菓子みたいな砂糖菓子、あとは前に食べた飴菓子くらいだ。
高級だけど、外国から輸入した砂糖菓子にチョコレートはあったんだけど…
質はスーパーに売っている10円チョコを溶かして固めたくらいの物に対し高級チョコレート何個買える!?くらいのお金がかかるので、私はあまり食べない。
まあ、材量はあるのに作らないなんてもったいない!という訳でレッツクッキング~と言いたいところだけれど…
やっぱり止められました。前世で読んだラノベの転生系の主人公はすんなりと許可貰ってたのに~。
でもホットケーキのためにはこんなことではへこたれぬ!
「ねーねー、母様~。お菓子作りたーい。」
「料理人さん達が作ってくれてるでしょ~?それじゃあだめなの?」
「だめなの~。」
まずは母様を攻略だ!母様は大のお菓子好き。
砂糖菓子よりもおいしいものがあると言ったらすぐに飛びつくはず!
「実は~、お砂糖のお菓子よりもおいしいお菓子の作り方を知ってるの!」
「!?砂糖菓子よりもおいしいお菓子…?」
「うん…でも皆がダメっていうの~。」
やっぱり食いついた。後は引き上げるだけ!
「そうねえ…ユークちゃんはまだ小さいし。他の人にレシピを見せて作ってもらうのはどうかしら?」
…その手があったか。いや、でも私の目的はストレス発散!それじゃあ意味がないのだ!
「いや!私ちゃんと作れるもん!みんなに見てもらうから!」
「…じゃあ、危ないところは皆に手伝ってもらって、安全なことだけして頂戴。」
やったー!母様攻略成功!!
「その基準は?」
「サーシャ基準。」
「…あーい」
サーシャ基準か~。きびしいからな~。
まあいいや、ではレッツクッキング!
「父様?うん、今日は見てないよ。また父様が仕事してないの?」
「ええ、それはいつものことです。ですが…」
そう言われてみればそうだな。仕事をしていなくて納期ギリギリにし始めるのが父様だ。
何故まだ爵位を剥奪されていないのかが謎、というくらい。
この焦ってる青年はアルカ。サーシャの弟で父様の部下1年目だよ!
父様の部署は父様が魔法を創造し、それからできた魔法の精度を皆で上げていこー!っていうところです。
ここに入れる人はすごいエリートの証なんだけど…自ら志願する生贄…もとい勇気のある魔導士は年々減って来てるんだよね。
だからアルカは貴重な人材なんだ。
「ですが?」
「大変言い難いのですが…実は今回できた魔法が…猫耳が出現する魔法…なのです。」
「…それは興味深い、じゃなくて大変なことを…」
「ユーク様からも言ってあげて下さい!俺、同僚が不
憫で不憫で夜しか眠れないんですよ!」
うん、安眠できてるみたいでよかった。
でも同僚さんは不憫すぎる…。
自分の頭に猫耳がついていたら…前世の私なら迷いなく鏡割ってただろうな。
まあこの世界に鏡がないだけましだね。
いや、でも自分以外の成人男性の猫耳姿を見るのも嫌だな。
仕方ない…。救助隊、行きますか。
『コンコンコン』
「失礼します。父様…」
ああ、やっぱり。
「ぎゃああああああ!!猫耳ぃぃぃぃぃっ!!!」
「誰得だよ、この魔法!!??」
「ひゃひゃひゃひゃひゃwwwwwwwww」
阿鼻叫喚だな、これは。1人はおかしくなりすぎて笑い転げてるし。
「ああああああああっ、ユークレース様!!お願いです!御父上を止めて下さい!あの変人をどうか!!」
…今すぐUターンしたい。
そして父様を縛り上げたい。
というか何をどうしたらこんなものを作れるんだ…ん?
「ねえアルカ、ちょっと聞いてもいい?」
「はい?何でしょうか?」
「なんで父様しか魔法創造できないの?というかどうやってできるの?」
父様が、知らない魔法を使っているのは何度も見たことがある。
その時はあー、また父様が魔法作ってる。としか考えていなかったけれど今思えばどうやって作っているのか私は知らない。
今魔法創造が出来るのは父様だけというのも謎だし。
「それはですね…」
「アルカ、アウト―!」
「「ぎゃあああああああああああっ!?!?」」
いかん、混乱しすぎて令嬢らしからぬ声が出てしまった…。
でも今のは百パーセント父様が悪いもん!
「もー、ひどいなあ。人をオバケみたいに。」
「公爵様はお化けよりたちが悪いです!ああ、お願いですからお静まり下さい…。」
「君、サラッと上司を悪霊扱いしたよね。」
「あ、というか父様!」
いけない、その場の雰囲気に飲まれて忘れるところだった。
まず初めに父様を叱らないと!
「変な魔法作っちゃだめです!あと人の話遮らないでください!」
せっかくアルカから聞き出そうと思ってたのに…。むうう…
「ごめんごめん~。でも後者は仕方ないんだ~。こればっかりはね。」
「…その件については申し訳ございませんでした。お化け呼ばわりしたのは断固として謝りませんが。」
珍しい、アルカが父様にこんなに真摯に謝るなんて入った3日以来…。
これは聞いちゃダメなのかな?
「わかった。魔法創造の方法を聞き出すのは諦めるけど部下は大切にしてよね。」
「え~、大事に大事に実験してるよ~。まあ、ユークもじきにわかると思うよ。自分で気付きなさい。」
「…はーい。」
ほんと何なんだろ、サーシャに聞いた時も兄様に止められてたし。
これはけっこう昔からあったんだよね。
でも皆私には教えてくれない。
そのうち分かるよ、と言ってもう1年だ。兄様も昔はそうだったらしいけど今は分かってるし…私だけ仲間外れみたい…。
うううう~、もやもやする~。前世では何してたっけ?平日はカラオケ行ったり…休日は買い物して…でもここではできないしな~不便…。
あ、あれならできるかも!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「お菓子作り…ですか?」
「うん!やりたいの!」
「ユーク様、何か食べたいお菓子があるのでしたら私たちが作るか取り寄せますので…」
「いや!それじゃあ意味がないの!」
前世でカラオケに行く時間もない時はお菓子作りをしていたのだ!
ホットケーキにアイスクリーム、ガトーショコラにプリン!ああ、考えただけで唾液が…。
ローゼルクにはあまりお菓子がない。フルーツの砂糖漬けや干菓子みたいな砂糖菓子、あとは前に食べた飴菓子くらいだ。
高級だけど、外国から輸入した砂糖菓子にチョコレートはあったんだけど…
質はスーパーに売っている10円チョコを溶かして固めたくらいの物に対し高級チョコレート何個買える!?くらいのお金がかかるので、私はあまり食べない。
まあ、材量はあるのに作らないなんてもったいない!という訳でレッツクッキング~と言いたいところだけれど…
やっぱり止められました。前世で読んだラノベの転生系の主人公はすんなりと許可貰ってたのに~。
でもホットケーキのためにはこんなことではへこたれぬ!
「ねーねー、母様~。お菓子作りたーい。」
「料理人さん達が作ってくれてるでしょ~?それじゃあだめなの?」
「だめなの~。」
まずは母様を攻略だ!母様は大のお菓子好き。
砂糖菓子よりもおいしいものがあると言ったらすぐに飛びつくはず!
「実は~、お砂糖のお菓子よりもおいしいお菓子の作り方を知ってるの!」
「!?砂糖菓子よりもおいしいお菓子…?」
「うん…でも皆がダメっていうの~。」
やっぱり食いついた。後は引き上げるだけ!
「そうねえ…ユークちゃんはまだ小さいし。他の人にレシピを見せて作ってもらうのはどうかしら?」
…その手があったか。いや、でも私の目的はストレス発散!それじゃあ意味がないのだ!
「いや!私ちゃんと作れるもん!みんなに見てもらうから!」
「…じゃあ、危ないところは皆に手伝ってもらって、安全なことだけして頂戴。」
やったー!母様攻略成功!!
「その基準は?」
「サーシャ基準。」
「…あーい」
サーシャ基準か~。きびしいからな~。
まあいいや、ではレッツクッキング!
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