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あ、この後修羅場るなぁ…

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~あれから24回ホットケーキを、37回フォンダンショ
コラを、45回マカロンを、15回クレープを………etc作った後~つまり大体一年後~

「ディアン、ユークちゃん。大事なお話しがあります。」

「なーに?」

「俺、出発の準備してるんだけど。」

そう、兄様は今十歳。

つまり学園に入学する年齢。

だから最近はずっと勉強…してないな。

おかしいな…学園の入学者は質を落とさないようにとかなりの量の課題を出されるとファールに聞いたのだけど…

そこまで多くないのかな?勉強してる姿見てないし。

「ずっと大切なことなの。今からお兄様…陛下の所に行くわよ。」

って意外と重要案件だった!?

え、普通にいつもの「甘いものがない」「暇」「お腹空いた」の類だと思ってたのに。

そう思っていたのも束の間、気付けば馬車の中に詰め込まれていた。

んしょ、んしょと兄様の膝の上に座る。ふぃ~、落ち着く落ち着く。

「ねえ、ほんとなんなの?俺ら急に呼び出してさ。」

「それはまだ言えない決まりになってるの。」

「へえ、じゃあ帰っていい?母様も知ってるでしょ?俺があと何日で家出るのか。」

うわ…なんかギスギスしてるよ…しかも母様押されてるし。

「兄様、母様怒っちゃダメだよ。」

「…。」

あ、ふて寝しちゃった。

母様はこの隙にとピースサインしてるし。

なんなんだこの異空間…


「サファイア、よく来たな。」

「お兄様、お久しぶりです。この度は精霊王様の契約相手が決まったとのことでお時間いただきました。」

「ああ。」

ほえ~、威圧感のあるオジサマだな…

あ、後ろにいる子は王子かな?

歳は兄様と同じって聞いたことある。

うん、予想通りの美少年。

基本的にこの国の人達みんな顔が整ってるんだよね~。

最近やっと見慣れてきたよ。

「それで、精霊王様は何と?」

「今からウィーネを呼び出します。殿下と息子たちの中でウィーネの姿を見ることの出来る者が次の契約者です。ウィーネ。」

…どこにもウィーネさんの姿が見えない。

これは私ではないのかな?

じゃああとは兄様と殿下か。

兄様は通常運転だな。殿下は…青ざめてる!?はい、契約者は殿下で決定決定ー。

さー帰ろ。

「どうした?誰か名乗りあげろ。」

ん?なんで言わないの?

ほら、陛下が期待した目で見てるよー?

「お兄様、私から言っていいかしら?」

「…頼んだ。」

「ディアンー?なんで言わないのよ!」

…兄様だったか。

「は?なんで俺が契約なんてしなきゃいけないの?めんどくさい。」

「ディアン!何を言ってるの!?ばか!」

「そんなことで俺ら呼んだの?じゃあ俺帰る。」

うわあ、なんか兄様怒ってる?

なんだか三徹目のアルカみたいな雰囲気があるよ………

すると兄様が

「は?力が欲しいか?俺は自分の力で守るから必要ない。」

と言い出した。

うーん、兄様の前にウィーネさんがいて、受け答えしてるんだよね?

喋ってることはかっこいいけど、かっこいいんだよ?一人で喋ってる人に見えるよ…。

「知らない。じゃあ移行する。」

兄様がそう言った瞬間、兄様の目の前にいるウィーネさんの姿が見えた。

『ーーー?』

「え?」

何か言ったみたいだけど、聞こえない…というより、

「兄様、移行って何!?なんで私がウィーネさんを見れるようになったの!?」

「俺が契約権利をユークに移行した。それだけ。」

「そんなの聞いてない!」

「言ってないから。」

うわ、母様も陛下も怒ってる感じがする…

『何を言ってるんだ?若造?』

あ、ウィーネさんも怒り出した。

なんだよこの修羅場…誰かこの状況から脱出する方法を教えてださい!!
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