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ラテン語って飽きるよね?ね?

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遂にこの日が来ましたよ…
服よーし、髪型よーし、護身用ナイフよーし、行く準備よーし、お金よーし、
「ユーク様、そろそろ参りましょう。」
シャーサよーし!さあ、新たなる地へ、れっつらごー!!

今から私が向かうのはローゼルクで一番大きな神殿。
今日は洗礼の儀。十歳になったので神殿に一度だけ入り、身を清めるのだ。
出発する時、母様と父様、それからたくさんの使用人たちとハグをして別れてきた。なんか気恥ずかしかったよ~。
そのあと、父様がこっそりと
「もしも神殿に入る時に何かあったらこれを食べて。」
と言われて毒々しい紫色をした飴を渡された。どれくらいの毒々しさかというと、RPGとかのげーむで『猛毒』って表記されそうなくらい。ガチの毒かと思ったよ。
こうして、ちょっと不安に思いながらシャーサと共に領地を出ました。
本来、連れていく使用人は五人以上だが、それはちょっと申し訳ないので着いてきてくれなくても大丈夫だと言ったんだけど、シャーサは断固として承認してくれなかったのだ。それを見た父様が
「シャーサについて行ってもらいなよ~。その方が父様も安心だし~。あとは他の貴族に何を言われるかわからないし。」
と言われたので逆らえませんでした。
まあ、私一人ではできないことだらけだもんね。という訳でシャーサと一緒にただ今神殿に向かってまーす!

「ユーク様、到着いたしました。足元お気を付けください。」
「ありがとう!」
よいしょっと。おお~、結構大きい!全体的に白色で、なんかオーラ?みたいなのがキラキラしてる感じがしてる!これが神々しさか~。
私が神殿の外観を見ているとファールを見つけた。
「あ、ファール!おーい…ってあれ?」
今日のファール、すごく神妙な面持ちをしてる…なんか怖がってる?私の声が聞こえないくらい緊張してるみたいだ。珍しいな。
「ユーク様は緊張なさっていないのですね。」
シャーサにこそっと耳打ちをされた。え?緊張?何でするの?
「本日の洗礼の儀では、今後の未来が決まると言っても過言ではないような儀式がなのですよ。」
「え…?そんなに重要なの?」
聞いてないよおおおおお!!知らないってば!
「はい。と言っても平民よりは気が楽ですが。何しろ平民の子はこの儀式で認められれば無償で学園に入ることが許されます。」
へ~、聖徳太子の制度みたい。いいことを考える人もいるもんだね~
「で、貴族は?」
「貴族の方は、この儀式で学園の組が分かります。上からウェール・アイスタス・アウトゥーヌス・ヒエムスですね。」
…知ってるんだけど!?
いや、昔ね、ハマってたアニメに影響されてラテン語覚えようとしてた。うん、あくまで覚えようとしただけ。
覚える単語が十を越えると飽きて、やめてしまった。参考書は、いとこのお兄ちゃんにあげましたとさ。
たしかラテン語の春夏秋冬だったと思う。英語すらないローゼルクになんでラテン語が?
まあいいや。怒涛のイベントラッシュで、もうそんなこと気にしなくなっちゃった。
こういうのは明日の自分にパス!はい、終了!
「大半の親はウェールに入って欲しいと願いますが…」
が?
「旦那様の第一希望はヒエムスです。」
なんで父様は冬組に入って欲しいんだ。
でも何が違うんだろ?
「ではユーク様、行ってらっしゃいませ。」
そう言われて私は神殿の中へと足を踏み入れた。
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