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愛されることよりも愛することを選ぶ
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「天使様、どうか、私の伴侶になっていただけませんか?」
ユーク様と談笑していた時、二人の来客者が来た。
一人はユーク様の兄であるオブシディアン様。
そしてもう一人は…金髪碧眼の見目麗しい男性。
この配色は王家特有の色。
というと…第一王子でしょうか。
あまり関わりたくはありませんね。
権力のある方に取り入りたい気持ちも皆無ではありませんが、厄介事に首を突っ込むような趣味はありません。
ここは空気に徹しましょう。
ユーク様の先約は私。いくらオブシディアン様でもここまで無粋なことはされないでしょうし。
そう思っていた時、王子にこの台詞を言われた。
まるで昔読んだ小説のような告白。何故見ず知らずの私にこのような好意を表しているのか分かりません。
純粋に嬉しい。
そう思いましたが…
「ごめんなさい!」
そう断ったのにも関わらず、今日も殿下は私に花束を向けてくれています。
こんな私に。国の象徴とされる方に愛をささやかれても自分のことしか考えられないような私に。
話を聞いてみると、殿下は立派で、とても面白く、私に優しいお方です。
だけど私は違う人が好き。私の目の前で微笑んでいられる、ユーク様が好き。
だから断っているのに殿下は私に花束を向けてくれている。
人に愛されるというのは、安心する。温かい毛布にくるまっているような安心感がある。
けれど、私は愛される事よりも愛することを選びます。
今は見てくれなくても、可能性があるなら賭けてみたいですから。
ユーク様と談笑していた時、二人の来客者が来た。
一人はユーク様の兄であるオブシディアン様。
そしてもう一人は…金髪碧眼の見目麗しい男性。
この配色は王家特有の色。
というと…第一王子でしょうか。
あまり関わりたくはありませんね。
権力のある方に取り入りたい気持ちも皆無ではありませんが、厄介事に首を突っ込むような趣味はありません。
ここは空気に徹しましょう。
ユーク様の先約は私。いくらオブシディアン様でもここまで無粋なことはされないでしょうし。
そう思っていた時、王子にこの台詞を言われた。
まるで昔読んだ小説のような告白。何故見ず知らずの私にこのような好意を表しているのか分かりません。
純粋に嬉しい。
そう思いましたが…
「ごめんなさい!」
そう断ったのにも関わらず、今日も殿下は私に花束を向けてくれています。
こんな私に。国の象徴とされる方に愛をささやかれても自分のことしか考えられないような私に。
話を聞いてみると、殿下は立派で、とても面白く、私に優しいお方です。
だけど私は違う人が好き。私の目の前で微笑んでいられる、ユーク様が好き。
だから断っているのに殿下は私に花束を向けてくれている。
人に愛されるというのは、安心する。温かい毛布にくるまっているような安心感がある。
けれど、私は愛される事よりも愛することを選びます。
今は見てくれなくても、可能性があるなら賭けてみたいですから。
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