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アリージュの花とシャボン玉
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目の前に広がるのは草原。草原には、目いっぱいの、綺麗な花が咲いていた。
青紫色の花弁に、透明なガラスのように透き通った茎。手を触れると溶けて、散ってしまうような儚さがある。
「すごい…」
無意識のうちに、呟いていた。
引き込まれそう。
そんな魅力のある花が何百、何千と咲いている。
「これはアリージュ。魔力を多く含んだ花。」
「アリージュ…。」
聞いたことのない花の名前だけど、不思議と耳に馴染む。
おもむろに兄様が手を前に向け、目を瞑った。
「うわあ…!」
するとアリージュの花弁が膨らみ、丸くなって、はじけた。
そこから、シャボン玉のようなものがふわふわと出てきた。一斉に。
手を触れると…割れない。
シャボン玉?は私の手の中に落ちてきて、跳ねた。
よく見ると、太陽の光に反射して兄様の髪の色と同じ濃い黒色がチラチラと見える。
まるで宝石が空から降ってきているみたい。
「兄様、これ、どうやって作るの!?」
これ、私も作りたい!ううん、絶対に作る!!
「俺もこの前編み出した魔法なんだけど…。まあやってみて。」
まずアリージュに向かって魔力を注ぐ。この時、大量の魔力を流し込まなければならないらしい。アリージュの魔力に押し負けてしまうそうだ。
集中、集中…
暫く魔力を流し込んでいくと、あることに気付いた。
私、魔具つけたままだわ。
え、でも兄様はつけたままで大量にシャボン玉作ってたよね???
しかも三つ。
もしかして兄様の魔力量って化け物レベル…?
でも私はシャボン玉を作りたい…
よし、外そう!!
魔具を外すと、一気にたくさんの魔力が出てきた。そして魔力はアリージュに結び付いて…シャボン玉が出来た。大量に。
「見てみて兄様!魔具外したらいっぱいできた!!」
「そうだな。それに綺麗だ。」
シャボン玉は、私の髪の毛の色にと同じ水色に光っている。
今は色を変えているから違うけれど。
「兄様、」
「ん?」
「連れてきてくれてありがとう!」
こんなところ、私と兄様しか知らないよ!すごい!
来れてラッキー!!
「兄様?どうしたの?」
兄様は顔を真っ赤にしていた。え?何?エロゲーのスチル?(見たことないけど)
というくらいエロやかな顔だった。なんだかこっちまで照れてくるんだけど“!?
「…いや、なんでもない。また来よう。」
「うん!!」
もうそろそろ暗くなってくるし、帰ろうっと。
「そういえば兄様、なんで一回時計塔に来たの?」
「あそこは魔力で保護されてるから、普通のやり方では来れない。」
「なるほど~、また連れてきてね!!今度は何かお菓子持って行こう!」
「ああ、そうだな。」
初授業、前日。
青紫色の花弁に、透明なガラスのように透き通った茎。手を触れると溶けて、散ってしまうような儚さがある。
「すごい…」
無意識のうちに、呟いていた。
引き込まれそう。
そんな魅力のある花が何百、何千と咲いている。
「これはアリージュ。魔力を多く含んだ花。」
「アリージュ…。」
聞いたことのない花の名前だけど、不思議と耳に馴染む。
おもむろに兄様が手を前に向け、目を瞑った。
「うわあ…!」
するとアリージュの花弁が膨らみ、丸くなって、はじけた。
そこから、シャボン玉のようなものがふわふわと出てきた。一斉に。
手を触れると…割れない。
シャボン玉?は私の手の中に落ちてきて、跳ねた。
よく見ると、太陽の光に反射して兄様の髪の色と同じ濃い黒色がチラチラと見える。
まるで宝石が空から降ってきているみたい。
「兄様、これ、どうやって作るの!?」
これ、私も作りたい!ううん、絶対に作る!!
「俺もこの前編み出した魔法なんだけど…。まあやってみて。」
まずアリージュに向かって魔力を注ぐ。この時、大量の魔力を流し込まなければならないらしい。アリージュの魔力に押し負けてしまうそうだ。
集中、集中…
暫く魔力を流し込んでいくと、あることに気付いた。
私、魔具つけたままだわ。
え、でも兄様はつけたままで大量にシャボン玉作ってたよね???
しかも三つ。
もしかして兄様の魔力量って化け物レベル…?
でも私はシャボン玉を作りたい…
よし、外そう!!
魔具を外すと、一気にたくさんの魔力が出てきた。そして魔力はアリージュに結び付いて…シャボン玉が出来た。大量に。
「見てみて兄様!魔具外したらいっぱいできた!!」
「そうだな。それに綺麗だ。」
シャボン玉は、私の髪の毛の色にと同じ水色に光っている。
今は色を変えているから違うけれど。
「兄様、」
「ん?」
「連れてきてくれてありがとう!」
こんなところ、私と兄様しか知らないよ!すごい!
来れてラッキー!!
「兄様?どうしたの?」
兄様は顔を真っ赤にしていた。え?何?エロゲーのスチル?(見たことないけど)
というくらいエロやかな顔だった。なんだかこっちまで照れてくるんだけど“!?
「…いや、なんでもない。また来よう。」
「うん!!」
もうそろそろ暗くなってくるし、帰ろうっと。
「そういえば兄様、なんで一回時計塔に来たの?」
「あそこは魔力で保護されてるから、普通のやり方では来れない。」
「なるほど~、また連れてきてね!!今度は何かお菓子持って行こう!」
「ああ、そうだな。」
初授業、前日。
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