72 / 75
先生は………
しおりを挟む
「残っていただいて、ありがとうございます。」
「い、いえ。大丈夫です…。」
何言われるんだろう…まさか出て行けとか!?いやだぁぁぁぁ!!
「安心して、少しの質問だけだから。」
質問…?ますます不信感が増すんだけど…
「精霊が、あなたの方を見て『姫様』というのだけど…心当たりはあるかしら?」
姫様…?ああ、それか!
「精霊さんたちは、多分母様と勘違いしているんだと思います。」
「ええ、私も最初はそう思ったの。公爵夫人のことと思ったの…だけど精霊は、オルドは『違う』って言うの。」
違う…?
「魂が姫様だって。他の精霊たちも気付いているって。」
なんで…?魂が姫様?
「それで、私は何故精霊があなたのことを姫様と呼ぶか、何故貴方のことをひた隠しにするか、知りたいの。だから…」
そこまで言うと、先生は言葉を切り、頭を下げた。
「せ、先生!?やめて下さい!」
「……ユークレース様、どうか、私と共にこの謎を解くために協力していただけませんか?」
…これは私も知りたい。私には何かあると思う。自意識過剰かもしれないけど。
前世の記憶を持っていることに何か関係があるのかもしれないし。
それにウィーネが言っているように、私が何か忘れていることがあるのなら思い出したい。
きっと、ウィーネがあそこまで言うのだから大切なことなのだろう。
「私からもお願いします。私も知りたいです。」
「それなら交渉成立だね!ユーク、私を見て何か思わない?」
え?え?え?あ、あの、先生、何が起こったの…?
顔…顔なんて…美人ですねとしか…あれ?どこかで見たような…
「じゃあこれでわかるかな?」
そう言って先生は煌びやかな髪飾りを外し、その綺麗な赤髪を結んでいる髪紐をほどいた。
ああぁぁぁぁぁぁ!!
「ミーナさん!!」
「ご名答~!やっと気づいてくれた~。途中、笑って台無しにするところだったんだからな~?」
「なんで?え?ミーナさんがアネモア先生?え?どっち?」
「落ち着け落ち着けー。どっちも私だよ。」
ミーナさんは、元はアネモア・カルム。今はミーナ・スウフェーンとしているらしい。
「話せば長くなるから言わねーけどさ~、まあ、どっちも私だ。今はそのことはどうでもいいんだよ。」
ここでは話せないからと言って、私はミーナさんが創った部屋。昔兄様が創ってくれた部屋の簡易式かな。
「さっき私が持ちかけた話だが、あれについてはほとんど解決している。」
「え!?ミーナさん天才!教えて教えて!」
この二つが分かれば私の疑問は完全に消えるよ~!
「えーと、私、この前………しただろ?その時は………が私の………にいて、………できなかったんだ。だけど…は………たし、…………………」
あ、これはまずい。
「あのさ、ミーナさん、申し訳ないんだけど、全然分かんない。」
「あ?ユークにわからないことがあるなんて珍しいな~。なんかちょっと優越感だわ~。じゃあかみ砕いて教えてやるよ。………で、……………が、あ、………は………な?」
「本当にごめんなさい!」
話の途中?に遮るのは申し訳ないけど…
そして私はその手のことは教えてもらっても聞こえなくなっている、核心に触れようとすると気を失ったりすることを話した。
「まじかよ…じゃあユークは知れないままなのか…」
「多分…でも、私は知りたいの。当事者だけ知らないっていうの、癪じゃん?」
周りだけ知ってて、本人が知らないっていうの嫌いなんだよね。減るもんじゃないし。
「なんか、ユークって昔の伝説の英雄みたいだね。」
「えー、どうせなら皆を幸せにするお菓子屋さんになりたーい。」
「ははははは!!それはもうなってるだろ。」
まだまだ足りないよ~。むしろミーナさんの方が…。
お料理も上手だし、お店のお客さんをいつも笑顔にしてるし、明るいし、優しいし…。
あれ?ミーナさん、完璧じゃない?
えー、なんで私の周りって完璧な人が多いんだろ。
私も完璧になるために努力しないとなのかな…
「じゃあそろそろ戻るか。あ、私のこと、教室では先生って呼べよ?貴族世界で、私は『ミーナ・スウフェーン』じゃなくて『アネモア・カルム』なんだからな。」
「はーい~。あ、贔屓とかは?」
「するわけねーだろ。あ、じゃあ特別に課題出してやる。」
「それはご勘弁~。」
「じゃあ放課後にいろいろ調べるってことで。じゃ、解散。」
ミーナさんはアネモア先生に戻ってから、部屋から出ていった。
「えへへ、ミーナさんが先生か~。」
厳しい先生に当たっちゃったと思ったけど、思わぬラッキーが発生してよかった~。
楽しみだった学園生活がもっと楽しくなるな~!
そして寮に帰ると、
「ユーク、先生や他の貴族に何もされていない?」
「ユーク様!今日は私と一緒に夕食を食べに行きましょう!」
「ああ、ユーク嬢、お帰り。ファール!どうか私と婚約してくれ!」
「お断りさせていただきますわ。」
「お前ら、出て行け。」
帰っても賑やかでした。なんか落ち着くなあ、これ。
最近は殿下ともフランクに話せるようになったし。
話してみればファールが大好きなスト―k…人だし。
ファールとは、クラスは離れちゃったけどいつも遊びに行ったり、遊びに来てくれたりだからいつでも会える。
兄様とは生まれた時から、私が学園に入るまでの三年間以外はずっと一緒。
神様、私に隠し事があるのは分かっているけれど、それとは別でお礼が言いたいです。
もう一度チャンスを与えてくれて、ありがとうございます。
「い、いえ。大丈夫です…。」
何言われるんだろう…まさか出て行けとか!?いやだぁぁぁぁ!!
「安心して、少しの質問だけだから。」
質問…?ますます不信感が増すんだけど…
「精霊が、あなたの方を見て『姫様』というのだけど…心当たりはあるかしら?」
姫様…?ああ、それか!
「精霊さんたちは、多分母様と勘違いしているんだと思います。」
「ええ、私も最初はそう思ったの。公爵夫人のことと思ったの…だけど精霊は、オルドは『違う』って言うの。」
違う…?
「魂が姫様だって。他の精霊たちも気付いているって。」
なんで…?魂が姫様?
「それで、私は何故精霊があなたのことを姫様と呼ぶか、何故貴方のことをひた隠しにするか、知りたいの。だから…」
そこまで言うと、先生は言葉を切り、頭を下げた。
「せ、先生!?やめて下さい!」
「……ユークレース様、どうか、私と共にこの謎を解くために協力していただけませんか?」
…これは私も知りたい。私には何かあると思う。自意識過剰かもしれないけど。
前世の記憶を持っていることに何か関係があるのかもしれないし。
それにウィーネが言っているように、私が何か忘れていることがあるのなら思い出したい。
きっと、ウィーネがあそこまで言うのだから大切なことなのだろう。
「私からもお願いします。私も知りたいです。」
「それなら交渉成立だね!ユーク、私を見て何か思わない?」
え?え?え?あ、あの、先生、何が起こったの…?
顔…顔なんて…美人ですねとしか…あれ?どこかで見たような…
「じゃあこれでわかるかな?」
そう言って先生は煌びやかな髪飾りを外し、その綺麗な赤髪を結んでいる髪紐をほどいた。
ああぁぁぁぁぁぁ!!
「ミーナさん!!」
「ご名答~!やっと気づいてくれた~。途中、笑って台無しにするところだったんだからな~?」
「なんで?え?ミーナさんがアネモア先生?え?どっち?」
「落ち着け落ち着けー。どっちも私だよ。」
ミーナさんは、元はアネモア・カルム。今はミーナ・スウフェーンとしているらしい。
「話せば長くなるから言わねーけどさ~、まあ、どっちも私だ。今はそのことはどうでもいいんだよ。」
ここでは話せないからと言って、私はミーナさんが創った部屋。昔兄様が創ってくれた部屋の簡易式かな。
「さっき私が持ちかけた話だが、あれについてはほとんど解決している。」
「え!?ミーナさん天才!教えて教えて!」
この二つが分かれば私の疑問は完全に消えるよ~!
「えーと、私、この前………しただろ?その時は………が私の………にいて、………できなかったんだ。だけど…は………たし、…………………」
あ、これはまずい。
「あのさ、ミーナさん、申し訳ないんだけど、全然分かんない。」
「あ?ユークにわからないことがあるなんて珍しいな~。なんかちょっと優越感だわ~。じゃあかみ砕いて教えてやるよ。………で、……………が、あ、………は………な?」
「本当にごめんなさい!」
話の途中?に遮るのは申し訳ないけど…
そして私はその手のことは教えてもらっても聞こえなくなっている、核心に触れようとすると気を失ったりすることを話した。
「まじかよ…じゃあユークは知れないままなのか…」
「多分…でも、私は知りたいの。当事者だけ知らないっていうの、癪じゃん?」
周りだけ知ってて、本人が知らないっていうの嫌いなんだよね。減るもんじゃないし。
「なんか、ユークって昔の伝説の英雄みたいだね。」
「えー、どうせなら皆を幸せにするお菓子屋さんになりたーい。」
「ははははは!!それはもうなってるだろ。」
まだまだ足りないよ~。むしろミーナさんの方が…。
お料理も上手だし、お店のお客さんをいつも笑顔にしてるし、明るいし、優しいし…。
あれ?ミーナさん、完璧じゃない?
えー、なんで私の周りって完璧な人が多いんだろ。
私も完璧になるために努力しないとなのかな…
「じゃあそろそろ戻るか。あ、私のこと、教室では先生って呼べよ?貴族世界で、私は『ミーナ・スウフェーン』じゃなくて『アネモア・カルム』なんだからな。」
「はーい~。あ、贔屓とかは?」
「するわけねーだろ。あ、じゃあ特別に課題出してやる。」
「それはご勘弁~。」
「じゃあ放課後にいろいろ調べるってことで。じゃ、解散。」
ミーナさんはアネモア先生に戻ってから、部屋から出ていった。
「えへへ、ミーナさんが先生か~。」
厳しい先生に当たっちゃったと思ったけど、思わぬラッキーが発生してよかった~。
楽しみだった学園生活がもっと楽しくなるな~!
そして寮に帰ると、
「ユーク、先生や他の貴族に何もされていない?」
「ユーク様!今日は私と一緒に夕食を食べに行きましょう!」
「ああ、ユーク嬢、お帰り。ファール!どうか私と婚約してくれ!」
「お断りさせていただきますわ。」
「お前ら、出て行け。」
帰っても賑やかでした。なんか落ち着くなあ、これ。
最近は殿下ともフランクに話せるようになったし。
話してみればファールが大好きなスト―k…人だし。
ファールとは、クラスは離れちゃったけどいつも遊びに行ったり、遊びに来てくれたりだからいつでも会える。
兄様とは生まれた時から、私が学園に入るまでの三年間以外はずっと一緒。
神様、私に隠し事があるのは分かっているけれど、それとは別でお礼が言いたいです。
もう一度チャンスを与えてくれて、ありがとうございます。
1
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる