『ゼロから世界へ――僕たちの会社が世界を変えるまで』
資金も人脈もない大学生の朝倉悠真は、美咲、蓮、健太、玲奈とともに、わずか3万8,000円で事業を始める。目標は「世界中の小さな店に、大企業と同じチャンスを。」スマートフォンで地域の店舗と顧客をつなぐサービスを開発し、失敗や資金難を乗り越えながら、少しずつ協力店舗を増やしていく。
技術者の黒田蒼が加わり、事業は急成長する。投資を受けて会社を設立し、店舗数は8,000を超え、従業員も増えていく。しかし、大企業グランディア・ホールディングスが買収を仕掛け、会社の支配権を狙う。仲間の健太が外部勢力と秘密裏に接触していたことも判明し、五人の信頼は揺らぎ始める。
さらに、海外進出を進めるNEXUSの前に、巨大IT企業アトラス・グローバルが立ちはだかる。激しい価格競争を、地域事業者への手厚い支援と独自の技術で乗り越え、NEXUSは世界各地へと成長していく。
だが、会社が巨大化するにつれ、創業者たちの秘密が明らかになる。システム「ORION」の記録を通じて、悠真の父・朝倉隆一、蒼、神谷修司、橘恒一という四人が、NEXUSの原型となる構想を生み出していたことが判明する。彼らは、自分たちが権力を握れば仕組みを独占しかねないと考え、若い五人に未来を託していた。
美咲は社員を守るため情報を隠し、蓮は権力集中を恐れて機能を削り、健太は会社を守ろうと秘密裏に動き、玲奈は買収を防ぐため海外進出を急いでいた。五人はそれぞれNEXUSを守ろうとしていたが、その秘密が互いを傷つけていた。
悠真は、会社を守ることと、自分が支配し続けることは違うと悟り、CEOを退任して玲奈に経営を託す。NEXUSは創業者だけの会社を脱し、従業員、顧客、地域社会などが意思決定に参加する仕組みへと変わる。技術やデータも「NEXUS OPEN」として開かれ、一社による独占を防ぐ基盤となる。
五人が最後にたどり着いた答えは、会社を大きくすることだけが成功ではないということだった。自分たちがいなくても、人々がつながり、自ら未来を切り開ける仕組みを残すこと。それこそが本当の成功だった。
わずか3万8,000円から始まった冒険は、会社を所有する物語から、未来を社会に託す物語へと変わっていく。五人は新たな挑戦へ向かい、NEXUSは地球の先、宇宙へと視線を広げる。
ゼロから始まった若者たちの挑戦は、世界を変える仕組みを生み出すまでの物語となる。
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