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欲望の夜⑪
しおりを挟む実は、僕のクリスマスの予定は、9月1日には埋まっていた。常連客の方々が予約を入れてくれたおかげだ。クリスマスの事前予約には特別料金がかかるというのに、本当にありがたいことである。
しかも、レイカさんによると、予約開始からあっという間に完売したらしい。
「まさかと思いましたよ。僕はナンバー1でもないのに、信じられませんでした」
「それは君が成長したからじゃない。言い換えれば、ナンバー1を狙える位置にきた証明ね」
ココナさんはベッドの上に立ち、僕の前に仁王立ちになった。潤みを帯びた真っ赤なザクロが、僕の目の前にくる。
「もしそうなら、ココナさんにいろいろと教えていただいたおかげです」
僕は赤く熟れた果実にキスをする。両手の指先で伸びやかな両脚を愛撫しながら、舌先を果肉の中で躍らせる。ココナさんが甘い溜め息を吐き、僕の頭を優しく撫でてくれた。
「シュウは飲み込みが早い。何でも貪欲に吸収してくれるから、こっちも教え甲斐があったわよ。若いのに逞しいし、この上、テクニックを身につけたら、この世界では無敵だからね」
僕は愛撫の手を止めずに、黙って耳を傾けている。
「ねぇ、シュウに野心はないの? お店のトップだけでなく、日本一のコールボーイを目指してみなさいよ」
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