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意外な助け
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気が付くと僕は地下室で鎖に繋がれていた。
背中が物凄く痛い、多分火傷をしているのだろう。
目の前には、ヘンドリック、アマンダ、アベルがいた。
「ルディウス、お前は出来損ないの癖に、可愛いヘンドリックに手を挙げるなんて..何てことをするの!」
アマンダがキンキン声で叫んでいた。
ヘンドリックは僕の方を見るとアッカンベーをしていた。
「ルディウス、何か言いたい事があるならいってみろ」
僕は、あった事をそのまま伝えた。
この国は一応は身分制はあるが法治国家でもある、貴族であっても正当な理由もなく平民の物を壊したりしてはいけない筈だ。
「それが言い訳か...解かった、ではヘンドリックお前は本当にそんな事をしたのか」
「僕はしていない、ルディウスが自分で壊して僕を突き飛ばしたんだ」
「そうか、ならルディウスが悪いな..」
「何故、僕が..自分の物を壊したりする必要があるんですか..するわけ無いでしょう..可笑しい」
「出来損ない、ヘンドリックが嘘をついたと言うの? どこまでもおぞましい」
「まぁ、待て、ルディウス、私はこの国の法律に基づいて審議した..ルディウスお前が悪い、謝れ、それで終わりにしてやるから」
「待って下さい、僕は悪くありません」
「ルディウス、教えてやるよ..この国では証拠が無い限り、貴族と平民の意見では貴族が行った事が正しいとされる..証拠はないのだろう」
「ありません..」
「なら、謝るんだ..それで」
「悪くないのに謝りません」
「仕方ないわね、じゃぁお仕置きしなくちゃね」
アマンダの杖から火の玉が飛び出して来た..ファイヤーボールだ、その玉は僕の足に辺り僕の足を焦がした。
「熱い、熱い、熱い..何するんだ!」
「貴族に平民が罪を着せたのよ..これ位当たり前じゃないかしら?」
「お前、幾ら何でもやりすぎだ、相手は子供だぞ..ルディウス、お前もいい加減認めろ、謝罪したらそれで許す、だから謝れ」
「嫌です!」
「良い度胸ね、私が手加減したり許すと思わない事ね..ファイヤーボール」
今度はさっきのと違い、大きな火の玉が僕を焼いた。
《多分、全身大やけどだ...》
「強情をはるな、謝れ、謝ればそれで全部終わる」
「嫌です..僕は....本当にやっていない」
《だから、殺せと言ったのに》
《お前は誰だ》
《俺は君だ》
《僕?..僕なのか?》
「もうやめて..ルディウスじゃない..僕が..僕がやったんだ」
「なぁ..おい...僕じゃ無い..証拠がでたんだ..どうするんだ」
「済まなかった」
「ええ、済まなかったわねルディウス」
「おい、流石に無実の者に貴族が魔法を使い攻撃をした..これは重罪じゃないか?」
「....」
「無実の者に罪を着せて、魔法を使って攻撃したら貴族だって罰を与えられるだろう..公平な判決をいえ」
「俺は何も見ていない..」
「そうかよ...何が公平だ....何が法律にのっとってだ..」
「見ていない物は見ていない...」
「そうかよ...そいつもまだ4歳だ..そんな嘘をつくような奴は碌なもんじゃない...そいつも僕と同じで出来損ないだ」
「ルディウス...貴様、もう情けなど掛けてやらん」
アベルは剣で僕を殴った。
「それがお前の正体だ...何が正義だ、何が貴族だ...」
「もう、こんな出来損ないは殺してしまいましょうアベル..」
「いや、それでも相手は子供だ、そこまですることは無い...だが貴族への無礼の処罰はしなくてはな」
「それはなりませんぞ、アベル様、アマンダ様」
「何だルドルか?何故だ?」
「これは記録水晶です..これにはしっかりと、ヘンドリック様が杖を壊している証拠、嘘の証言をした事、そして奥方様が魔法で無実の者を攻撃した証拠が記録されています...そしてアベル様はしっかりと簡易裁判方式で話された」
「いや、これは家族の問題だ」
「残念ながら、ルディウスは家族と扱うな使用人扱いしろと命令されています..適用されません」
「どうすれば良いんだ」
「しかるべき処置を」
「解かった、ルディウス、この度の事は全ての責は私にある..ヘングラムの名において謝罪する」
「謝罪で済むか..この火傷は治らない」
「済みませんな..宝物室のエリクを持ってきました..これでようやく釣り合うでしょう」
「貴様、それは先代が王家から貰った家宝だぞ..」
「ですが、これで無いとこの傷は完全に癒えません」
そう言うと、ルドルは僕にエリクをドバドバと掛けた。
「ああ、我が家の家宝が...貴様は首だ」
「そうですか、では私はお暇させて頂きます」
「ルドル、ごめんなさい僕が強情をはったばかりに」
「おや、ルディウスはちゃんと謝れるじゃないですか」
「だって、ルドル...退職手当も貰えずに辞めてしまうんでしょう?」
「ええ、今のご主人様は執事として仕える価値はありませんな、ご主人様だけならいざ知らず、あの奥方に息子では忠義を誓う事はできません」
「執事は主の事を悪く言わないんじゃなかった?」
「主じゃなくなりましたから」
「そうだね、これからどうするの?」
「私は優秀ですから引く手あまたです、侯爵家辺りに仕えようと思います..ただ第二執事ですが」
「えっ、侯爵家に行けるんだ凄いね」
「ルディウスも行きませんか? 使用人の一人位ならつれていけますよ」
「ありがとう..でも僕はやる事があるから」
「そうですか..ではこれで失礼します」
ルドル..ありがとう...
心の中の闇がルディウスを包み込んだ..自分が誰だかしっかりと向き合った。
あの聞こえてきた声は前世の俺の声だ。
自分の正体が解かった
俺の前世はクズだった。
半グレを纏め上げ、詐欺に脅迫に暴行なんでもござれ、そして殺人も何でも経験していた。
奪って良い世界、何をしても良いなら世界なら簡単だ。
奪って、奪って奪い尽くせば良い...ただそれだけだ。
さぁ、復讐の始まりだ...
背中が物凄く痛い、多分火傷をしているのだろう。
目の前には、ヘンドリック、アマンダ、アベルがいた。
「ルディウス、お前は出来損ないの癖に、可愛いヘンドリックに手を挙げるなんて..何てことをするの!」
アマンダがキンキン声で叫んでいた。
ヘンドリックは僕の方を見るとアッカンベーをしていた。
「ルディウス、何か言いたい事があるならいってみろ」
僕は、あった事をそのまま伝えた。
この国は一応は身分制はあるが法治国家でもある、貴族であっても正当な理由もなく平民の物を壊したりしてはいけない筈だ。
「それが言い訳か...解かった、ではヘンドリックお前は本当にそんな事をしたのか」
「僕はしていない、ルディウスが自分で壊して僕を突き飛ばしたんだ」
「そうか、ならルディウスが悪いな..」
「何故、僕が..自分の物を壊したりする必要があるんですか..するわけ無いでしょう..可笑しい」
「出来損ない、ヘンドリックが嘘をついたと言うの? どこまでもおぞましい」
「まぁ、待て、ルディウス、私はこの国の法律に基づいて審議した..ルディウスお前が悪い、謝れ、それで終わりにしてやるから」
「待って下さい、僕は悪くありません」
「ルディウス、教えてやるよ..この国では証拠が無い限り、貴族と平民の意見では貴族が行った事が正しいとされる..証拠はないのだろう」
「ありません..」
「なら、謝るんだ..それで」
「悪くないのに謝りません」
「仕方ないわね、じゃぁお仕置きしなくちゃね」
アマンダの杖から火の玉が飛び出して来た..ファイヤーボールだ、その玉は僕の足に辺り僕の足を焦がした。
「熱い、熱い、熱い..何するんだ!」
「貴族に平民が罪を着せたのよ..これ位当たり前じゃないかしら?」
「お前、幾ら何でもやりすぎだ、相手は子供だぞ..ルディウス、お前もいい加減認めろ、謝罪したらそれで許す、だから謝れ」
「嫌です!」
「良い度胸ね、私が手加減したり許すと思わない事ね..ファイヤーボール」
今度はさっきのと違い、大きな火の玉が僕を焼いた。
《多分、全身大やけどだ...》
「強情をはるな、謝れ、謝ればそれで全部終わる」
「嫌です..僕は....本当にやっていない」
《だから、殺せと言ったのに》
《お前は誰だ》
《俺は君だ》
《僕?..僕なのか?》
「もうやめて..ルディウスじゃない..僕が..僕がやったんだ」
「なぁ..おい...僕じゃ無い..証拠がでたんだ..どうするんだ」
「済まなかった」
「ええ、済まなかったわねルディウス」
「おい、流石に無実の者に貴族が魔法を使い攻撃をした..これは重罪じゃないか?」
「....」
「無実の者に罪を着せて、魔法を使って攻撃したら貴族だって罰を与えられるだろう..公平な判決をいえ」
「俺は何も見ていない..」
「そうかよ...何が公平だ....何が法律にのっとってだ..」
「見ていない物は見ていない...」
「そうかよ...そいつもまだ4歳だ..そんな嘘をつくような奴は碌なもんじゃない...そいつも僕と同じで出来損ないだ」
「ルディウス...貴様、もう情けなど掛けてやらん」
アベルは剣で僕を殴った。
「それがお前の正体だ...何が正義だ、何が貴族だ...」
「もう、こんな出来損ないは殺してしまいましょうアベル..」
「いや、それでも相手は子供だ、そこまですることは無い...だが貴族への無礼の処罰はしなくてはな」
「それはなりませんぞ、アベル様、アマンダ様」
「何だルドルか?何故だ?」
「これは記録水晶です..これにはしっかりと、ヘンドリック様が杖を壊している証拠、嘘の証言をした事、そして奥方様が魔法で無実の者を攻撃した証拠が記録されています...そしてアベル様はしっかりと簡易裁判方式で話された」
「いや、これは家族の問題だ」
「残念ながら、ルディウスは家族と扱うな使用人扱いしろと命令されています..適用されません」
「どうすれば良いんだ」
「しかるべき処置を」
「解かった、ルディウス、この度の事は全ての責は私にある..ヘングラムの名において謝罪する」
「謝罪で済むか..この火傷は治らない」
「済みませんな..宝物室のエリクを持ってきました..これでようやく釣り合うでしょう」
「貴様、それは先代が王家から貰った家宝だぞ..」
「ですが、これで無いとこの傷は完全に癒えません」
そう言うと、ルドルは僕にエリクをドバドバと掛けた。
「ああ、我が家の家宝が...貴様は首だ」
「そうですか、では私はお暇させて頂きます」
「ルドル、ごめんなさい僕が強情をはったばかりに」
「おや、ルディウスはちゃんと謝れるじゃないですか」
「だって、ルドル...退職手当も貰えずに辞めてしまうんでしょう?」
「ええ、今のご主人様は執事として仕える価値はありませんな、ご主人様だけならいざ知らず、あの奥方に息子では忠義を誓う事はできません」
「執事は主の事を悪く言わないんじゃなかった?」
「主じゃなくなりましたから」
「そうだね、これからどうするの?」
「私は優秀ですから引く手あまたです、侯爵家辺りに仕えようと思います..ただ第二執事ですが」
「えっ、侯爵家に行けるんだ凄いね」
「ルディウスも行きませんか? 使用人の一人位ならつれていけますよ」
「ありがとう..でも僕はやる事があるから」
「そうですか..ではこれで失礼します」
ルドル..ありがとう...
心の中の闇がルディウスを包み込んだ..自分が誰だかしっかりと向き合った。
あの聞こえてきた声は前世の俺の声だ。
自分の正体が解かった
俺の前世はクズだった。
半グレを纏め上げ、詐欺に脅迫に暴行なんでもござれ、そして殺人も何でも経験していた。
奪って良い世界、何をしても良いなら世界なら簡単だ。
奪って、奪って奪い尽くせば良い...ただそれだけだ。
さぁ、復讐の始まりだ...
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