【石のやっさん旧作】勇者に寝取られた幼馴染が銅貨3枚で売られていた。

石のやっさん

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俺は優しいだろう

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「リリ、ロザリア、行ってきます。」

流石に、1人加わった状態での愛の営みはしにくい。

「あうあうわぁ~ チュ」

キスだけで我慢した。

「本当に仲がよろしいですわね…それで何処にいきますの?」

「働かないと食えないから仕事…それじゃあな」

二人に見送られながら、宿を後にした。


「行ってきます」

「「ヒィ…行ってらっしゃい」」

やはり、ゴブリンのせいか宿のオーナー二人は最初の頃とちがって偶に怖がっている。

その足で、途中おもちゃのお面を買って…向かうはオークランド。

正々堂々…戦えば良いんだよな?

◆◆◆

案外近い…国とは言うが…見た感じは砦だ。

街中で襲ってはいけない…それは此処でも通用する。

だが、ここの領主はオークキングのブータムの国。

つまり、ブータムが責任を持って守る義務があるだけだ。

領主=国王…つまりブータムを殺してしまえばそれでおしまい。

他の国の存在が絡んでくることはない。

『こんな国王の居る国を選んだ』

それだけで…充分死に値する。

『さぁ、皆殺しの時間だ』


「入国ですか? 冒険者証を確認させて頂きます」

俺は買ってきた仮面をおろした。

「いえ、戦争です…豚を皆殺しにする為にこの国に来ました」

「あはは、子供は冗談が好きだな…よかったなガキ…此処はギリギリ街扱い、教育で..あっ」

俺は剣で門番を刺し殺した。

「馬鹿なの? こちらはしっかり、宣戦布告をした…ぼうっとしている奴が悪い」

「ひっ、人殺しだぁ~」

近くの普通のオークが騒ぎ出す。

「騒ぐ、騒ぐ…馬鹿だなぁ~騒ぐ前に逃げ出せば助かったのになぁ~」

「ひぃ~俺はただの農夫だ」

「俺は商人、殺すのは…」

「あははははっ、何を言っているんだ? だけどオークだ! オークに生まれた以上..死ね」

しかし、本当に弱すぎる…こんなのが沢山居た所で『勇者ガイア』が負けるだろうか?
絶対に『卑怯な事』した以外に考えられない。

「貴様ぁー罪もない人を殺したなーこの国ではそれは死刑となる」

此奴は何を言っているんだ?

俺の仲間を3人も殺して…リリを殺した。

「いや、こいつ等全員に咎はある」

「お前に何をしたっていうんだ? 話は聞いてやるこっちへ来い」

馬鹿なのか?

憲兵みたいな恰好をした豚が俺の方へ歩いてきた。

俺はちゃんと宣戦布告をしたぞ。

「豚が喋っている…死ね」

そのまま剣を横殴りに払い真っ二つにした。

「く、狂っている…一斉に飛び掛かれ、一般人だから殺すな、手足の1本も斬り..えっ」

遅いな…こんなの何人いた所で意味無いな…

こんな会話をしながら、簡単に殺せる。

殺せば、殺す程、体が熱くなり強くなる。

勇者の成長は速い、それに引き摺られるように『魔王子』の方もレベルが上がるようだ。

どれだけ殺したか解らない…気がつくと沢山の衛兵と騎士数人に囲まれていた。

「貴様、罪なき人々を殺して何の意味がある…何かの復讐か」

「この国の王は卑怯者だ…卑怯な事をして俺から大事な者を奪った」

「なっ、我らオークは正々堂々と来た者には、正々堂々と受けてたつ」

嘘ばっかりだな…

「なら、戦えば良い…俺はちゃんと門から入り、戦線布告をした」

「だがいきなり…」

「その場にいたオークは30人を超える…その場で1対30、国に対するなら、この国全部だ…これを卑怯と何故言える…武人、騎士だと言うなら、正当性を認めろ」

「なっ、もう良い…」

「死ね…これが奥義…光の翼だーーーーっ」

頭の中にこのスキルが浮かんだ…だが現れたのは光を纏った美しい鳥ではない。

なんだこれ、山ほどある真っ黒な三つ首の漆黒の巨大な鳥…それが現れ羽ばたく、その鳥に触れた者は黒い炎に焼かれて燃えていった。

可笑しい..これは『光の翼』じゃない…強いていうなら黒き翼だ…

だが、此の攻撃はこれで終わりでは無い…鳥はそのまま羽ばたき上空まで行くと羽ばたいた。

その羽ばたきで無数の羽が黒き炎になり地上へ落ちてくる。

その羽に触れた物は人、建物全てが燃えていく。

「ぎゃぁぁぁぁーーーーっ体が、体が燃えるーっ」

「助けてーーっ嘘、水を被っても消えないーーっいやだーー死にたくない。死にたくないーーーっ」


「いやだーーっ死にたくない、死にたくないんだぁぁぁぁぁーーーっ」


「結構、燃えたな…」

「貴様、いえ、貴方様は何者ですか?」

態と攻撃を避けた、騎士のような、オークが顔を真っ青にしながら俺に話しかけてきた。

「俺は復讐者だ…オークに大切な者を壊され、殺された者だ…たった一人で此処に戦争をしにきた..この状況で正々堂々と戦争をしにきた…これを卑怯とは言うなよ…」

「これは虐殺だ…」

「ブータムは俺の大切な者にこれ以上に酷い事をしたのだ…今更遅い…さぁ城に伝えろ、戦争しに来たとな」

もうメンドクサイ…面は要らない…

魔気を込めて…伝えた…

「ヒィーーッ ぶもっ…その目は魔王…魔王様~」

「さっさと伝えるが良い…」

確かに俺は魔王に似ているらしい…見間違えても仕方ない。

大量に魔力を消費したはずだが…成長の方が速く、全然魔力が減った気がしない。

今なら、魔王城に居た奴や壺屋のおっちゃんすら怖くない。


俺はやはり信じられない…ガイアは『光の翼』は使えた。

対魔王ようの必殺技だ…

それが魔王ならいざ知らず、オークキング如きに殺されるわけが無い。

「…たすけて…」

「ゆるして…」

最早消し炭状態だ…放って置いても死ぬだろう。

殆ど街が焼けつくされているな…城は…持ちこたえたようだ…

◆◆◆

城に着くと流石に待ち構えていた。

「まま…魔王様はいったい何をお怒りなのでしょうか?…我々が一体何をしたというのですか…」

「お許し、お許し下さい」

勘違いしているなら都合が良い。

「ならば聞こう…この中に勇者討伐に加わった者はいるか」

「はぁ、この城にいる者の多くは、栄えある討伐に加わりました」

「嘘をついていないか? 正々堂々では無かった筈だ…真実を述べよ」

「いえ…我々は…」

俺は魔気を込めて再度聞いた…

「嘘は許さぬ…」

「人質、人質をとりました…苗床に使っていた..ハァハァ人族の雌を….」

「それで?」

「無抵抗になった勇者を殺し、雌を犯し尽くしました…ブータム様の…ハァハァ命令で」

「それで、オークジェネラルは?」

「ただ、戦っただけで、卑怯な事はされていません」

やはり嘘だったな…

「そうか…ならば俺を騙したんだ..死ぬが良い」

『魔王子』のスキル『魔霧』という物が頭に浮かんだ。

それを唱えると、周りのオークは断末魔の末….死んだ。

多分、此処に居たのは…オークナイトやオークジェネナル等、上位種が多いのだろう。

さっきよりも凄い勢いでレベルが上がっていくのが解かった。

街のオークも含み、既に殺した数は3千位は越えただろう。

それでも体の成長はまだ止まらない…此処にいた上位種が如何に強かったのか解かる。

『魔霧』は城の中に広がり…俺が歩くたびに次々とオークが死んでいく…勝手に死んでいくので階級すら解らない。

魔王種とは良く言った物だ…この体は生物として規格外だ。

恐らく、成長が遅いのが唯一の欠点だが、それは勇者のスキルでカバーされた。

間違いなく…俺は強い。

◆◆◆

そのまま歩いていくと、王の間に簡単にたどり着いた。

そこには王の他に雌のオークが2匹居た。

「ぶひぃぃぃぃーーっ魔王様、お許し?…貴方様は何者でしょうか?」

「俺は魔王ではない…魔王子だ」

「何で、私達が何か、何かしたのでしょうか?」

「お父さんが何かしたの..」

「したよ…俺の友達を三人殺して…1人は壊した…しかも1000人ものオークに犯させてな…これで恨まない奴はいるのかな?」

俺は小さな雌オークの顔を軽く剣で傷つけた。

「娘は娘は助けて下さい」

「なぁブータム、卑怯な事をして勝った挙句…その後、凌辱の限りを尽くしたお前の家族に命乞いをする資格はあるのか?」

「待って下さい…私は、その様な卑怯な真似はした事はありません」

「部下が吐いたぞ…勇者パーティにした事を」

「勇者ですよ?…勇者には何をしても良い筈です」

「確かにな…だが、嘘をつくのは良くないな…何が正々堂々? お前も、オークジェネラルも、卑怯な事をして勝ち、凌辱の限りを尽くした…違うか?」

「それが魔王様の気に障り、貴方がきたのですか…謝ります…そして貰った報奨は…なにしているんだぁぁぁぁーーーっ」

俺は剣をそのまま娘に突き刺し殺した。

「お前の娘を殺しただけだが…なにか悪い事したのか?」

「確かに、嘘の報告をした事は悪い事です…ですが手柄には嘘はありません、それが何でこんな仕打ちを受けなければ…ならんのですかーーーっ」

「今回の事は、オークランドへの俺個人の戦争…そして俺は、元勇者パーティでお前が壊した女の恋人だった」

「そんな…魔族なのに…可笑しい」

「もうどうでも良いよ…ただ..お前等オークがさぁ、そんな残酷な事をする癖に、普通に家族を持って暮らしている事が許せねー…理解なんてしないで良い…どんな理知的な面があろうと…豚として扱う…ただ豚として殺す…それだけだ」

「あなたーーーっ娘が、娘がーーーっ」

「このチクショウがーーっ」

「その子は幸せだぜ…綺麗な姿で殺してやったんだからな…これは慈悲だ。俺の彼女は1000人のオークに犯されてボロボロだ…ウンコまで食わされて許しを請いながら生きたんだぜ…そして幼馴染は…失意の中で死んでいった…なぁ…それなのに加害者のお前達は街の中で城の中で..普通に生きていやがる…なぁ同じ様に殺した方が良かったのか?」

「待て、余はそんな事は命じて無い…部下が勝手にやったのだ」

「そうかもな…だが、お前なら止められた筈だ…王である以上お前のせいだ…」

「そうね…私はその事を知っていました…私と主人が死ぬ事で…」

「バーカ…騙されるかよ」

さっきから後ろを気にしているのが見え見えだ。

俺は、走っていきクローゼットを開いた。

居た居た..豚が1匹…

「やっぱり隠していやがったな…さっきのが娘だとしたら、反応が可笑しい、大方侍女でも替え玉にしたのか?」

「そんな、ブートリア…ああっ、お願い、お願いします…何でもします。なんでもしますからブートリアを助けて下さい」

「そうだな…だったらお前の旦那を殺せ、そして殺した後、脳味噌を全部食ったら…娘の命を助けてやる」

「そんな..」

「お前…ブートリアの為だ、余を殺せ…それで許してくれるのだな..」

「残念…手遅れでした~ ファイヤーボール」

「嫌、嫌ぁぁぁぁぁーーー熱い熱いよーーっ」

遅えーーーんだよ。

「あああーーーーーっ、あああああーーーーっブートリアーーーっ」

「さっさとしないお前が悪いんだぜ…バーカ」

俺はリリが助かるなら、あの場に居て同じ条件を出されたら、躊躇なく仲間を殺した。

こんなチャンスをやったのに…躊躇したお前が馬鹿なんだ。

「そんな、そんな…私のせいで…ああああーーーーっ」

「リリの時にはこんなチャンスすら無かったんだぜ…俺は優しいだろう?」

「もう良い…余が悪かった、悪かったのだ…言い訳かも知れぬが、余は勇者パーティの女には手を出しておらぬ…大勢で勇者を倒した、それだけだ…だが、その後の事は…知ってはいた。だが憎き相手…仲間を沢山殺されたから『地獄を味わえ』そうは思ったよ…お前からしたらオークは性欲の塊、そう思うかも知れぬがそれは1/3だ…残りの2/3は普通に家族を持ち生活をしておる…女を犯したオークの大半は城に居たから、お前が恐らく全部殺した筈だ…だが、お前はそれだけじゃ無く…普通に生活している罪もないオークを殺した…お前が殺したオークのメイドには、結婚を控えていた者もいる…」

「それが何だ?」

「解らぬか…狼に誰かが殺された…普通はその殺した狼を憎むが、種族事手当たり次第に殺したりはしない…そういう話であれば、沢山の生き物や魔物を殺し続けた人間はとうの昔に滅んでいる筈だ…お前は復讐者ではない、殺戮者だ」

「ああっ、それで良いぜ…俺はこれからもオークを殺し続ける、子供だろうと、女だろうと容赦しない…あの世で1000人のオークと後悔していな…あの時温情を掛けて楽に殺したら…ここ迄恨まなかった。 もし温情を掛けて解き放てば…俺は生涯お前に感謝したかもしれない…」

「そうだな…」

「お前達が、俺をオークスレイヤーにしてしまったんだ…それだけだ…全員楽に殺してやった…凌辱はしていない…相手は数千、俺は1人『正々堂々』戦って勝った、文句はあるか?」

「無い…さぁ殺すが良い、もし最後の慈悲があるなら、余は構わぬ、妻と娘は楽に殺してくれ」

「ああっそうしてやる…俺は優しいからな」

何故か残酷に殺してやる…その意識が無くなった。

俺は素早く剣を抜き、三人の頭を跳ねた。

これで、復讐は終わってしまった。

オークランドはその日…滅びた。

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