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魔王とヒント
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「リヒト殿、魔王様がお呼びだ」
朝一番に魔王様からの使いがきた。
しかも逃げられない様に馬車で…
身に覚えは…ある。
横で寝ている、リリとロザリアに…
「ちょっと行ってくる」
「むにゅ、むにゅリヒト解かったぁ~」
「リヒト様、行ってらっしゃいですわ~」
挨拶だけして直ぐに出掛けた。
俺の組んだ相手はなんでこう朝が遅いのか…まぁ良いけどな。
◆◆◆
『殿』ね。
明かに使いの態度が違う。
それは俺が多分急激にレベルが上がったからだ。
『勇者』のジョブはやはり破格値だ。
急激にレベルがあがり、成長する。
しかも限界突破があるから際限なく強くなる。
今迄敵わないと思っていた魔族が…今じゃ雑魚に感じる位だ。
馬車に揺られながら、城についた。
しかし、魔王は此処を気に入って住んでいると言うが…魔王城は放って置いて良いのだろうか?
門番が何も言わずに頭を下げた。
前とは随分違うな。
「久しいな、リヒト子爵」
名前で呼んでいる。
この前の時とは随分と違う物だ。
「魔王様には久しく」
「それは良い、儂と同じ魔王種…どうしてそうなったか解らぬが…成人しており、この城の中の魔族でも上位に匹敵しておる、まさに魔王子…そう扱う事にする」
「それは有難うございます」
勇者のジョブのせいか…魔王すら怖く感じない。
「うむ、魔族は力が全て、文句は言わぬ。だが何故オークランドを滅ぼしたのだ」
「うちのペットに酷い事をしたから…あとオークは美味いからですね」
「美味いのか?」
「なんなら、食べられますか?」
俺は収納袋からオークの肉の燻製を取り出した。
「これは燻製にした物ですが結構いけますよ」
「ほう…それがオークの肉か?」
豪快だな、あとで食べるかと思えば、いきなり食べた。
「これは中々美味い…もし他にあるなら献上せぬか?」
オークはまた狩れば良い。
魔王が気に入って食すなら…これでオークを完全に食料と言い張れる。
「それでは、今の手持ち全部を置いていきます、他の方にも振舞って下さい」
「うむ、そうしよう」
俺は手持ちの肉の大半を収納袋から出して床に置いた。
「これでいかがですか?」
「暫くはオークに困らぬな、まぁ魔族は力が全て、オークランドの土地はどうする? お前の物にしても良いのだぞ?」
燃やしてしまったから意味はないな。
「今暫くは領地を持たずにブラブラしたいと思います」
「そうか…それで、お前の爵位は、オークランドを滅ぼした事から伯爵に格上げしてやろう…魔王種で成人誰も文句は言わぬだろう…あと、お前のペットだが、聖女の成れの果ては…もうお前は治す術をもっている筈だ」
俺のスキルの中に…あるのか?
「そうなのですか?」
「ああっ、魔王、魔王子のスキルの中に…『合成』というスキルがある…体をどうにかしたいのなら、首を斬り落として、体を別の者から手に入れくっけてしまえば良い…どうだ」
どうだも、何も…これで解決じゃないか?
「有難うございます」
「いや、良い…あともう一体のペットは、何も出来んぞ?」
「何故でしょうか?」
「あれは、悪魔様の気まぐれだが…あれは呪いでなく『プレゼント』だ」
あれがプレゼント?
「あれがですか?」
「悪魔様の感覚は儂にも解らぬ…自分と同じ『百合』のあだ名を持つ者が居たが、人間で年を老いたら可哀想だと…悪魔化したのだそうだ」
「ですが…あの容姿は」
「だが、そのおかげでたかが人間が、数千年の寿命を得、齢をとらなくなった…まぁ、あの姿は儂も可笑しいとは思うが…そこは悪魔様仕方がないだろう…最も、特に能力は無く、ほぼ寿命が無くなった…それだけのようだ」
それでは、ロザリアは治らない…そういう事か?
「それでは、治せないですね」
「無理だな…合成で首から下を他の種族に変えたら食料が搾取出来ないで死ぬだろうし…体の構造その物が悪魔様が特別に改造したから手が付けられない…こちらは諦めるしかないだろう」
「所で、なんでそんな事を教えてくれるのですか?」
「お前に貸を作るのも良かろう? それに、お前の弱点を調べるついでだ」
「弱点?」
「お前の弱点は…あのペットだ。儂に敵対すれば、即座にあの2匹を始末する…リヒトお前は逆らえぬよな? 儂からしてもあの2匹が居なくなると、お前の弱点が無くなり困るから、治せるように調べた、それだけだ」
そう言いながら魔王はにやりと笑った。
魔王は…怖えな。
朝一番に魔王様からの使いがきた。
しかも逃げられない様に馬車で…
身に覚えは…ある。
横で寝ている、リリとロザリアに…
「ちょっと行ってくる」
「むにゅ、むにゅリヒト解かったぁ~」
「リヒト様、行ってらっしゃいですわ~」
挨拶だけして直ぐに出掛けた。
俺の組んだ相手はなんでこう朝が遅いのか…まぁ良いけどな。
◆◆◆
『殿』ね。
明かに使いの態度が違う。
それは俺が多分急激にレベルが上がったからだ。
『勇者』のジョブはやはり破格値だ。
急激にレベルがあがり、成長する。
しかも限界突破があるから際限なく強くなる。
今迄敵わないと思っていた魔族が…今じゃ雑魚に感じる位だ。
馬車に揺られながら、城についた。
しかし、魔王は此処を気に入って住んでいると言うが…魔王城は放って置いて良いのだろうか?
門番が何も言わずに頭を下げた。
前とは随分違うな。
「久しいな、リヒト子爵」
名前で呼んでいる。
この前の時とは随分と違う物だ。
「魔王様には久しく」
「それは良い、儂と同じ魔王種…どうしてそうなったか解らぬが…成人しており、この城の中の魔族でも上位に匹敵しておる、まさに魔王子…そう扱う事にする」
「それは有難うございます」
勇者のジョブのせいか…魔王すら怖く感じない。
「うむ、魔族は力が全て、文句は言わぬ。だが何故オークランドを滅ぼしたのだ」
「うちのペットに酷い事をしたから…あとオークは美味いからですね」
「美味いのか?」
「なんなら、食べられますか?」
俺は収納袋からオークの肉の燻製を取り出した。
「これは燻製にした物ですが結構いけますよ」
「ほう…それがオークの肉か?」
豪快だな、あとで食べるかと思えば、いきなり食べた。
「これは中々美味い…もし他にあるなら献上せぬか?」
オークはまた狩れば良い。
魔王が気に入って食すなら…これでオークを完全に食料と言い張れる。
「それでは、今の手持ち全部を置いていきます、他の方にも振舞って下さい」
「うむ、そうしよう」
俺は手持ちの肉の大半を収納袋から出して床に置いた。
「これでいかがですか?」
「暫くはオークに困らぬな、まぁ魔族は力が全て、オークランドの土地はどうする? お前の物にしても良いのだぞ?」
燃やしてしまったから意味はないな。
「今暫くは領地を持たずにブラブラしたいと思います」
「そうか…それで、お前の爵位は、オークランドを滅ぼした事から伯爵に格上げしてやろう…魔王種で成人誰も文句は言わぬだろう…あと、お前のペットだが、聖女の成れの果ては…もうお前は治す術をもっている筈だ」
俺のスキルの中に…あるのか?
「そうなのですか?」
「ああっ、魔王、魔王子のスキルの中に…『合成』というスキルがある…体をどうにかしたいのなら、首を斬り落として、体を別の者から手に入れくっけてしまえば良い…どうだ」
どうだも、何も…これで解決じゃないか?
「有難うございます」
「いや、良い…あともう一体のペットは、何も出来んぞ?」
「何故でしょうか?」
「あれは、悪魔様の気まぐれだが…あれは呪いでなく『プレゼント』だ」
あれがプレゼント?
「あれがですか?」
「悪魔様の感覚は儂にも解らぬ…自分と同じ『百合』のあだ名を持つ者が居たが、人間で年を老いたら可哀想だと…悪魔化したのだそうだ」
「ですが…あの容姿は」
「だが、そのおかげでたかが人間が、数千年の寿命を得、齢をとらなくなった…まぁ、あの姿は儂も可笑しいとは思うが…そこは悪魔様仕方がないだろう…最も、特に能力は無く、ほぼ寿命が無くなった…それだけのようだ」
それでは、ロザリアは治らない…そういう事か?
「それでは、治せないですね」
「無理だな…合成で首から下を他の種族に変えたら食料が搾取出来ないで死ぬだろうし…体の構造その物が悪魔様が特別に改造したから手が付けられない…こちらは諦めるしかないだろう」
「所で、なんでそんな事を教えてくれるのですか?」
「お前に貸を作るのも良かろう? それに、お前の弱点を調べるついでだ」
「弱点?」
「お前の弱点は…あのペットだ。儂に敵対すれば、即座にあの2匹を始末する…リヒトお前は逆らえぬよな? 儂からしてもあの2匹が居なくなると、お前の弱点が無くなり困るから、治せるように調べた、それだけだ」
そう言いながら魔王はにやりと笑った。
魔王は…怖えな。
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