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私達の婚約について

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私達の国、トランスッド王国は現在隣国との関係も良い状態です。

なので、トール様と私の婚約と共に、他の公爵家のご令嬢、ご子息との婚約もあっさりと国内で決まりました。

四大公爵のご令嬢、ご子息が、たまたま同い年に産まれのも良かったのかも知れません。

私達の婚約が決まったのが6歳の時。

今の宣言で決まったんじゃないの?って思われる方が多いかもしれませんが、我が国は、幼い時の婚約は(仮)なのです。

学園を卒業する時に、婚約すると宣言することで、(仮)が取れるのです。
(仮)が取れてから、2人で婚約期間を持ち、結婚式への準備をするのです。

私とトール様は、王家なので自分達で期間を決められません。
他の貴族であれば、半年~3年程度でしょうか?

私たちは、王家の決まりの通り、王家の1年の婚約期間を持ち、お互い色々と準備をします。
王妃教育や、公務、また結婚式の準備等…やることはいっぱいあるのです。

今まで、婚約者(仮)であった私、レイリアは、今日婚約者となり、1年後に結婚式を挙げる…。
トール様が、私を選んで下さったので、
その未来が確定したのですが…。




男爵令嬢は、未だに、「ヒロインは私」だの「王子ルート選んだんだもの」など…色々騒いでおります。

周りの方々も怪訝な顔をしております。

私は、トール様の腕の中でオロオロしていると、

「その者を捕らえよ!貴賓室に閉じ込め、警備兵は監視を!」

透き通るその声で、キリッとしたお顔で指示を出されました。

指示を出した後、私の顔を両手で包み込み、

「リア、何だか色々ごめんね。でも大丈夫だよ?私の婚約者であり、妃はリアだけだからね?」

そう耳元で囁かれました。

うぅ…耳元で囁くなんて…。
耳元が弱いって知ってて…本当に酷いです…。

私は、恥ずかしくなり、下を向きました。
絶対に今顔は真っ赤だと思います。

そんな私を見て、微笑んでいたトール様は、前を向き直し、

「騒がせてすまなかった。ここからが本番だ、皆の者ゆっくり楽しもう!」

そう言って、私をダンスホールへと誘いました。

確かに、男爵令嬢の事は気になりますが、ここで顔に出してしまっては、王子妃としての役割は果たせません。

私は、心を入れ替えて、トール様とのダンスを楽しむのでした。
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