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ふっええええええ2

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「ヴィング様。これは…流石にまずいのでは」
「聖女様に、万一の事があっては……」
「うるさい!こいつが先に、私を叩いたのだぞ!」

「サリっ」
「ハ……ィ…リ」

ふええええ~ハイリよ。
お腹のめっちゃいい位置にクリーンヒットした。なんか…ぐぼぉって内臓が動いたもん。
地面にうずくまった俺を、ハイリが…こうなんてーのかな、眠ったお姫様を抱き上げてくれるみたいな感じで、上半身おっきさせてくれた。
おぉ…ハイリよ。チッスは必要かね?冗談冗談。俺、起きてるからチッスは不要でござい。

はぁ~~~にしても痛いわ~~痛いわ~~。お腹痛いわ~~。
やり返される覚悟はしてたから、別にいいけどさ。肉団子パワー恐るべし。

あ、そうそう肉団子っていえばさ、レンコンとか中に入ってるの…あれ凄くない?
え!?うっそぉ!?レンコンさん入っててくれたんですかぁ!のサプライズ感がたまんなく好き!おいしいよね~。
それと中華料理屋さんで頼んだ時にのってる、ネギで出来た白い糸みたいなの。シェフぅうう!!ありがとう!おしゃんてぃーで、それでいで口をさっぱりさせるアイテムになってて、それ最高っすよ~~。
あ~~肉団子食べたくなってきた~。
肉団子!肉団子!!


「サリっ!」
「ハ…イリ…。肉…団子」

食べようぜぇ。

「…………」

え、おいおい。ハイリくん、何その目?
さっきまでの心配顔はどうした?
俺の内心を読み取る事に掛けちゃ、ピカ一のハイリくんだもの、わかってんだろぉ!
肉団子だよ。肉団子~。食事のリクエストに出しといてよぅ~。

「…………はぁ…」


「おい、半端者。そいつを渡せ」
「………っ」
「こいつは、これから私がたっぷり躾けてやる。いくら頭が足りないバカでも、飼い主を覚えるくらいは出来るだろう」
「…ふえ…え…え…?」

ふえええ!?俺ぁ飼い主募集なんてしてないよ!
それとも何か!?知らんうちに、うちのサリ貰ってくれませんかのチラシでも貼り出されてたんかい!?
ふえええええー!?人身売買やーーーー!?助けてぽりすめぇえええええん!!


「それは、陛下のご指示ですか?」
「はっ!あの耄碌もうろくじじいの指示かだと?そんな訳ないだろう」
「では、サリを渡す訳には……」
「半端者ごときが、逆らうのか」
「っ…」

お、おいおいおい。よせよ、よせよせ。
その半端者ってワード、ハイリくんに相当ダメージ入るみたいだから、やめたげて!!

「ふえ………」

ん?あれ?今、陛下?陛下っていった?陛下って事は、王子の俺のおとっつぁんの事よね。
待ってよ。俺のおとっつぁん、じーじ系なの? 
大和撫子ちんこ疑惑があったから、こう…儚い感じの陛下を予想してたのに。じーじなの!?予想外の方向に戸惑うわ!?
え~~会ってみたいな、おとっつぁん。まだ一度も会った事ないのよ~。

「いいから、寄こせ!!」
「……お断りします」
「ふ、えっ」

きゅうんっ。お断りしますに合わせて、ハイリにぎゅってされた。なんだよ。やっぱチッスしとく?
そういうムードじゃないのこれ?

「生意気な!半端者ごときが本気で、王座につけると思っているのか!!」
「……思っています」
「なんだと!!」
「陛下との…約束は果たしました。次の王は…ワタシです」
「あの耄碌もうろくじじいのいう戯言が、本当の訳ないだろう!!」

「……本当ではない?」
「そ、そうだ。あのような戯言!」
「では何故…サリを奪いにきたのですか?」
「そ…れは……」
「それは?」

「うるさい!うるさい!!」
「…陛下の言葉を理解しているからこそ、ここにきたのでしょう」
「ぐ…う」
「次の王はワタシだ」
「違う!違う違う違う!!おまえのような半端者が、核を宿せるはずが!!」
「いいえ、宿してくれましたよ。サリは」

ハイリが俺の首筋から頬にかけて、す~と指を滑らせる。ふっえええ!そこ、くすぐったいわよぅ~。おやめになって~~。

「ふ、え…ん……ん…ぅ………ハイ…リィ…」

「っ!?」
「~~~~っ」
「!?!?」

おん、どした?みんな顔真っ赤になってない?

「サリ…」
「ふえええ?」

あ、はいチッスですか?お、マジでチッス?んんーーーむちゅう!

「は………」
「…ハ……ィ…ふ……え…」

見…見られながらすんのって思ってた以上に恥ずかしいのね。
ふええええ。地面を転がりたい!あ~~体が万全ならば、立派な人間ぞうきんとして、地面を転がれたのに!!残念だ~。

「ぐ…ぐ……ぐ……」
「陛下の許可もないとなれば、独断できたのでしょう?」
「う!?」
「おいたがばれないうちに、帰れ…。ヴィング」
「な、な、な、な!!!?き、きききっ貴様!?」
「今なら見逃してやる」

oh魔王様や。大魔王じゃ。
流石ハイリ。肉団子たじたじですぜ。

「こ、これからこいつが産むのは私の子だ!当然、王座も私のものだ!!」
「ワタシの核が宿った事は、既に報告済みだというのに…その戯言を、陛下が信じるとでも?」
「っそもそもが、おかしいのだ!何故おまえのような半端者に権利が!」
「はっ権利?その権利を汚らわしいと…半端者ではない貴方たちが自ら放棄したのでしょう!」

「んぐ!?ぐ……ぐぐぐ。おま…えが…おまえが、宿せなければ、耄碌もうろくじじいの戯言は叶わず、自動的に私たちに王座が!!」
「あぁ…残念でしたね。宿ってしまって」
「!?」
「半端者と幼い頃から見下していた相手に王座を奪われるのは、どんな気分ですか?」
「貴様ぁああああ!!」


お、おおん。なんか大変ね~。何の話かよくわかんないけど。
口挟む雰囲気じゃないから、出来る子のサリちゃんは黙って聞いてますけどもね。
でもお腹痛いし、そろそろお話終わって欲しいな~。ふえええ~。

それにさ~真面目な話してると、大声とか出して邪魔したくならない?
ふえええ。鎮まれ…鎮まるんだ。すっごいやりたくなってきた。
大声で、ふええええーって叫びたい。あぁあ…体が万全ならば!残念だ。

ふえええええー!ふええええええー!
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