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本当の別れ
異世界に行く方法を試してみた結果
しおりを挟むあれから私は、ずっと何もせずにいた。(一応葬式の準備は進めていたわけだが)すると.
霊夢 「あんたが悲しんでる顔なんて、咲夜は見たくないと思うわよ。」
蒼空 「うん...。」
霊夢 「はぁ。どうしようもないわね、あんた。仕方ないからあんたがもう二度とそんな顔しなくてすむような話をしてあげるから。あがりなさい。」
蒼空 「お邪魔します...。」
霊夢 「何言ってんのよ。少なくとも今はここはあんたの家なんだからただいまでしょ?」
そうなのである。結局レミリアが少し一人にしてほしいと言った事もあって、博麗神社に居候しているのだ。ちなみに地霊殿に帰らないのは、家族に心配をかけたくなかったためである。
霊夢 「ほら、そこに座りなさい。ちなみにこの話は咲夜には口止めされてたんだけど、もう怒られることもないし、なによりあんたがいつまでもそんな顔してるのを見てるのもなんかあれだから。話すことにしたってわけよ。よく聞いてなさいよ。」
霊夢 「咲夜はね、よく買い物帰りにうちに遊びに来てたのよ。よく一緒におしゃべりしてたんだけどね。私はあの時間がなかなか苦しかったんだけどね、なんでかわかる?」
蒼空 「あ~それでよくレミリアに怒られてたな。」ふふっ
霊夢 「でね、あいつが何の話をしていたのかということだけどね。10割あんたの自慢話なのよ。」
蒼空 「是非聞きたいな。」
霊夢 「例えばよ?これはほんの一例に過ぎないけど、やっぱりあんなに笑顔がいい人見たことないって、あとね、こんな人外の能力を
持っていても普通の人と同じように接してくれて嬉しかったって。よく言ってたわよ。」
霊夢 「あとはまあ、あんたの笑顔見てると元気が出るって言ってたかしらね。信じる信じないはあんたに任せるけど、まあそういう
ことだから。」
そっか、そういうふうに言ってくれてたんだ。なんか、嬉しいな。
蒼空 「話してくれてありがとう。霊夢さん。へへへっ嬉しいなぁ...ううっ...ひっく...違うんだ。霊夢さんこれはね、嬉しくてね...
顔が濡れて...る...だけだから...。でもさ、最後に...もう一回だけ...もう一回だけ泣かせて ...お願い...。」
私は気づけば霊夢さんに抱きしめられていた。
霊夢 「仕方ないわね...これで最後だからね?思う存分泣きなさい。」
私は、霊夢さんも泣いていることに気付いたが何も言わなかった...。
霊夢 「さて、ちなみにここ幻想郷ではここの宗教である幻想教に従って祭事をとり行うから。」
蒼空 「どんな感じになるの?」
霊夢 「外の世界じゃ考えられないかもしれないけど、うちじゃ異変関係で命を落としたんじゃなきゃそれを祝うものなのよ。その霊に最後の楽しい時間を過ごしてもらうためにね。」
蒼空 「カリブ海にある、セントルシア島ってとこだとそういう文化があるみたいだけだけどね。」
霊夢 「へ~あんた物知りなのね。まあいいわ。だから、今日は明日に備えてその準備をするわよ。わかった?」
蒼空 「うん!」
そうして、私達は式の準備に取り掛かるのであった。
霊夢 「ふ~終わったわね。手伝い、ありがとね。」
蒼空 「これで咲夜を楽しませてあげれるならやすいもんだ。」
霊夢 「やっぱりあんた優しいわね。咲夜の言ってたとおりだわ。ま、大体にしてあの時自分を犠牲にしてまでここを守ろうとしてくれ
るって時点でって感じだけどね。」
蒼空 「まあ、あれ完全ににとりに責任あるけどな。」
霊夢 「は?どういうことよ?」
蒼空 「実は...。」※①
霊夢 「はは。。。あいつの製品いっつもそうなのよね。絶対どっかに欠陥がある。」
蒼空 「ねえねえ。」
霊夢 「なに?」
蒼空 「咲夜の顔見てきてもいい?」
霊夢 「いいわよ。何ならそばにいてあげなさい。」
蒼空 「うん。」
蒼空 「咲夜、長い間、よく頑張ったね。偉いよ。私みたいに生きることを諦めるんじゃなくてさ。」
蒼空 「私はさ、咲夜とかさ、皆のおかげでいまも...生きてるけどさ...じゃなきゃ...もう...この世にもいないんだよ。」
蒼空 「だからさ、ご褒美に夏、...連れ…てって...あげ...る...からね。」
あいつは泣いていた。まあ無理もないか。最後って約束したはずなんだけどな。
霊夢 「蒼空、流れ星あるわよ。見に来たら?」
?返事がない。
蒼空 「ううぅ...ごめんね、ごめんね。ないちゃいけないってのはわかるんだ...でもさ...許して。」
私は目を疑った。咲夜があいつを抱きしめてあげているのだ。
でもそれは幻でもなんでもなくて、
咲夜 「蒼空さんをお願いしますね。」
と私の目を見て言ってきたのだ。
霊夢 「任せなさい。」
と、彼に聞こえぬよう返事をした。
そうすると、彼女は安心たような顔をして消えていった。
蒼空 「あっ...霊夢さん、ごめんなさい。泣いちゃっ...た...ごめんなさい。」
私は、何も言えなかった。彼が、少なくとも私より強いってことがわかっていたから。
霊夢 「いいわよ。別に。」
私が母を亡くした時はもっと泣いていた生きる希望すら失っていた。
霊夢 「それに比べると、あんた強いわね。」
私はそう言い残し、翠華の元へ向かうのだった...。
※① 番外編1を参照。
あとがき:はい、まだまだこの話は続きますが、※の部分(番外編)を書くために”異世界に行く方法を試してみた結果番外編”という話を
追加します。
こちらが更新されていない時は番外編の方に行ってみてください。
ここまで読んでいただき、ほんっとうにありがとうございます
応援ありがとうございます!
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