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20話
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しおりを挟む「彼女はこの国から追放することにしたよ」
「そのようですね。その烙印が何よりの証だ」
リラの右手の甲にある烙印。それは、魔法封じの魔力が込められた焼き印だ。決して消えることのない烙印で、二度と魔法を使うことができなくなる。
烙印は手の甲につけられるもので、犯罪を犯して追放される人間がつけることになっている。烙印をつけた人間は、他国にも認識されることになる。まるで指名手配犯のように、念写魔法によって紙に顔が載せられて国のあちこちに貼られることになる。
お店には必ず張られることになっているため、今後リラが他国で行動するときも後ろ指を指されることになる。
手袋などで烙印を隠すことはできるが、魔法道具店などは必ず手袋を外すように言われるため隠しきることはできない。
その烙印があれば、魔法道具は購入できない決まりなので、二度とリラは魔法に関わることもできなくなる。もしも別の誰かがリラに魔法道具を与えた場合は、その人が罪に問われることになる。
そのため国中に顔が知られてしまったら、リラに関わろうとする人もいなくなるだろう。
「それで、リラ嬢はどちらへ追放に?」
「彼女の祖父母が海を越えた先の国に住んでいるようで、そちらから引き取りに来ることになっている」
海を越えた先の国ということは、かなり遠くだ。まだ数日はこの国にいることになるだろう。その間は自由にはしてもらえず、地下牢で過ごすことになるだろう。
ルージュはリラの祖父母がそんな遠くにいるとは知らなかった。ゲームでも知ることのなかった情報だ。両親が早くに亡くなっていて、家が遠くにあるため寮暮らしをしていることしか情報はなかった。
祖父母と住んでいたのなら、わざわざディオース王国に来るのも大変だったことだろう。
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