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第二章 冒険者活動

第三十九話 クロスロード子爵との会話

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プッチモ王子が僕達から離れたところで、クロスロード子爵が話しかけてきた。

隣にはホワイティアとサーマンがいた。


この三人は面識があったのか?



「ラウールさん、サクラさんこの度は防衛戦での活躍を聞いて、私の子の事と合わせてお礼を言いたいと思います……ありがとう!」



「私も冒険者ギルドを代表して、お疲れさまでした。」



「俺は聞きたいことがある! ギルマスもいるから一緒に色々と問い詰めようと思ってな!」



おう、問い詰めると直接言われたよ。



「私はお礼が言いたかっただけですので、あとは聞き役になりますよ。……あ、私からの報酬は冒険者ギルドで受け取ってくださいね。」



「わかりました。だけど、ギルマスの知り合いなんですね?、クロスロード子爵?」



「あーー、私は魔物対策をする役割を陛下から承っているのでね。よく冒険者ギルドにもお願いに行っているんだ。」



ほうほう、それで……。あと忙しかったのもあの魔物の襲撃対策があったからか。



「君達の事は冒険者ギルドから報告を受けていたよ。申し訳ないけど、私と会えないことで王都に留まってもらったという事情もあるからね。ただ会うだけなら、もっと早く会えたんだけど、王都からいなくなると戦力的に厳しくなると思ってね……ごめんね!」



ふ~軽いな……

まーー人付き合いをしてこなかったから、裏を読むなんて苦手だし、こんなもんか。



「ここまで話してしまったからもう一度言うけど、ありがとう……助かりました。」



そう頭を下げ、サーマンにバトンタッチしたようだ。



「じゃあ俺の番だな! お前達……どれくらい強い! ランクはあてにならないから、ロード種だったらどれくらいの時間で、何体倒せる?」



何体……何体でも?

時間……一瞬?

いたらいただけ一瞬で?

何て答えよう……



「そんなの答えられないわ! ロード種程度ならただのゴブリンと変わらないわよ!」



サクラ……一応答えにはなっているよ……



「我の羽ばたきで十体は行ける!」



クロウ……羽ばたきって何だよ……何処かのホラ吹き合戦か?



「……それは近接戦か? それとも魔法か?」



ここは僕が話しておいた方がましだな。


「どっちでも同じですよ。だけど短時間で多数のロード種だったら、魔法が楽かな。広範囲殲滅クラスの魔法で一発だしね。」



何か僕も大ホラ吹きになってる?



「……誇張ではないのか? だが、あの戦いを見ると…………。俺と模擬戦は出来るか?」



「時間が合えば良いけど……」

「良いわよ!」

「我でも良いよ!」



「それじゃあギルマス、調整を頼んで良いか? ギルマスもだが、他にも見たい奴らがいるだろ? 冒険者ギルド関係者……貴族とかな。」



そこまで公開……

以前なら怒ってたけど、今世の僕の心には余裕があるから許す!

妻がいるからね!



すると目の前の三人ではなく、横から僕達に接近してきていた貴族が話しかけてきた。



「父上! 陛下のお側を離れても宜しいんですか?」



クロスロード子爵が父上と呼ぶ……

フムフィニアス侯爵か?

渋い壮年の男……振る舞いは文官……



「初めまして。私はエサイテート・フムフィニアス。クロスの父で、ファンフート王国で宰相をしている。」



ふーん、爵位が違うから名字が違うのか?

あとを継ぐ場合は名字がフムフィニアスになるのか?



「今の話を聞いていたが……どうだ、国王の前でやらないか? 御前試合として戦うのも面白いと思わないか?」

とエサイテートは面白そうにしている。



この宰相は……



「私は賛成しますよ。冒険者ギルドだけではなく、貴族だけでもなく……国王様の前でおきた出来事なら、誤魔化しも利きませんし、誇張された噂も広がらないと思いますから。王子の護衛もするのなら、ちょうど良いのでは?」



「俺はただ強い奴と戦ってみたいだけだったが……あまり無様に負けられなくなるな……」



負ける前提ですか?

僕達が嘘を言っている可能性を考えないのか?



「僕達が嘘を言っていたら?」



「俺達の目の前であんなことをやって……最低でもあの戦闘力なら、俺は負けると思うぞ……。だが、俺はまだまだ高みを目指しているんだ! だから強い奴と戦いたい!」



んーー戦うのはどっちでも良いけど、どこまで実力を示したら良いのか?

本気だとすぐ終わるし……と言うかたぶん王国に被害が出るし……



「ふむ……じゃあ今やるか? 私達は貴族が絡んでくると思い影で準備していたのだが、冒険者同士で実力を示すのも良いかもしれないな。Sランク冒険者の戦闘力なら、騎士団の団長以上の個人戦闘能力があるからな。だが集団を率いるのは負けないぞ冒険者……」



やや悔しいのか?

僕達冒険者には負けたままでは悔しいのか……

んーーでも今か?

僕達は良いけどサーマン達はどうなんだろう?

Aランク冒険者とパーティーを組んでいたよね……



「俺達は良いぞ! 陛下さえ良ければ何時でも戦うぞ! 冒険者は何時でも戦うぞ!」



何時でも戦わないよ……

まーー時間がかからないから良いけど……



「僕達は特に準備するものもないので、今日でも良いですけど……場所はあるのですか?」



エサイテートはニヤリとした顔をした。



「もちろんあるぞ! それに陛下の予定を今日は褒章伝達式のために、一日空けているのだ。これから司会者に話をさせて移動するか?」



この宰相は先まで読んでいたのか?



「第一王子も今日の予定は何もないと思いますから、王族全員は観戦するでしょうね。それに有力貴族もここにいるので集まるだろう。ここで実力を見せたら楽だろうなーー。」



そんなの話をされた後、余興と言って宰相が僕達とサーマンが戦うことを宣言した。



そして時間が来て、僕達は普段王族が訓練している会場に移動した。


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