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第二章 冒険者活動
第五十九話 妖精さんの話を聞いた
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目の前にいる小さな妖精さんが話し出した。
まーーソフィアと確定した妖精さんだが……
「私もようやく世界を渡ることが出来ました。あちらの神が世界の中でも屈指の存在が一気にいなくなるのは許容出来ないと言ったので……。ラウールとサクラは死ぬことであちらの世界から消えました。クロウは我が儘を言ったので、そのまま世界を渡りました。ですからクロウの分の魔力が一気に世界から消えました。」
クロウ……我が儘だったのか……
「ですから私とヤマトもこちらの世界に移りたいといったときに、神が出した条件は……できる限り私達の魔力をあちらの世界に還元する事でした。」
魔力を還元?
「私達は神に言われた所でただ魔力の放出を繰り返しました。毎日繰り返し、私は元の体もあちらの世界に置いてくることで、世界を渡らせてもらいました。ですからこの体はあちらの……シチランジンの神が作ってくれました。」
へーーまた神様が手を貸してくれたのか。
「あるところで待っていたところ、ようやくラウール達の魔力を捕らえられて、私が先に召喚という方法でここに現れました。」
「へーー、じゃあまた神様が頑張ってくれたんだね。じゃあ次に召喚魔法を使うと、ヤマトが来てくれるの?」
「いえ、ヤマトはもう少し魔力を還元しないといけないので、今召喚しようとしてもヤマトは呼べません。私がこの世界に来る前に聞いたのが、龍はもう少し魔力を還元してもらわないと困ると言われました。」
「じゃあヤマトを呼ぶには、時間も経過しないと駄目ってこと? いくら僕達が魔力を込めても無理?」
「無理ですね。ですから私が良いと言うまでは召喚魔法は使用しない方が良いでしょう。今なら私がシチランジンの神が指定した場所に繋がりを感じていられますが、他の魔物を呼び出してしまうと、繋がりが感じられなくなるかもしれません。」
んーーそうか……。ソフィアまで世界を渡って来てくれて、ヤマトともまた一緒に冒険出来るのなら我慢するか。
「分かった! ソフィア……また一緒に旅ができそうで嬉しいよ!」
「私も!」
「我も!」
「……もちろん私もですよ。私はあの五百年間で、それまでの人生と比べてどれくらい楽しく感じたことか……。ヤマトも一緒だったようで、姿が変わってもまた一緒に楽しみたいと……だから追いかけて来たんですよ……」
ソフィアが涙ぐみ、サクラももらい泣きしている。
「じゃあもしかして、姿が変わらないのはクロウだけ?」
「フフフフ、そうなりそうですね。私が妖精……ヤマトはどんな姿になるんでしょうね。」
そう言ったソフィアは、あちらの世界にいたときよりは弱体化している感じがする。
「僕達は何故かやれることが変わらなかったけど、ソフィアはどうなの?」
ちょっと考え込んだソフィアだが、その後すぐに返事をした。
「ーー大体……いえ、ラウール達と初めて出会ったくらいまでは能力が落ちている感じがします。やれることは同じに感じますが、同じことをしても小規模なものになるそうですね。」
んーーじゃあこの世界の基準だと……Sランク冒険者でも上位の能力くらいかな?
「後で能力を確認できないか、プッチモ王子か冒険者ギルドで聞いてみよう!」
ソフィアはその言葉を聞き微笑んでいる。
だがその後はちょっと不安そうな表情に変わった。
「……私が召喚されたときに気になったのですが、王子とはこの国の王族ですか?」
「そうだよ! 何故か縁があって、プッチモ王子と言う王族と一緒に行動したりしているんだ!」
更にソフィアは不思議そうな表情をした。
「あれだけ貴族なんて嫌いだっていうような態度をとっていたのに、今回はそうでもないんですね。」
「うーーん、嫌いではないと言うか、僕達に害がないのなら今回は良いかなって。いざとなったら実力で国を叩き潰しても良いし。最後の人生だから、自重はしないことにしたんだ!」
「……なるほど……。じゃあ私もお付き合いしますね。面白いことは好きですからね私も。こちらでは相手に気を使うことが減りそうですね。何せ私達が暴れると大変だと思って、大分人には会わないように生活もしましたものね。」
「それも面白かったけどね!」
「私も!」
「我も!」
「フフフフ、私もですよ! 今回も楽しくなりそうですね。」
そう僕達のマイホームでの現状報告会が終わった。
じゃあ次はどうするかな。ヤマトはまだ呼ぶことが出来ないみたいだし……でも呼べることは確定だろうし……。先に馬車か牽く生物を手にいれることが必要かな。
「ソフィア? ヤマトはいつ頃になったら呼べそうなの? 僕達は一ヶ月くらいで護衛依頼に出て、護衛も二ヶ月くらいはかかりそうなんだけど……。プッチモ王子や他にも人が多くいるし、出来るだけ呼ぶ事が出来るようになったらすぐに呼びたいんだけど。」
「流石に私にも厳密な時期まではわかりませんね……」
「んーーそうか。じゃあ分かったら教えてね。今が駄目なら、先に護衛依頼の準備を始めるから、ソフィアもよろしくね。」
「フフフ……もちろんですよ。私にもまた色んな景色を見せてくださいね。」
そう話をして僕達は夜遅くまで話をしていた。
丁度多く作った部屋はソフィアの部屋になり、ソフィアはそこで寝ることになった。
そして妖精となったソフィアは、物質を装備できるが、服は思うがままに変化させることが出来ると教えてくれた。
魔力って不思議だな! 還元なんてできるんだろうね放出なんかで……まーー不思議物質だし考えすぎないか。
さあ明日は馬車の準備でもしますか?
まーーソフィアと確定した妖精さんだが……
「私もようやく世界を渡ることが出来ました。あちらの神が世界の中でも屈指の存在が一気にいなくなるのは許容出来ないと言ったので……。ラウールとサクラは死ぬことであちらの世界から消えました。クロウは我が儘を言ったので、そのまま世界を渡りました。ですからクロウの分の魔力が一気に世界から消えました。」
クロウ……我が儘だったのか……
「ですから私とヤマトもこちらの世界に移りたいといったときに、神が出した条件は……できる限り私達の魔力をあちらの世界に還元する事でした。」
魔力を還元?
「私達は神に言われた所でただ魔力の放出を繰り返しました。毎日繰り返し、私は元の体もあちらの世界に置いてくることで、世界を渡らせてもらいました。ですからこの体はあちらの……シチランジンの神が作ってくれました。」
へーーまた神様が手を貸してくれたのか。
「あるところで待っていたところ、ようやくラウール達の魔力を捕らえられて、私が先に召喚という方法でここに現れました。」
「へーー、じゃあまた神様が頑張ってくれたんだね。じゃあ次に召喚魔法を使うと、ヤマトが来てくれるの?」
「いえ、ヤマトはもう少し魔力を還元しないといけないので、今召喚しようとしてもヤマトは呼べません。私がこの世界に来る前に聞いたのが、龍はもう少し魔力を還元してもらわないと困ると言われました。」
「じゃあヤマトを呼ぶには、時間も経過しないと駄目ってこと? いくら僕達が魔力を込めても無理?」
「無理ですね。ですから私が良いと言うまでは召喚魔法は使用しない方が良いでしょう。今なら私がシチランジンの神が指定した場所に繋がりを感じていられますが、他の魔物を呼び出してしまうと、繋がりが感じられなくなるかもしれません。」
んーーそうか……。ソフィアまで世界を渡って来てくれて、ヤマトともまた一緒に冒険出来るのなら我慢するか。
「分かった! ソフィア……また一緒に旅ができそうで嬉しいよ!」
「私も!」
「我も!」
「……もちろん私もですよ。私はあの五百年間で、それまでの人生と比べてどれくらい楽しく感じたことか……。ヤマトも一緒だったようで、姿が変わってもまた一緒に楽しみたいと……だから追いかけて来たんですよ……」
ソフィアが涙ぐみ、サクラももらい泣きしている。
「じゃあもしかして、姿が変わらないのはクロウだけ?」
「フフフフ、そうなりそうですね。私が妖精……ヤマトはどんな姿になるんでしょうね。」
そう言ったソフィアは、あちらの世界にいたときよりは弱体化している感じがする。
「僕達は何故かやれることが変わらなかったけど、ソフィアはどうなの?」
ちょっと考え込んだソフィアだが、その後すぐに返事をした。
「ーー大体……いえ、ラウール達と初めて出会ったくらいまでは能力が落ちている感じがします。やれることは同じに感じますが、同じことをしても小規模なものになるそうですね。」
んーーじゃあこの世界の基準だと……Sランク冒険者でも上位の能力くらいかな?
「後で能力を確認できないか、プッチモ王子か冒険者ギルドで聞いてみよう!」
ソフィアはその言葉を聞き微笑んでいる。
だがその後はちょっと不安そうな表情に変わった。
「……私が召喚されたときに気になったのですが、王子とはこの国の王族ですか?」
「そうだよ! 何故か縁があって、プッチモ王子と言う王族と一緒に行動したりしているんだ!」
更にソフィアは不思議そうな表情をした。
「あれだけ貴族なんて嫌いだっていうような態度をとっていたのに、今回はそうでもないんですね。」
「うーーん、嫌いではないと言うか、僕達に害がないのなら今回は良いかなって。いざとなったら実力で国を叩き潰しても良いし。最後の人生だから、自重はしないことにしたんだ!」
「……なるほど……。じゃあ私もお付き合いしますね。面白いことは好きですからね私も。こちらでは相手に気を使うことが減りそうですね。何せ私達が暴れると大変だと思って、大分人には会わないように生活もしましたものね。」
「それも面白かったけどね!」
「私も!」
「我も!」
「フフフフ、私もですよ! 今回も楽しくなりそうですね。」
そう僕達のマイホームでの現状報告会が終わった。
じゃあ次はどうするかな。ヤマトはまだ呼ぶことが出来ないみたいだし……でも呼べることは確定だろうし……。先に馬車か牽く生物を手にいれることが必要かな。
「ソフィア? ヤマトはいつ頃になったら呼べそうなの? 僕達は一ヶ月くらいで護衛依頼に出て、護衛も二ヶ月くらいはかかりそうなんだけど……。プッチモ王子や他にも人が多くいるし、出来るだけ呼ぶ事が出来るようになったらすぐに呼びたいんだけど。」
「流石に私にも厳密な時期まではわかりませんね……」
「んーーそうか。じゃあ分かったら教えてね。今が駄目なら、先に護衛依頼の準備を始めるから、ソフィアもよろしくね。」
「フフフ……もちろんですよ。私にもまた色んな景色を見せてくださいね。」
そう話をして僕達は夜遅くまで話をしていた。
丁度多く作った部屋はソフィアの部屋になり、ソフィアはそこで寝ることになった。
そして妖精となったソフィアは、物質を装備できるが、服は思うがままに変化させることが出来ると教えてくれた。
魔力って不思議だな! 還元なんてできるんだろうね放出なんかで……まーー不思議物質だし考えすぎないか。
さあ明日は馬車の準備でもしますか?
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