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第三章 上を目指して
第八十三話 キバン市のダンジョン情報
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僕達は昼までゆっくりしてから冒険者ギルドに向かった。
受付で僕達は冒険者プレートを見せると、今日もギルドマスターの部屋に案内された。
そんな僕達を見る他の冒険者達は、絡んで来そうな人もいた。後は僕達の事を観察しているようで、ファンフート王国の冒険者ギルドよりは平和だった。
……
僕達はギルドマスターの部屋でピップギルマスと話をしている。
初めに今日のうちにロドリー子爵からの礼金が届けられるそうだ。何か貴族と会いたくない様子があり、気をきかせてくれたそうだ。
礼金はもう少ししたら届くそうで、それまでダンジョンについて説明してくれるそうだ。
ダンジョンはアルグリアン王国にはここだけにしかない。他の国も秘匿していなければダンジョンの数は多くはない。
かなり昔から……文献などでも攻略したという情報はない。
今現在は二十一階まで進んでいる冒険者パーティーが最高記録だ。
上に上っていった行くタイプのダンジョンだが、見た目ではそこまで高くは見えない。
中はあまり地形が変わることはないが、木や草は成長するようで、長い期間をかけて変化はある。
もちろん壁や床等には穴を開けることは出来ない。更に少しは傷つくが、短時間で修復されている。
魔物は階によって大きく変わることもないが、時々他の階の魔物が迷い混むことがある。
魔物を倒しダンジョンにそのまま置いておくと吸収される。しかし何かに入れて運ぶと消えることはない。
だから死んだ人も吸収されるし、生命が宿っていない物も吸収される。
ただしセーフティーゾーンでは物が吸収されることもないし、魔物も出現しない。
お宝だが、宝箱は出現して中身を得る事が出来る。中身は様々で、良いものは誰も作れないような魔道具を得る事もある。
もちろんダンジョン内や宝箱に罠が仕掛けられている事もある。
このような事をピップギルマスが説明してくれた。
そして丁度ピップギルマスの話が終わったときに、クライスさんが受付さんに案内されてギルドマスターの部屋に入って来た。
「おう来たな! クライス、ロドリーも来たがったろ!」
「おう、大変だったぞ。ロドリー子爵は強い冒険者が好きだからな。それにシランス様もな……」
お、何となくギルマスと話しているクライスさんの口調が……砕けた口調?
「おうよ、そうだろうぜ! あいつら家族は変わってるからな! っと、不敬罪になるぜ!」
二人でまた僕達を忘れてるのか?
「ちょっと、僕達に何か話はないの?」
「あーー申し訳ない……。私が今回の遣いだ。ロドリー子爵からは『何時かは会ってみたい』と伝言を承っている。そしてこれが子爵の娘の命を助けた対価だ……ありがとう……」
クライスさんはもう一度頭を下げると、大金が入っているだろう袋を手渡してきた。
「そして私からももう一度お願いをする。気が向いた時で良いから、シランス様にもう一度あってほしい……」
「……それについては気が向いたらと言うことで……」
「おし! じゃあダンジョンに行ってこい! Aランクに必要なのは戦闘力、探索力、集中力……気を抜くことの大切さを知っているということだ! 後は冒険者ギルドの立場を悪くしない程度の品位があればいいんだ! 俺みたいなクソ親父でもギルマスになれるんだからな!」
自分で言っちゃったよ……
「下の依頼票を見て頑張れよ! 出来るだけ高額な取引をしようぜ!」とピップギルマスは良い笑顔を向けてきた。
……
僕達は冒険者ギルドの一階で依頼を確認し始めた。
周りの冒険者は僕達を見るが、ギルマスと知り合いと思ってくれたのか、絡んで来る者はいなかった。
ダンジョンの依頼だが、十階より上で得られる魔物の素材回収が多い。
誰もがマジックバッグ等を持っているわけではない。だからこそ上の階の素材が良いのだろうな。
中には人の捜索願いもある。
そうやってじっくりと依頼を確認していると、後ろから声がかかった。
「皆様はダンジョンは初めてですか? 私は冒険者ギルドの職員のタノハと言います。皆様の困り事の相談にのっていますが、如何されました?」
へーーそんな職員まで。
「僕達は初めてダンジョンに行くのですが、どの依頼を受けるか迷っていまして……」
するとタノハは考えだし、それから僕達に返事をした。
「もし迷って決めかねているのであれば、先にダンジョンに行って見るのも良いですね。ダンジョン産の魔物の素材は依頼とは別にも買い取っています。素材採取などの依頼も、達成してから掲示されている依頼票を持ってきても構いませんし。皆様はランクも高いですから、先にダンジョンに行ってみてはどうでしょう。」
「あっ、そんな感じなんだ。じゃあ迷うこともないかな? ……お宝の買い取りも同じ?」
「ええ。提出して頂いた物を評価し買い取りますよ。」
「へーーありがとうタノハさん。じゃあアドバイス通り一回行ってみるよ!」
「ええ。ですが罠だけはお気を付けて……。戦闘力とは関係なく大怪我を負いやすいですから。」
そんな情報をタノハさんから聞き、僕達は明日ダンジョンに挑んでみることにした。
あっ、転移陣とかあるか聞くのを忘れた……
あーあ、でもダンジョンの入り口で聞いても良いか。
受付で僕達は冒険者プレートを見せると、今日もギルドマスターの部屋に案内された。
そんな僕達を見る他の冒険者達は、絡んで来そうな人もいた。後は僕達の事を観察しているようで、ファンフート王国の冒険者ギルドよりは平和だった。
……
僕達はギルドマスターの部屋でピップギルマスと話をしている。
初めに今日のうちにロドリー子爵からの礼金が届けられるそうだ。何か貴族と会いたくない様子があり、気をきかせてくれたそうだ。
礼金はもう少ししたら届くそうで、それまでダンジョンについて説明してくれるそうだ。
ダンジョンはアルグリアン王国にはここだけにしかない。他の国も秘匿していなければダンジョンの数は多くはない。
かなり昔から……文献などでも攻略したという情報はない。
今現在は二十一階まで進んでいる冒険者パーティーが最高記録だ。
上に上っていった行くタイプのダンジョンだが、見た目ではそこまで高くは見えない。
中はあまり地形が変わることはないが、木や草は成長するようで、長い期間をかけて変化はある。
もちろん壁や床等には穴を開けることは出来ない。更に少しは傷つくが、短時間で修復されている。
魔物は階によって大きく変わることもないが、時々他の階の魔物が迷い混むことがある。
魔物を倒しダンジョンにそのまま置いておくと吸収される。しかし何かに入れて運ぶと消えることはない。
だから死んだ人も吸収されるし、生命が宿っていない物も吸収される。
ただしセーフティーゾーンでは物が吸収されることもないし、魔物も出現しない。
お宝だが、宝箱は出現して中身を得る事が出来る。中身は様々で、良いものは誰も作れないような魔道具を得る事もある。
もちろんダンジョン内や宝箱に罠が仕掛けられている事もある。
このような事をピップギルマスが説明してくれた。
そして丁度ピップギルマスの話が終わったときに、クライスさんが受付さんに案内されてギルドマスターの部屋に入って来た。
「おう来たな! クライス、ロドリーも来たがったろ!」
「おう、大変だったぞ。ロドリー子爵は強い冒険者が好きだからな。それにシランス様もな……」
お、何となくギルマスと話しているクライスさんの口調が……砕けた口調?
「おうよ、そうだろうぜ! あいつら家族は変わってるからな! っと、不敬罪になるぜ!」
二人でまた僕達を忘れてるのか?
「ちょっと、僕達に何か話はないの?」
「あーー申し訳ない……。私が今回の遣いだ。ロドリー子爵からは『何時かは会ってみたい』と伝言を承っている。そしてこれが子爵の娘の命を助けた対価だ……ありがとう……」
クライスさんはもう一度頭を下げると、大金が入っているだろう袋を手渡してきた。
「そして私からももう一度お願いをする。気が向いた時で良いから、シランス様にもう一度あってほしい……」
「……それについては気が向いたらと言うことで……」
「おし! じゃあダンジョンに行ってこい! Aランクに必要なのは戦闘力、探索力、集中力……気を抜くことの大切さを知っているということだ! 後は冒険者ギルドの立場を悪くしない程度の品位があればいいんだ! 俺みたいなクソ親父でもギルマスになれるんだからな!」
自分で言っちゃったよ……
「下の依頼票を見て頑張れよ! 出来るだけ高額な取引をしようぜ!」とピップギルマスは良い笑顔を向けてきた。
……
僕達は冒険者ギルドの一階で依頼を確認し始めた。
周りの冒険者は僕達を見るが、ギルマスと知り合いと思ってくれたのか、絡んで来る者はいなかった。
ダンジョンの依頼だが、十階より上で得られる魔物の素材回収が多い。
誰もがマジックバッグ等を持っているわけではない。だからこそ上の階の素材が良いのだろうな。
中には人の捜索願いもある。
そうやってじっくりと依頼を確認していると、後ろから声がかかった。
「皆様はダンジョンは初めてですか? 私は冒険者ギルドの職員のタノハと言います。皆様の困り事の相談にのっていますが、如何されました?」
へーーそんな職員まで。
「僕達は初めてダンジョンに行くのですが、どの依頼を受けるか迷っていまして……」
するとタノハは考えだし、それから僕達に返事をした。
「もし迷って決めかねているのであれば、先にダンジョンに行って見るのも良いですね。ダンジョン産の魔物の素材は依頼とは別にも買い取っています。素材採取などの依頼も、達成してから掲示されている依頼票を持ってきても構いませんし。皆様はランクも高いですから、先にダンジョンに行ってみてはどうでしょう。」
「あっ、そんな感じなんだ。じゃあ迷うこともないかな? ……お宝の買い取りも同じ?」
「ええ。提出して頂いた物を評価し買い取りますよ。」
「へーーありがとうタノハさん。じゃあアドバイス通り一回行ってみるよ!」
「ええ。ですが罠だけはお気を付けて……。戦闘力とは関係なく大怪我を負いやすいですから。」
そんな情報をタノハさんから聞き、僕達は明日ダンジョンに挑んでみることにした。
あっ、転移陣とかあるか聞くのを忘れた……
あーあ、でもダンジョンの入り口で聞いても良いか。
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