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第130話 鍛練の日々 前編

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屋敷に戻ると、リビングに向かう
「イールス帰りましたの?」
リビングに入ると、メサリアが微笑みながらイールスとセーレンを見ている
「メサリア様、ただいま帰りました。令嬢様もかなり追い詰められています」
イールスが男爵家の話をしている
「そうですの…籠絡は許しませんわ」
メサリアがセーレンを見ている
「楽しめましたわ! 手助けなどしませんわ」
セーレンが笑みを浮かべている
「メサリア様、フィーネリーゼ様の事はご存知ですか? 容姿も性格も良さそうなのですが、何故御結婚をしてないのでしょうか?」
イールスが考えてから聞く
「フィーネリーゼ? 知りませんわ! イールス興味を持ったのですか?」
「温室の薬草…あの薬草は、この国では育たない筈です。 魔法研究院や薬師に見せたいぐらいです」
イールスが温室の話をしている
「は? あの薬草…万能薬の…イールスとんでもない物を見付けたのですか?」
セーレンが驚いている
「うまくいくか解りませんが…素性を調査をお願いしたいです」
イールスが笑顔で言う
「イールスの頼みですのーーー 何をするか楽しみですのーーー」
メサリアが嬉しそうに言うと、セーレンがイールスを見ている
(この笑み…企んでいるのですか? しかし、薬草栽培の温室は誰もしてません…緊急時の為に用意させるのですか? それは王家としてやるべきですが…)

翌日イールスは、護衛達を迷宮に向かい、バロン達と合流後、迷宮を進み3層まで到着する
「カルスさん頑張ります」
クレオが笑顔で周囲を見ている
「全員これを使いこなせるか、試して欲しい」
イールスが鞄から剣を取り出して、手渡していく
「これは!! 魔剣!! 何故」
バロンの手が震えている
「使いこなせたら、貸し出します。剣が寿命だから」
イールスがバロンの剣を見て言う
「魔剣ですよ! それもただの魔剣では無いように思いますが」
バロンが震えながら言う
「技量がなければ使いこなせないからね」
イールスが笑顔で言う
「使える物は使うように、拒否権が無い…カルスを守る為に使うように」
護衛達が苦笑いして言うと、剣を振っている
「カルスさん持っていたら襲われそうですけど…」
クレオが心配そうに言う
「帰りに回収するよ、3層は結構大変だから、使ってね」
イールスが笑顔で貸し出す理由を説明していると、クレオとリシアが考えながら頷いている

ゴブリンが近付くと、バロンが剣を振り下ろし、ゴブリンの持つ石の斧を両断しながらゴブリンが真っ二つになって地面に転がる
「凄い…これが魔剣か…」
バロンが剣を見ながら呟くと、護衛達も次々とゴブリンと戦い始めている

周囲にゴブリンが居なくなる
「カルスさん、凄い剣です」
クレオが満面の笑顔で言うと、リシアが嬉しそうに見ている
「使えこなせそうで良かった、クレオ、リシア背中任せたよ」
イールスが笑顔で言うと、護衛達が周囲を警戒しながら見ている
「いつか剣に見合う実力を身に付けて見せます」
クレオが笑顔で言うと、護衛達が微笑みながら見ている

その後もゴブリンを倒しながら進み、ボス部屋の前まで到着する
「カルス様、休憩を」
護衛が周囲を警戒しながら言う
「ボスに挑むか…まだまだ不安だな」
イールスがバロンとクレオとリシアを見て言う
「カルスさん強いですから付いていきます」
クレオとリシアが笑顔で言う
「半人前の未熟者だから、強くないよ」
イールスが笑顔で言うと、バロンが苦笑いしている
(過小評価と言うより、口癖か? 凄い嫌味にも聞こえるが…傲らないのは良いのか? 3層を余裕で殲滅出来て、魔剣をこれだけ所有している時点で、最高峰の冒険者だが…何を言っても聞かないだろうが…そもそも魔剣がこんな無い筈だが…誰も言わないのは、おかしいだろう…)

「カルス様、ボスはゴブリンロードです。 下手するとウィザード等も現れますので、対策も必要と思われます」
護衛がボスの情報を説明している
「出現状態で、先に魔法攻撃が必要かな?  判断が難しそうだな」
イールスが考えながらブツブツ呟いている

ボス部屋に入ると、大きなゴブリンを現れ、腕には大きな大剣を持っている
「グォーーーーーーー」
大きなゴブリンが咆哮をあげると、周囲のの黒い霧が形を変えて、ゴブリンになっていく
「やっぱり…カルス…エンペラーをに遭遇するとは…」
護衛が呟くと、イールスが突進して近付く

「魔力の源よ、爆炎となりて、我が敵を吹き飛ばせ!ファイヤーボール」
イールスが詠唱しながら接近して、炎の玉がゴブリンの方に向かって飛んでいき、ゴブリンエンペラーの脇を通り過ぎてゴブリンの密集している所で大爆発すると、ゴブリンが爆風で吹き飛ばされている
ゴブリンジェネラルがイールス目掛けて突進してくると、イールスは詠唱しながら走り回って、次々と魔法を放っている。ゴブリンも炎の玉を作り、イールス目掛けて放つが、次の瞬間イールスの放った炎の玉がゴブリン達を吹き飛ばしている

やっと雑魚は吹き飛ばせたかな? デカブツを倒すか…

イールスが魔剣を抜き、ジェネラルの腕をかわしながら、飛び退き、闘気をまとっている
「グォーーーーーーー」
エンペラーがジェネラルの後ろまでくると、エンペラーがジェネラルを掴みイールス目掛けて投げ飛ばして、イールスが慌てて横に飛び退くと、ジェネラルは地面にバウンドしながら飛んでいく

エンペラーの剣と腕をかわし続けている

近付いたら、腕が…離れすぎたら、突進…剣の間合いに入れない…機動力を落とさないと…
イールスが考えながら、距離を取る。エンペラーはイールス目掛けて突進して、イールスが闘気をまとい、横にステップしながら剣を振り抜いている。エンペラーの足に当たり、エンペラーが体制を崩し、頭から地面に倒れ込むと、イールスはすぐに剣を持つ腕目掛けて剣を振り下ろし、エンペラーの腕を斬り落とす
「ギャーーーーー」
エンペラーが悲鳴をあげながら立ち上がり、イールス目掛けて突進する。イールスは飛び上がりながら剣を振り抜き、エンペラーの首に当たるが、イールスはエンペラーの勢いに弾き飛ばされ、壁まで吹き飛ばされる

「カルスさん」
リシアとクレオがイールスに近付き、ポーションを飲ませようとしている
「イタタ」
イールスが起き上がろうとする
「一騎討ちなんて無謀すぎます」
リシアが心配そうに言う
「ゴブリンは?」
「カルスさんの一撃で倒せました…次は無茶しないで下さいね」
リシアが心配そうに言うと、イールスが上がらない腕を見て苦笑いする
「腕が折れたのか?」
イールスが苦笑いすると、クレオがポーションをイールスに掛けてから、イールスがポーションを飲んでいる

護衛達とバロンが集まる
「これがドロップアイテムと魔石です」
護衛が笑顔でイールスに見せている
「鉱石? 」
イールスがじっくり見ている
「ミスリルです…この大きさなら剣も作れます」
護衛が笑顔で説明している
「無茶もするのだな」
バロンがイールスを見ている
「半人前の未熟者が先走り申し訳ないです」
イールスがバロンに頭を下げている
「半人前? 超一流の冒険者だ! 自覚して欲しい」
バロンがイールスを睨みながら言うと、全員が頷いている
「半人前の未熟者だから大怪我をしました…心配をかけて申し訳ないです」
「英雄的な戦いだったぞ! ここでゴブリンエンペラーが出現する方がおかしいだろう? ロードの数倍強いのだから…後こんな物も落ちていたぞ」
バロンが腕輪をイールスに差し出す
「ドロップアイテムですか? 前にも有りましたけど…売れますか?」
「は? 相当な価値の物だぞ! 鑑定を出来る者なら価値を見いだせるぞ! 少なく見積もっても金貨数十枚以上の代物だ! 普通の常識を勉強して欲しい」
バロンがあきらかに呆れた目でイールスを見ている。護衛達が笑っている
(もっと言って下さい! 自覚が出来るようにしてください)
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