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第三章
1ー智則
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何かよく分からない状況になっている。
講義の復習を三人が手伝ってくれるのは有り難いんだけど、目立ち過ぎだ。
カフェテラスにいる人達の視線がこっちに集中しているのがわかる
まぁ、α三人に囲まれれば、注目の的か。それも多分かなり上位の三人に。
「智則、ここはね…」「智則、いや、智則、そっちよりも先にここを把握したほうがいいから…」「智則、でも、ここを理解できると後々楽だよ」
…………
家庭教師は一人の方が効が良いんだな。方針が違うから全く進まない。
「だー!うっせーお前ら!黙ってろ!秋葉!」
「はい!」
「これはだな…」
結局、岡田先輩が教えてくれてる。岡田先輩は良い人だ。ただ、俺の事が気に入ってるとかではなく、由希にぃの弟分だから相手をしているっていうのが伝わってくる。
だからか、時折、非難するような目で見てくる事がある。そんな時由希にぃを見ると気落ちしているのが分かる。多分、というか、確実に俺が由希にぃを傷つけて、それを岡田先輩は咎めているのだ。ただ、岡田先輩に俺の言動の何が由希にぃを傷つけたのか尋ねても教えてくれない。自分で気付け、と。煮え切らない唐澤も問題なんだけどな……と。
「秋葉」
「はいっ」
「このあと、晩飯行くぞ。奢れ」
「はいっ」
由希にぃにしろ岡田先輩にしろ時間単価は高いはずだ。篠崎なら、自分の理解を深めるためにもなるから良いけれど、ふたりにはなんの利益もない。だから、教えて貰ったお礼をしようとしたら、いらんと言われてしまったのだ。困ってしまったら、じゃあ、俺が食べたいタイミングで飯を奢れと言われたのだ。言われた割に誘われる事は無く、今回が初だ。2ヶ月いじよもタダで教えてくれたのだ、ちゃんとした所じゃないと…………。
「安心しろ、予約してある」
……そんなに分かり易いかな?
「ああ。顔に出てる」
…………気をつけよう
「そうだな、まだ良いが、いずれは内心を悟られないようにしてくれないと困る」
…………、岡田先輩、読心術でもあるのか?
「あるわけねぇだろ」
「ここまでくるとこわいんですけど」
「まあ、何とかしろ。でないと利用されるぞ。ソレは俺も困るからな」
やっぱり岡田先輩は優しい。厳しいけれど育ててくれようとしてくれてる感がある。有り難い
「…………懐くな。唐澤がウザくなる」
??
時折、岡田先輩の言葉は理解不能だ。
由希にぃが慰めようと頭を撫でてくれた。
「唐澤先輩……」
篠崎が低い声で由希にぃにいう。
この二人は本当に仲が悪い…………。
「智則、俺も行く」
「勿論」
篠崎にはなんだかんだ言って世話になっているのだ。
俺は株をやっていてそれなりに収入がある。4人分のメシ代くらい何ら問題ない。
「席は3人しか予約してない。」
岡田先輩はそう言ったけど、三人いけるなら4人も問題ないんじゃないか。
「じゃあ、唐澤先輩、今回は遠慮して下さい」
いや、流石にそれは…
「先輩は家庭円満に努めた方がいいのでは?なんの為に結婚したんですか?初志貫徹して下さいよ」
「そうだね。けれど、僕に限らずαには渡さないよ。その為の結婚だ。」
…………よく分からないけれど、一個だけ分かっている事がある
ホントにこの二人は仲が悪い。
講義の復習を三人が手伝ってくれるのは有り難いんだけど、目立ち過ぎだ。
カフェテラスにいる人達の視線がこっちに集中しているのがわかる
まぁ、α三人に囲まれれば、注目の的か。それも多分かなり上位の三人に。
「智則、ここはね…」「智則、いや、智則、そっちよりも先にここを把握したほうがいいから…」「智則、でも、ここを理解できると後々楽だよ」
…………
家庭教師は一人の方が効が良いんだな。方針が違うから全く進まない。
「だー!うっせーお前ら!黙ってろ!秋葉!」
「はい!」
「これはだな…」
結局、岡田先輩が教えてくれてる。岡田先輩は良い人だ。ただ、俺の事が気に入ってるとかではなく、由希にぃの弟分だから相手をしているっていうのが伝わってくる。
だからか、時折、非難するような目で見てくる事がある。そんな時由希にぃを見ると気落ちしているのが分かる。多分、というか、確実に俺が由希にぃを傷つけて、それを岡田先輩は咎めているのだ。ただ、岡田先輩に俺の言動の何が由希にぃを傷つけたのか尋ねても教えてくれない。自分で気付け、と。煮え切らない唐澤も問題なんだけどな……と。
「秋葉」
「はいっ」
「このあと、晩飯行くぞ。奢れ」
「はいっ」
由希にぃにしろ岡田先輩にしろ時間単価は高いはずだ。篠崎なら、自分の理解を深めるためにもなるから良いけれど、ふたりにはなんの利益もない。だから、教えて貰ったお礼をしようとしたら、いらんと言われてしまったのだ。困ってしまったら、じゃあ、俺が食べたいタイミングで飯を奢れと言われたのだ。言われた割に誘われる事は無く、今回が初だ。2ヶ月いじよもタダで教えてくれたのだ、ちゃんとした所じゃないと…………。
「安心しろ、予約してある」
……そんなに分かり易いかな?
「ああ。顔に出てる」
…………気をつけよう
「そうだな、まだ良いが、いずれは内心を悟られないようにしてくれないと困る」
…………、岡田先輩、読心術でもあるのか?
「あるわけねぇだろ」
「ここまでくるとこわいんですけど」
「まあ、何とかしろ。でないと利用されるぞ。ソレは俺も困るからな」
やっぱり岡田先輩は優しい。厳しいけれど育ててくれようとしてくれてる感がある。有り難い
「…………懐くな。唐澤がウザくなる」
??
時折、岡田先輩の言葉は理解不能だ。
由希にぃが慰めようと頭を撫でてくれた。
「唐澤先輩……」
篠崎が低い声で由希にぃにいう。
この二人は本当に仲が悪い…………。
「智則、俺も行く」
「勿論」
篠崎にはなんだかんだ言って世話になっているのだ。
俺は株をやっていてそれなりに収入がある。4人分のメシ代くらい何ら問題ない。
「席は3人しか予約してない。」
岡田先輩はそう言ったけど、三人いけるなら4人も問題ないんじゃないか。
「じゃあ、唐澤先輩、今回は遠慮して下さい」
いや、流石にそれは…
「先輩は家庭円満に努めた方がいいのでは?なんの為に結婚したんですか?初志貫徹して下さいよ」
「そうだね。けれど、僕に限らずαには渡さないよ。その為の結婚だ。」
…………よく分からないけれど、一個だけ分かっている事がある
ホントにこの二人は仲が悪い。
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