FLASH BEAT!!

ステージの照明フェードで点く。
SS(サイドスポット)の点灯と共に歓声の波がステージ裏まで響いてきて―。
毎度毎度のことだけどたくさんの人が俺を求めてくれてるって感じる。サイコーのパフォーマンスをしたい。見せたい。楽しんでもらいたい。
でも・・・今はそれは叶わない。
つか出来ない。


「・・・大丈夫?」
「・・・・・・だめ」
「あはは・・・」

俺の横に来て背中に手を添え、心配そうに俺の顔を覗き込む。

「・・・終わったら覚えてろよ」
「僕としては構わないんだけど・・・遥、また疲れちゃって可愛くなるでしょ?」
「可愛くねーし」
「そんな拗ねた顔も可愛い」
「なっ、、」

そう言って軽く髪にキスされた。

「いるかさーん、そろそろハルを離してやってー?そんな顔でステージ出たらヒヨコちゃんたち倒れちゃうよー」
「それにそろそろ時間。そんな顔で出られたらボクの可愛さが劣って見えるからヤダ」
「はは。ごめんね」

『quartetteの皆さん、準備お願いしまーす』

「行ってらっしゃい」
「っ・・・」

オレはこの人に凄く弱い。
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