【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

126.貴族の誇り(3)

部屋に戻もどると、俺の寝室しんしつでシアユンさんとツイファさんが、シャオリンから話を聞いていた。

そして、シャオリンの話には信憑性しんぴょうせいがあると判断はんだんしたシアユンさんと、部屋を出た。

白黒しろくろつくまで、シャオリンのことはツイファさんに見ていてもらう。

泣なきながら祖父そふの罪つみを告発こくはつするシャオリン。穏おだやかにその話を聞き出すシアユンさんとツイファさん。

その３人が全員、なぜビキニ姿であったのか……、聞くのはやめておいた。

シアユンさん。部屋を出るときにドレス着るの面倒めんどうじゃないですか……？

「あの時、賊ぞくの仲間を２人拘束こうそくし、地下牢ちかろうに繋つないでいます。尋問じんもんの許可を司空しくうのミンリン様から得ましょう」

と言ったシアユンさんと、司空府しくうふに向かった。

土木好き黒髪インテリ巨乳陰キャ女子というイメージなミンリンさんだけど、治安ちあんは司空しくうの所掌しょしょうで、地下牢を管理する衛士団えいしだんは配下はいかになる。

執務室しつむしつに入ると、ミンリンさんがおもむろに上着を脱ぬぎ始めた。

見ると、シアユンさんもドレス脱いでる。

――な、なんか違うじゃないですかね？

と、思ったけど、２人とも頬ほおは赤らんでるけど真面目まじめな顔してるし、言ったら負けな気もする。

事情をかいつまんで説明したら、ミンリンさんは明らかに困惑こんわくした表情を浮かべた。

治安分野ちあんぶんやは苦手ってハッキリ言ってたしなぁ。ミンリンさんをサポートしてたっていう衛士長えいしちょうさんも亡なくなってるし。

「ミンリン様」

と、シアユンさんが言った。

「差さし出でがましいことを申し上げますが、私をミンリン様の代理だいりにご任命にんめいください。そうすれば、私が衛士たちを率ひきいて尋問を行うことが出来ます」

「それは、助かりますが……。よろしいのですか……？」

「はい。お任せください」

おおっ。シアユンさんカッケー！

しかし、ビキニ。黒のパレオなビキニ。

ミンリンさんは丈たけの短いキャミソールドレスで、豊かな谷間も露あらわわ。目のやり場に困こまります。

両脇りょうわきはスリットというか、上から下まで切れてますね。紐ひもで結むすばれてます。……し、下着は？

まんまとドギマギしています。今、なにしに来てたのか忘れる勢いです。

あっ！ と、思い出したので、ミンリンさんに荷車にぐるまの改造かいぞうと、城門じょうもんの強化きょうか改造かいぞうをお願いしておいた。

にしても……。

かぁー！ 見るわ。見ちゃいますよ。チラ見しちゃいますよ。そんな格好かっこうでいられると尚更なおさらっス。

ミンリンさんに委任状いにんじょうを書いてもらい、シアユンさんはドレスを着て、尋問じんもんに向かう。

宮城きゅうじょう内を移動しながら「ぬ、脱いだり着たりするの面倒めんどうじゃありません？」と、聞くと、ポッと頬ほほを赤らめた。

「み、皆みなで決めたことですから……」

と、その紅あかい瞳ひとみを俺に向けた。真まっ直すぐな瞳だった。

「今日のはどうでした？ ドキッとされました？ ビクッとなりました？」

そんな直球ちょっきゅうで。

「ド……、ドキッと……、しました」

「そうですか。良かった……」

と言ってから、またポンっと顔を赤くした。

ほんと、微妙びみょうなとこで可愛かわいいのやめてほしい。

地下牢に着く頃には、いつもの氷の微笑びしょうに戻もどってたシアユンさんが、衛士にテキパキ指示を出しながら尋問を進めた。

賊ぞくの仲間たちに、王都の異変いへんを伝えると、今さら庇かばう必要もないと思ったのか、あっさりと白状はくじょうした。

司徒しとのウンランさん、そして、その配下で財政ざいせいを担当してたズハンさんが、クロだった。

ただちに衛士達を率いたシアユンさんが司徒府しとふに向かい、２人を密ひそかに拘束こうそくし、地下牢に繋つないだ。

見事みごとな手際てぎわだった。

最高幹部【三郷さんきょう一亭いってい】の一人である司徒しとを拘束こうそくするとなると大事おおごとになる。

それを、他に悟さとらせず密ひそかにやってのけた手腕しゅわんは見事と言うほかない。

さっきまでパレオなビキニ着て顔を赤くしてた人とは思えない、威厳いげんを放はなって見えた――。