19 / 21
第19話 念願のご対面
~アメリア視点~
「わぁ~、すごい!」
王城を訪れるのは初めてだった。やはり、レベルが違うわ。漂う風格も格式も。そして、ここに愛しいあのお方、レオルド様がいらっしゃるのね。あたしはもう、馬車に揺られている最中からずっと、ドキドキが止まらなかった。あたしがここまで緊張するなんて、本当に珍しいことなのだ。
「ねえねえ、お姉さま。レオルド様と話したことあるの?」
「え、ええ、まあ少しだけ」
「ふぅ~ん?」
まあ、お姉さまは奥手な性格だから、せっかくレオルド様と会うチャンスがあっても、世間話くらいで終わってしまうだろう。その点、積極的なあたしはガンガンアピールして、何ならそのまま子作りへと持って行って……って、それはちょっとはしたないわね。さすがに自重しましょう。これからお会いするのは、今までの男たちとは一線を画すレベルのお方なのだから。
「ようこそ、いらっしゃいました、ユリナ様。殿下は中庭にてお待ちです」
「はい、ありがとうございます」
家臣の人に案内されて、あたしはとうとう……
「――やあ、よく来たね」
ぶわっと、花吹雪が舞うようだった。そのルックス、声、出で立ち、微笑み。全てが完璧な王子様がそこにいらっしゃった。
「あ、レオルド様、こんにち……」
「レオルド様! お会い出来て光栄ですわ!」
あたしはお姉さまを差し置いて、彼にごあいさつをした。
「えっと……君は?」
「あ、申し遅れました。あたし、アメリアと申します。こちらの聖女であるユリナお姉さまの妹でございます」
あたしはニコニコとしながらそう言った。しかし……
「……ああ、君がそうなのか」
なぜか、レオルド様は微妙な顔をされた。えっ? どういうこと?
「やあ、ユリナ。こんにちは」
「こ、こんにちは」
打って変わって、レオルド様はお姉さまに飛び切りの笑顔を浮かべる。お姉さまは、生娘みたいに顔をうつむけたまま。ちょっと、面白くないんだけど。
「さあ、どうぞ座って。せっかくだから、妹さんもどうぞ」
「アメリアです、失礼します」
あたしは笑顔がひび割れそうになるのを堪えながら、席に座った。
「それにしても驚いたな」
「え、何がですか?」
「いや、君たち姉妹は絶縁したと聞いていたから、まさかこんな風に姉妹そろって会いに来るなんてね」
あたしは冷や汗が垂れそうになった。チラリ、とお姉さまに目を向ける。お姉さまは、ちょっと申し訳なさそうな顔をした。
「ユリナが責められる道理はないだろう? 君たち家族が、彼女を追放したのだから」
サーッ、と今度は明確に血の気が引いて行く。
「そ、それは……お、お父さまとお母さまがいけないんです。あたしは、お姉さまと別れることがさみしくって……」
「まあ、それはもう過ぎたことだから、どうでも良い。彼に過去の罪人だったとしても、今しっかりと反省して真っ当な人間になっていれば問題ないからさ……君はどうだろうね?」
レオルド様は初めて、あたしに微笑みを向けてくれる。
それなのに、冷や汗が止まらないのはなぜだろうか?
「わぁ~、すごい!」
王城を訪れるのは初めてだった。やはり、レベルが違うわ。漂う風格も格式も。そして、ここに愛しいあのお方、レオルド様がいらっしゃるのね。あたしはもう、馬車に揺られている最中からずっと、ドキドキが止まらなかった。あたしがここまで緊張するなんて、本当に珍しいことなのだ。
「ねえねえ、お姉さま。レオルド様と話したことあるの?」
「え、ええ、まあ少しだけ」
「ふぅ~ん?」
まあ、お姉さまは奥手な性格だから、せっかくレオルド様と会うチャンスがあっても、世間話くらいで終わってしまうだろう。その点、積極的なあたしはガンガンアピールして、何ならそのまま子作りへと持って行って……って、それはちょっとはしたないわね。さすがに自重しましょう。これからお会いするのは、今までの男たちとは一線を画すレベルのお方なのだから。
「ようこそ、いらっしゃいました、ユリナ様。殿下は中庭にてお待ちです」
「はい、ありがとうございます」
家臣の人に案内されて、あたしはとうとう……
「――やあ、よく来たね」
ぶわっと、花吹雪が舞うようだった。そのルックス、声、出で立ち、微笑み。全てが完璧な王子様がそこにいらっしゃった。
「あ、レオルド様、こんにち……」
「レオルド様! お会い出来て光栄ですわ!」
あたしはお姉さまを差し置いて、彼にごあいさつをした。
「えっと……君は?」
「あ、申し遅れました。あたし、アメリアと申します。こちらの聖女であるユリナお姉さまの妹でございます」
あたしはニコニコとしながらそう言った。しかし……
「……ああ、君がそうなのか」
なぜか、レオルド様は微妙な顔をされた。えっ? どういうこと?
「やあ、ユリナ。こんにちは」
「こ、こんにちは」
打って変わって、レオルド様はお姉さまに飛び切りの笑顔を浮かべる。お姉さまは、生娘みたいに顔をうつむけたまま。ちょっと、面白くないんだけど。
「さあ、どうぞ座って。せっかくだから、妹さんもどうぞ」
「アメリアです、失礼します」
あたしは笑顔がひび割れそうになるのを堪えながら、席に座った。
「それにしても驚いたな」
「え、何がですか?」
「いや、君たち姉妹は絶縁したと聞いていたから、まさかこんな風に姉妹そろって会いに来るなんてね」
あたしは冷や汗が垂れそうになった。チラリ、とお姉さまに目を向ける。お姉さまは、ちょっと申し訳なさそうな顔をした。
「ユリナが責められる道理はないだろう? 君たち家族が、彼女を追放したのだから」
サーッ、と今度は明確に血の気が引いて行く。
「そ、それは……お、お父さまとお母さまがいけないんです。あたしは、お姉さまと別れることがさみしくって……」
「まあ、それはもう過ぎたことだから、どうでも良い。彼に過去の罪人だったとしても、今しっかりと反省して真っ当な人間になっていれば問題ないからさ……君はどうだろうね?」
レオルド様は初めて、あたしに微笑みを向けてくれる。
それなのに、冷や汗が止まらないのはなぜだろうか?
あなたにおすすめの小説
傷物の大聖女は盲目の皇子に見染められ祖国を捨てる~失ったことで滅びに瀕する祖国。今更求められても遅すぎです~
たらふくごん
恋愛
聖女の力に目覚めたフィアリーナ。
彼女には人に言えない過去があった。
淑女としてのデビューを祝うデビュタントの日、そこはまさに断罪の場へと様相を変えてしまう。
実父がいきなり暴露するフィアリーナの過去。
彼女いきなり不幸のどん底へと落とされる。
やがて絶望し命を自ら断つ彼女。
しかし運命の出会いにより彼女は命を取り留めた。
そして出会う盲目の皇子アレリッド。
心を通わせ二人は恋に落ちていく。
辺境伯聖女は城から追い出される~もう王子もこの国もどうでもいいわ~
サイコちゃん
恋愛
聖女エイリスは結界しか張れないため、辺境伯として国境沿いの城に住んでいた。しかし突如王子がやってきて、ある少女と勝負をしろという。その少女はエイリスとは違い、聖女の資質全てを備えていた。もし負けたら聖女の立場と爵位を剥奪すると言うが……あることが切欠で全力を発揮できるようになっていたエイリスはわざと負けることする。そして国は真の聖女を失う――
捨てられた私が聖女だったようですね 今さら婚約を申し込まれても、お断りです
木嶋隆太
恋愛
聖女の力を持つ人間は、その凄まじい魔法の力で国の繁栄の手助けを行う。その聖女には、聖女候補の中から一人だけが選ばれる。私もそんな聖女候補だったが、唯一のスラム出身だったため、婚約関係にあった王子にもたいそう嫌われていた。他の聖女候補にいじめられながらも、必死に生き抜いた。そして、聖女の儀式の日。王子がもっとも愛していた女、王子目線で最有力候補だったジャネットは聖女じゃなかった。そして、聖女になったのは私だった。聖女の力を手に入れた私はこれまでの聖女同様国のために……働くわけがないでしょう! 今さら、優しくしたって無駄。私はこの聖女の力で、自由に生きるんだから!
妹の方がかわいいからと婚約破棄されましたが、あとで後悔しても知りませんよ?
志鷹 志紀
恋愛
「すまない、キミのことを愛することができなくなった」
第二王子は私を謁見の間に連れてきて、そう告げた。
「つまり、婚約破棄ということですね。一応、理由を聞いてもよろしいですか?」
「キミの妹こそが、僕の運命の相手だったんだよ」
「そうですわ、お姉様」
王子は私の妹を抱き、嫌な笑みを浮かべている。
「ええ、私は構いませんけれど……あとで後悔しても知りませんよ?」
私だけが知っている妹の秘密。
それを知らずに、妹に恋をするなんて……愚かな人ですね。
実は私が国を守っていたと知ってましたか? 知らない? それなら終わりです
サイコちゃん
恋愛
ノアは平民のため、地位の高い聖女候補達にいじめられていた。しかしノアは自分自身が聖女であることをすでに知っており、この国の運命は彼女の手に握られていた。ある時、ノアは聖女候補達が王子と関係を持っている場面を見てしまい、悲惨な暴行を受けそうになる。しかもその場にいた王子は見て見ぬ振りをした。その瞬間、ノアは国を捨てる決断をする――
偽聖女の汚名を着せられ婚約破棄された元聖女ですが、『結界魔法』がことのほか便利なので魔獣の森でもふもふスローライフ始めます!
南田 此仁@書籍発売中
恋愛
「システィーナ、今この場をもっておまえとの婚約を破棄する!」
パーティー会場で高らかに上がった声は、数瞬前まで婚約者だった王太子のもの。
王太子は続けて言う。
システィーナの妹こそが本物の聖女であり、システィーナは聖女を騙った罪人であると。
突然婚約者と聖女の肩書きを失ったシスティーナは、国外追放を言い渡されて故郷をも失うこととなった。
馬車も従者もなく、ただ一人自分を信じてついてきてくれた護衛騎士のダーナンとともに馬に乗って城を出る。
目指すは西の隣国。
八日間の旅を経て、国境の門を出た。しかし国外に出てもなお、見届け人たちは後をついてくる。
魔獣の森を迂回しようと進路を変えた瞬間。ついに彼らは剣を手に、こちらへと向かってきた。
「まずいな、このままじゃ追いつかれる……!」
多勢に無勢。
窮地のシスティーナは叫ぶ。
「魔獣の森に入って! 私の考えが正しければ、たぶん大丈夫だから!」
■この三連休で完結します。14000文字程度の短編です。
虐げられた聖女が魔力を引き揚げて隣国へ渡った結果、祖国が完全に詰んだ件について~冷徹皇帝陛下は私を甘やかすのに忙しいそうです~
日々埋没。
恋愛
「お前は無能な欠陥品」と婚約破棄された聖女エルゼ。
彼女が国中の魔力を手繰り寄せて出国した瞬間、祖国の繁栄は終わった。
一方、隣国の皇帝に保護されたエルゼは、至れり尽くせりの溺愛生活の中で真の力を開花させていく。
婚約破棄された令嬢は、“神の寵愛”で皇帝に溺愛される 〜私を笑った全員、ひざまずけ〜
夜桜
恋愛
「お前のような女と結婚するくらいなら、平民の娘を選ぶ!」
婚約者である第一王子・レオンに公衆の面前で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢セレナ。
彼女は涙を見せず、静かに笑った。
──なぜなら、彼女の中には“神の声”が響いていたから。
「そなたに、我が祝福を授けよう」
神より授かった“聖なる加護”によって、セレナは瞬く間に癒しと浄化の力を得る。
だがその力を恐れた王国は、彼女を「魔女」と呼び追放した。
──そして半年後。
隣国の皇帝・ユリウスが病に倒れ、どんな祈りも届かぬ中、
ただ一人セレナの手だけが彼の命を繋ぎ止めた。
「……この命、お前に捧げよう」
「私を嘲った者たちが、どうなるか見ていなさい」
かつて彼女を追放した王国が、今や彼女に跪く。
──これは、“神に選ばれた令嬢”の華麗なるざまぁと、
“氷の皇帝”の甘すぎる寵愛の物語。