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81話 ダイエット
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入学式から数日後、精霊学の授業に出席するとユフィ様が居たので驚いた。
「ユフィ様、精霊学を受講されたんですか」
「えぇ、ヴィンス先生に声をかけて頂いたので」
ユフィ様がそう言うと、ヴィンス先生が教室に入ってきて「2人共居ますね、では移動しましょうか」と言ったので、私は「ユフィ様も一緒でいいんですか?」と聞くと「構いませんよ、アルヴィンが連れてこいとうるさいので、わざわざ勧誘までしたんですから」と教えてくれた。
そうして3人で精霊の泉へ転移すると、ユフィ様は最初こそ驚いていたが、アルヴィン様が視界に入ると即座に王女モードに入った。
しかしアルヴィン様が初っ端から「お前がアルベールと結婚したいと言ってるユーフェミア王女か」と面白そうな笑みを浮かべて言ったので、ユフィ様も外面仕様はやめて「そうですわ、何か手伝って下さるの?」と返事をした。
すると、アルヴィン様は「あぁ、手伝ってやるぞ」と言い、私達に座るように言った。
私は席に着くまでの間に、ユフィ様にアルヴィン様が王弟で、フェアリード大公爵で、精霊の寵愛者だと教えておいた。
「アルヴィン様ってご健在でしたのね」
「見ての通りだ」
「それで何を手伝って下さるんですか?」
「アルベールを落とす為に痩せたいんだろ?それを手伝ってやるよ」
アルヴィン様のその発言に、私が「アルヴィン様が手伝うととんでもない事になりそうですね」というと「夏休み明けには痩せてると思うぞ」と本当にとんでもない事を言い出した。
「ただ俺のは余分な栄養を無くすだけだから、それ以外のフォローは自分でする事になるがどうする?」
「お願いします!」
「ユフィ様即決ですか!?」
「もちろん、チャンスを掴まなくてどうするんですか」
「せめて方法くらいは聞きましょうよ」
私がそう言うと「この腕輪をはめるだけだぞ」とアルヴィン様が細い金色の腕輪を見せてくれた。
腕輪をはめるだけでいいだなんて、これアルヴィン様でなければ詐欺を疑うレベルである。
しかしユフィ様はその腕輪を受け取ると躊躇う事無く手を通した。
「あ、これ魔力を使うんですね」
「そうだ、魔力を吸い続ける代わりに身体をベストな状態にしてくれる効果がある」
「凄いですね、世の女性が欲しがりそうですわ」
「ユーフェミアは王族で魔力が多いから構わんが、普通の令嬢が使ったら倒れるぞ」
「では私だから出来る方法という訳ですか」
「そういう事だ」
私はそのでたらめな性能に「ヴィンス先生、もしかしてこれも古代魔法ですか?」と聞くと「正解です」と言って説明してくれた。
「マリアンヌさんの言う通り、そちらの腕輪は古代魔法を使用してます、ちなみに当時の使い方としては前線に出ている兵に装備させて、飲まず食わず、更に寝る事もなく戦わせる為に使ってたんですが、平和な今ではただのダイエット魔道具になるとは思いませんでした」
「そうそう、寝なくてもよくなるから夜は外せよ、あと食事もちゃんととる事、そうじゃないと後で反動が来るからな」
「分かりましたわ、ですがアルヴィン様、どうして初めて会う私にここまでして下さるんですか?」
「俺は自分の望む未来を自らつかみ取りに行くタイプの女が好きなんだよ」
「私はアル様一筋ですわよ」
「知ってる、そういう意味じゃねーよ」
こうしてユフィ様は体重に関しては腕輪に頼り、体型や美容面を私やリリやクリスと休日の寮で頑張るようになった。
それと、ユフィ様はアルベール殿下と遭遇する度告白しているらしく、5月になる頃には隣国の王女がアルベール殿下を狙っていると学園内で噂になっていた。
そんなアルベール殿下の反応はというと、相変わらず眉間にしわを寄せて断り続けているらしいのだが、断ったその日はユフィ様があっさり引くからなのか、怒ったり暴言を吐いたりなどはしてないらしい。
あと、リリの婚約者のディーンとリリの異母妹のジュリアは、何もしなくても勝手に仲良くなっていたらしいので、こちらは予定通りである。
そんな感じで2年生ではあっという間に夏休みに入った。
「ユフィ様、精霊学を受講されたんですか」
「えぇ、ヴィンス先生に声をかけて頂いたので」
ユフィ様がそう言うと、ヴィンス先生が教室に入ってきて「2人共居ますね、では移動しましょうか」と言ったので、私は「ユフィ様も一緒でいいんですか?」と聞くと「構いませんよ、アルヴィンが連れてこいとうるさいので、わざわざ勧誘までしたんですから」と教えてくれた。
そうして3人で精霊の泉へ転移すると、ユフィ様は最初こそ驚いていたが、アルヴィン様が視界に入ると即座に王女モードに入った。
しかしアルヴィン様が初っ端から「お前がアルベールと結婚したいと言ってるユーフェミア王女か」と面白そうな笑みを浮かべて言ったので、ユフィ様も外面仕様はやめて「そうですわ、何か手伝って下さるの?」と返事をした。
すると、アルヴィン様は「あぁ、手伝ってやるぞ」と言い、私達に座るように言った。
私は席に着くまでの間に、ユフィ様にアルヴィン様が王弟で、フェアリード大公爵で、精霊の寵愛者だと教えておいた。
「アルヴィン様ってご健在でしたのね」
「見ての通りだ」
「それで何を手伝って下さるんですか?」
「アルベールを落とす為に痩せたいんだろ?それを手伝ってやるよ」
アルヴィン様のその発言に、私が「アルヴィン様が手伝うととんでもない事になりそうですね」というと「夏休み明けには痩せてると思うぞ」と本当にとんでもない事を言い出した。
「ただ俺のは余分な栄養を無くすだけだから、それ以外のフォローは自分でする事になるがどうする?」
「お願いします!」
「ユフィ様即決ですか!?」
「もちろん、チャンスを掴まなくてどうするんですか」
「せめて方法くらいは聞きましょうよ」
私がそう言うと「この腕輪をはめるだけだぞ」とアルヴィン様が細い金色の腕輪を見せてくれた。
腕輪をはめるだけでいいだなんて、これアルヴィン様でなければ詐欺を疑うレベルである。
しかしユフィ様はその腕輪を受け取ると躊躇う事無く手を通した。
「あ、これ魔力を使うんですね」
「そうだ、魔力を吸い続ける代わりに身体をベストな状態にしてくれる効果がある」
「凄いですね、世の女性が欲しがりそうですわ」
「ユーフェミアは王族で魔力が多いから構わんが、普通の令嬢が使ったら倒れるぞ」
「では私だから出来る方法という訳ですか」
「そういう事だ」
私はそのでたらめな性能に「ヴィンス先生、もしかしてこれも古代魔法ですか?」と聞くと「正解です」と言って説明してくれた。
「マリアンヌさんの言う通り、そちらの腕輪は古代魔法を使用してます、ちなみに当時の使い方としては前線に出ている兵に装備させて、飲まず食わず、更に寝る事もなく戦わせる為に使ってたんですが、平和な今ではただのダイエット魔道具になるとは思いませんでした」
「そうそう、寝なくてもよくなるから夜は外せよ、あと食事もちゃんととる事、そうじゃないと後で反動が来るからな」
「分かりましたわ、ですがアルヴィン様、どうして初めて会う私にここまでして下さるんですか?」
「俺は自分の望む未来を自らつかみ取りに行くタイプの女が好きなんだよ」
「私はアル様一筋ですわよ」
「知ってる、そういう意味じゃねーよ」
こうしてユフィ様は体重に関しては腕輪に頼り、体型や美容面を私やリリやクリスと休日の寮で頑張るようになった。
それと、ユフィ様はアルベール殿下と遭遇する度告白しているらしく、5月になる頃には隣国の王女がアルベール殿下を狙っていると学園内で噂になっていた。
そんなアルベール殿下の反応はというと、相変わらず眉間にしわを寄せて断り続けているらしいのだが、断ったその日はユフィ様があっさり引くからなのか、怒ったり暴言を吐いたりなどはしてないらしい。
あと、リリの婚約者のディーンとリリの異母妹のジュリアは、何もしなくても勝手に仲良くなっていたらしいので、こちらは予定通りである。
そんな感じで2年生ではあっという間に夏休みに入った。
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