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旅行編
61. ピクニック
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本日二度目の転移。
着いたのは、湖のほとりだった。水面がキラキラと光を反射していて綺麗だ。そして周辺には、緑豊かな丘陵が広がっている。サアッと吹く風が草を揺らし、緑の絨毯に模様を描く。とても美しい風景だ。そして遠くの方には、山々が見える。
さっきまで枯れた大地にいたせいか、この自然の豊かさに心が潤うような気がする。
「わーい!ぼくの大好きな場所だー!」
ファムがライの腕からぽーんと飛び出し、湖のほとりで跳ねる。ここは、ファムのお気に入りの場所だったのか。
「ふふ、実はこの湖はね、テムとファムが作ったんだよ」
···え?なんですと?
「そうだぜ!『水遊びがしたーい!』ってファムが言うからよ、オレがここを凹ませて、ファムが水をドバーンって入れたんだぜ!」
二人の遊びは規格外だと分かっていたつもりだったが、どうやら認識が甘かったようだ。
「あはは!楽しかったよねー!」
ファムが無邪気に笑っている。だが、ここが誰の土地なのかは知らないが、勝手に湖を作っちゃっていいのだろうか。
「ここも一応ソルツァンテなんだけどね、この辺り一帯はリーナさんの私有地なんだ」
そうなのか!
リーナさんがこんなに広大な土地を持っていることに驚き、お邪魔してます、と心の中で呟く。
「リーナにね、湖を作ったよって言ったら驚いてたけど、景色が綺麗になったって喜んでくれたんだよー!」
リーナさん、懐が深い···!
というか、ファムはそうなると分かってやったのかもしれない。
「ふふ、そろそろお昼だからね。ここは綺麗な場所だし、ピクニックにはもってこいだと思ったんだ」
ライ、ナイスアイディア!
こんなに綺麗な場所でお昼ごはんを食べられるなんて!ごはんがより一層美味しく感じられそうだ。
ジルがサッと布のような物を地面に敷くと、みんなサッとそこに座る。行動が早いけど、もしかして···と思っていると、ジルがマジックバッグから次々と料理を取り出して並べ始めた。みんな目を輝かせてそれを見ている。もう、みんな食いしん坊だな、と思いながら、僕も料理から目が離せない。
「時間はほとんど経っていないはずだから、大丈夫だろう」
ジルが言うように、出された料理はまるで出来立てのようだ。温かい湯気が立ち上り、香ばしい香りが鼻腔をくすぐる。
ピクニックでジルの出来立て料理を味わえるなんて···!この上ない贅沢に、テンションが上がる。
「わあ、すごいね」
「わーい!美味しそー!」
「だな!どれから食おうか迷うぜ!」
テムの言う通り、どれも美味しそうで迷ってしまう。
「まだあるから、どんどん食べてくれ」
ジルの言葉に、みんな歓声を上げて食べ始める。
「んー!美味しいよー!」
「もぐっもぐっ」
「ふふ、ジル、張り切ったね」
テムとファムの食べっぷりを微笑ましく見ていると、ライがそう言った。
「···ピクニックだからな」
そうジルが答える。···微笑ましい。
どうやらこのピクニックは、あらかじめ予定に組み込んであったようだ。ジルがこのためにせっせと料理を作ってくれたのかと思うと、どうしようもなく嬉しい。
緩む頬を抑えつつ、目の前にある一口サイズの丸い揚げ物をつまむ。あむっと食べると、衣がサクサクで、中はトロッとしていた。これは、クリームコロッケだ!うんうん、このサクトロ食感のコントラストは最高だよね。
もう一個、と食べると、今度はサクサク、ホカホカだ。これはポテトコロッケだ!違う種類のコロッケを作ってくれるなんて!手間をかけてくれたジルに感謝する。どちらも、すごく美味しい。
まだまだ食感を楽しみたいけど、他のも気になる。今度はあれだ。派手さはないが、あると食べたくなる定番おかず。
「これか?」
食べたいものをロックオンしていると、ジルが気づいてくれた。そう、卵焼きだ。
コクコクと頷いてぱくりと食いつく。ああ~、美味しい!ほんのり甘くて優しい味わいだ。こういうの、家庭の味っていうのかな?なんだかほっとするような、そんな料理だ。
他にも、色とりどりのサラダや、ミートボール、サンドイッチ、炊き込みご飯のおにぎり、ミニサイズのグラタンなどなど、たくさんの料理があった。こんなにたくさん作ってくれたジルに感謝だ。
いっぱい食べて、お腹がぽっこりだ。ま、まあ、いつも割とぽっこりしてるけど。将来は凹んで六つに割れる予定だから、問題はないのだ。ないったら、ないのだ。
みんなもたらふく食べて満足そうだ。
「ジル、たくさんのご馳走をありがとうね」
「美味しかったー!ジル、ありがとー!」
「すげー食ったぜ!店のもいいけどよ、やっぱジルの料理が美味いよなー!」
うんうん、その通りだね、テム。
僕が頷いていると、ジルが「そうか」と言って頭を撫でてくれた。
ぽかぽか陽気で、優しく吹く風が気持ち良くて、お腹いっぱいで、だんだんと眠くなる。
「あとは飛んで移動するだけだ。眠いときは寝ておけ」
ただでさえ眠いのに、僕を寝かせるようにジルが優しく頭を撫でるから、もう抗えない。僕はすうっと眠りに落ちていった。
着いたのは、湖のほとりだった。水面がキラキラと光を反射していて綺麗だ。そして周辺には、緑豊かな丘陵が広がっている。サアッと吹く風が草を揺らし、緑の絨毯に模様を描く。とても美しい風景だ。そして遠くの方には、山々が見える。
さっきまで枯れた大地にいたせいか、この自然の豊かさに心が潤うような気がする。
「わーい!ぼくの大好きな場所だー!」
ファムがライの腕からぽーんと飛び出し、湖のほとりで跳ねる。ここは、ファムのお気に入りの場所だったのか。
「ふふ、実はこの湖はね、テムとファムが作ったんだよ」
···え?なんですと?
「そうだぜ!『水遊びがしたーい!』ってファムが言うからよ、オレがここを凹ませて、ファムが水をドバーンって入れたんだぜ!」
二人の遊びは規格外だと分かっていたつもりだったが、どうやら認識が甘かったようだ。
「あはは!楽しかったよねー!」
ファムが無邪気に笑っている。だが、ここが誰の土地なのかは知らないが、勝手に湖を作っちゃっていいのだろうか。
「ここも一応ソルツァンテなんだけどね、この辺り一帯はリーナさんの私有地なんだ」
そうなのか!
リーナさんがこんなに広大な土地を持っていることに驚き、お邪魔してます、と心の中で呟く。
「リーナにね、湖を作ったよって言ったら驚いてたけど、景色が綺麗になったって喜んでくれたんだよー!」
リーナさん、懐が深い···!
というか、ファムはそうなると分かってやったのかもしれない。
「ふふ、そろそろお昼だからね。ここは綺麗な場所だし、ピクニックにはもってこいだと思ったんだ」
ライ、ナイスアイディア!
こんなに綺麗な場所でお昼ごはんを食べられるなんて!ごはんがより一層美味しく感じられそうだ。
ジルがサッと布のような物を地面に敷くと、みんなサッとそこに座る。行動が早いけど、もしかして···と思っていると、ジルがマジックバッグから次々と料理を取り出して並べ始めた。みんな目を輝かせてそれを見ている。もう、みんな食いしん坊だな、と思いながら、僕も料理から目が離せない。
「時間はほとんど経っていないはずだから、大丈夫だろう」
ジルが言うように、出された料理はまるで出来立てのようだ。温かい湯気が立ち上り、香ばしい香りが鼻腔をくすぐる。
ピクニックでジルの出来立て料理を味わえるなんて···!この上ない贅沢に、テンションが上がる。
「わあ、すごいね」
「わーい!美味しそー!」
「だな!どれから食おうか迷うぜ!」
テムの言う通り、どれも美味しそうで迷ってしまう。
「まだあるから、どんどん食べてくれ」
ジルの言葉に、みんな歓声を上げて食べ始める。
「んー!美味しいよー!」
「もぐっもぐっ」
「ふふ、ジル、張り切ったね」
テムとファムの食べっぷりを微笑ましく見ていると、ライがそう言った。
「···ピクニックだからな」
そうジルが答える。···微笑ましい。
どうやらこのピクニックは、あらかじめ予定に組み込んであったようだ。ジルがこのためにせっせと料理を作ってくれたのかと思うと、どうしようもなく嬉しい。
緩む頬を抑えつつ、目の前にある一口サイズの丸い揚げ物をつまむ。あむっと食べると、衣がサクサクで、中はトロッとしていた。これは、クリームコロッケだ!うんうん、このサクトロ食感のコントラストは最高だよね。
もう一個、と食べると、今度はサクサク、ホカホカだ。これはポテトコロッケだ!違う種類のコロッケを作ってくれるなんて!手間をかけてくれたジルに感謝する。どちらも、すごく美味しい。
まだまだ食感を楽しみたいけど、他のも気になる。今度はあれだ。派手さはないが、あると食べたくなる定番おかず。
「これか?」
食べたいものをロックオンしていると、ジルが気づいてくれた。そう、卵焼きだ。
コクコクと頷いてぱくりと食いつく。ああ~、美味しい!ほんのり甘くて優しい味わいだ。こういうの、家庭の味っていうのかな?なんだかほっとするような、そんな料理だ。
他にも、色とりどりのサラダや、ミートボール、サンドイッチ、炊き込みご飯のおにぎり、ミニサイズのグラタンなどなど、たくさんの料理があった。こんなにたくさん作ってくれたジルに感謝だ。
いっぱい食べて、お腹がぽっこりだ。ま、まあ、いつも割とぽっこりしてるけど。将来は凹んで六つに割れる予定だから、問題はないのだ。ないったら、ないのだ。
みんなもたらふく食べて満足そうだ。
「ジル、たくさんのご馳走をありがとうね」
「美味しかったー!ジル、ありがとー!」
「すげー食ったぜ!店のもいいけどよ、やっぱジルの料理が美味いよなー!」
うんうん、その通りだね、テム。
僕が頷いていると、ジルが「そうか」と言って頭を撫でてくれた。
ぽかぽか陽気で、優しく吹く風が気持ち良くて、お腹いっぱいで、だんだんと眠くなる。
「あとは飛んで移動するだけだ。眠いときは寝ておけ」
ただでさえ眠いのに、僕を寝かせるようにジルが優しく頭を撫でるから、もう抗えない。僕はすうっと眠りに落ちていった。
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