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旅行編
68. 再会の約束
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お祭りが終わった翌日。
増えた屋台が撤去され、昨日までの賑やかさが記憶に新しい今は少し寂しさを感じる。···来年が楽しみだ。
僕達はフランクさんのお店でお米を買った。フランクさんのお店ではおにぎりだけでなくお米も売っていると聞いたからだ。
もちろん、おにぎりもたくさん買った。···だって美味しそうだったんだ。仕方ないのだ。
「ほっほっ。たくさん買ってもらえてありがたいの。今年も美味しいお米を育てるからの、また是非来ておくれ」
「ああ、また来る」
「ふふ、ありがとう。それじゃあまたね、フランク君」
にこやかに挨拶するライの笑顔に、もう悲壮感はない。
「ほっほっ。またお会いできるのを楽しみにしておりますじゃ」
「ふふ、私もだよ」
みんなで手を振ってお別れをする。また来るって約束だから、寂しいけど寂しくない。きっと一年なんてあっという間だ。
「それじゃあ、リーナさんに会いに行こうか」
リーナさんはどこにいるのだろうかと思っていると、街の外に出た。
「よっしゃ!そんじゃ、行くぜ!」
人が周りに居なくなって急にイキイキし始めたテムが、ジルとライの肩に触れる。
あ、もしかして転移?
そう思った次の瞬間、僕達は池のほとりにいた。みんなでピクニックをした、あの場所だ。
「みんな、ご機嫌よう」
リーナさんだ!
そっか、ここはリーナさんの私有地だ。
「リーナだー!もう忙しくないのー?」
ファムがライの腕から飛び出し、ぽんぽん跳ねている。
「ええ、片付けは急ぐ必要はないから大丈夫よ。それより、みんなのお見送りが大事だもの」
リーナさんが聖母の微笑みを浮かべる。
本当は忙しいんだろうな。それでもそれを一切僕達に見せないところがすごい。
「リーナさん、ありがとう。アルトゥラウムは本当にいい街だね。来年もまた来るよ」
「ぼくもー!」
「···オレもだぜっ」
「まあ、嬉しいわ」
リーナさんはテムの小声もちゃんと拾ってくれた。
「リーナ、世話になった」
「い、いえ、そんな!あまり時間を作れずに申し訳なかったわ。本当は他の街も案内したかったのだけれど···」
ジルに声をかけられて、リーナさんが頬を赤く染める。
「忙しいのは分かっている。無理はするな」
ジルさんや、ここは「次回、楽しみにしている」とか言ったほうがいいんじゃないの?
「じ、実はね、人材育成に力を入れようと思っているの。数年後には、私がいなくても大丈夫なようにしたくて」
「そうか」
「そ、それでね、それが上手くいけば、私も自由に動けるようになるでしょう?」
「そうだな」
リーナさんがもじもじしている。が、頑張れ!
「そしたら、あの、その、わ、私も、ジルの家に、あ、遊びに行っても、いいかしら?」
もう耳まで真っ赤だ!
遊びに行くとは控えめだが、奥手なリーナさんにしてはよく頑張った!
「ああ、リーナの時間が大丈夫なら、いつでも歓迎する」
「あ、ありがとう!嬉しいわ!」
リーナさん、めちゃくちゃ嬉しそうだ。
これはもう、ものすごい人材が育成されそうだ。
「ふふ、リーナさん、良かったね」
「良かったねー!」
「ええ!」
ライとファムも嬉しそうだ。きっと長いことリーナさんの恋を見守ってきたのだろう。
数年後、ちょっと進展するかもしれない二人の関係に目が離せない。
まだまだもどかしさを感じることは今後もあると思うけど、僕も生暖かく見守っていくことにしよう。
「それじゃあ、そろそろ行こうか。リーナさん、ありがとう。また来るね」
名残惜しいけど、ここでリーナさんとはお別れだ。
でも、また会えるからね!
「リーナ、また遊ぼうねー!」
「···また来るぜっ」
「またな」
「ええ。また会えるのを楽しみにしているわ」
みんなそれぞれ挨拶をする。
「···りーなしゃん、あいあと!」
僕もリーナさんに感謝を伝える。
「まあっ!ウィル君、またいつでも来てね!」
転移の直前に見えたのは、優しく微笑んで手を振るリーナさんの姿だった。
増えた屋台が撤去され、昨日までの賑やかさが記憶に新しい今は少し寂しさを感じる。···来年が楽しみだ。
僕達はフランクさんのお店でお米を買った。フランクさんのお店ではおにぎりだけでなくお米も売っていると聞いたからだ。
もちろん、おにぎりもたくさん買った。···だって美味しそうだったんだ。仕方ないのだ。
「ほっほっ。たくさん買ってもらえてありがたいの。今年も美味しいお米を育てるからの、また是非来ておくれ」
「ああ、また来る」
「ふふ、ありがとう。それじゃあまたね、フランク君」
にこやかに挨拶するライの笑顔に、もう悲壮感はない。
「ほっほっ。またお会いできるのを楽しみにしておりますじゃ」
「ふふ、私もだよ」
みんなで手を振ってお別れをする。また来るって約束だから、寂しいけど寂しくない。きっと一年なんてあっという間だ。
「それじゃあ、リーナさんに会いに行こうか」
リーナさんはどこにいるのだろうかと思っていると、街の外に出た。
「よっしゃ!そんじゃ、行くぜ!」
人が周りに居なくなって急にイキイキし始めたテムが、ジルとライの肩に触れる。
あ、もしかして転移?
そう思った次の瞬間、僕達は池のほとりにいた。みんなでピクニックをした、あの場所だ。
「みんな、ご機嫌よう」
リーナさんだ!
そっか、ここはリーナさんの私有地だ。
「リーナだー!もう忙しくないのー?」
ファムがライの腕から飛び出し、ぽんぽん跳ねている。
「ええ、片付けは急ぐ必要はないから大丈夫よ。それより、みんなのお見送りが大事だもの」
リーナさんが聖母の微笑みを浮かべる。
本当は忙しいんだろうな。それでもそれを一切僕達に見せないところがすごい。
「リーナさん、ありがとう。アルトゥラウムは本当にいい街だね。来年もまた来るよ」
「ぼくもー!」
「···オレもだぜっ」
「まあ、嬉しいわ」
リーナさんはテムの小声もちゃんと拾ってくれた。
「リーナ、世話になった」
「い、いえ、そんな!あまり時間を作れずに申し訳なかったわ。本当は他の街も案内したかったのだけれど···」
ジルに声をかけられて、リーナさんが頬を赤く染める。
「忙しいのは分かっている。無理はするな」
ジルさんや、ここは「次回、楽しみにしている」とか言ったほうがいいんじゃないの?
「じ、実はね、人材育成に力を入れようと思っているの。数年後には、私がいなくても大丈夫なようにしたくて」
「そうか」
「そ、それでね、それが上手くいけば、私も自由に動けるようになるでしょう?」
「そうだな」
リーナさんがもじもじしている。が、頑張れ!
「そしたら、あの、その、わ、私も、ジルの家に、あ、遊びに行っても、いいかしら?」
もう耳まで真っ赤だ!
遊びに行くとは控えめだが、奥手なリーナさんにしてはよく頑張った!
「ああ、リーナの時間が大丈夫なら、いつでも歓迎する」
「あ、ありがとう!嬉しいわ!」
リーナさん、めちゃくちゃ嬉しそうだ。
これはもう、ものすごい人材が育成されそうだ。
「ふふ、リーナさん、良かったね」
「良かったねー!」
「ええ!」
ライとファムも嬉しそうだ。きっと長いことリーナさんの恋を見守ってきたのだろう。
数年後、ちょっと進展するかもしれない二人の関係に目が離せない。
まだまだもどかしさを感じることは今後もあると思うけど、僕も生暖かく見守っていくことにしよう。
「それじゃあ、そろそろ行こうか。リーナさん、ありがとう。また来るね」
名残惜しいけど、ここでリーナさんとはお別れだ。
でも、また会えるからね!
「リーナ、また遊ぼうねー!」
「···また来るぜっ」
「またな」
「ええ。また会えるのを楽しみにしているわ」
みんなそれぞれ挨拶をする。
「···りーなしゃん、あいあと!」
僕もリーナさんに感謝を伝える。
「まあっ!ウィル君、またいつでも来てね!」
転移の直前に見えたのは、優しく微笑んで手を振るリーナさんの姿だった。
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