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第二十七話 告白
しおりを挟むベンネット伯爵家の屋敷に帰ると何故かエレネがそわそわしていた。
それが少し気になったが一時なものだと思い、いつも通り夕食を食べた。
夕食を食べ終わったので家に帰ろうとするとエレネに引き止められた。
「ビ、ビリー、あ、あのね、1時間後に、もう一回ここに来て欲しいの」
エレネは顔を少し赤くして、モジモジしていたのだ。
「うん?ああ、大丈夫だよ」
「う、うん、ありがとう、ビリー。庭で待っていて。あ、待っている時は外壁の方を向いていて。じ、じゃあ、僕はこれで」
そう言い残し、エレネは2階に向かって走り去ってしまった。
そんなエレネの様子に疑問を抱きながらも俺は家に帰った。
1時間の間に風呂に入り、着替えた。
そろそろ1時間が経ちそうだったので、ベンネット伯爵家の屋敷に向かった。
ベンネット伯爵家の屋敷の庭に到着した。
大体5分前に到着したので、俺は外壁を見ながらエレネのことを待つことにした。
5分ぐらい立つと後ろから気配を感じた。
「ビ、ビリー、後ろを向いても大丈夫だよ」
俺は後ろを振り向いた。
後ろを振り向いた俺は見惚れてしまった。
エレネは緑色のドレスに身を包んで軽く化粧をしていた。
「ど、どうかな?リリアは似合っていると言ってくれたけど、ビリーは似合っていると思う?」
そう言いながら、エレネが照れながら顔を少し赤くしていた。
「ああ、とても似合っているよ」
「ありがとう、ビリー」
そう言いながら、エレネは微笑んでいた。
「ねぇ、ビリー。僕はビリーに伝えたいことがあるんだ」
「伝えたいこと?」
「うん、伝えたいこと」
「ビリー、僕は君のことが好きなんだ」
そう言い、エレネの顔は真っ赤になっていた。
俺は突然のことに驚きを隠せなかった。
エレネは真っ赤な顔のまま話し始めた。
「リリアとベンネット伯爵様には許可を取ったよ。僕がビリーの2番目の婚約者になる許可を。後はビリーの返事が必要なんだ」
エレネは俺の目をしっかりと見てきたのだ。
「ビリー、僕を君の2番目の婚約者にして欲しい」
俺は男失格だな。
女から好きだと言わせるなんて。
「すまない、エレネ」
そう言いながら、俺は頭を下げた。
エレネは少し落ち込んだ表情を浮かべた。
「そ、そうだよね。いきなり」
言葉を続けようとしたエレネの声を遮って俺は口を開いた。
「エレネから好きと言わせて」
それを聞いたエレネは驚いた表情を浮かべていた。
「俺もエレネが好きだ。いつからかは分からないけど好きになっていたんだ。多分だがエレネの笑顔に惹かれたんだと思う。あんな事情が持っている中でも輝いている笑顔に」
俺はエレネ
「エレネ、俺の2番目の婚約者になってくれ」
「うん、うん、なるよ。僕はビリーの2番目の婚約者になるよ。ビリーのことが好きだから」
そう言いながら、エレネは満面の笑みを浮かべていた。
俺は立ち上がった。
「ありがとう、エレネ。こんな俺を受け入れてくれて」
「ううん、僕の方こそありがとう。こんな僕を受け入れてくれて」
俺はエレネと手を繋ぎながら、ベンネット伯爵家の屋敷の中に入り、リリアとベンネット伯爵に報告をした。
リリアとベンネット伯爵は喜んでくれた。
これで、完結と言いたいがエレネにはある事情を抱えている。
エレネと婚約するなら介入できる。
さっさと終わらせて、エレネと正式に婚約してやる。
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