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第六話 事件

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 日課となった証拠集めを終え、寮の部屋に帰ると鍵が開いていたのだ。

 おかしいな?

 鍵は締めたはずだ。

 疑問に思いながら、寮の部屋に入ると荒れていた。

 それを見た私は思わず笑ってしまった。

 馬鹿だな。

 空き巣に入り、私物を盗むなんて。

 散々嫌がらせを受けているだぞ。

 対策するだろ、普通に。

 貴重品は魔法袋に入れて、持ち歩いている。

 だから、泥棒達が持っていたのは全てダミーであり、罠だ。

 しかも

 さてさて、誰がしたかな。

 そう思い、私は細工をしていた魔法具に触った。

 すると、魔法具が泥棒達の姿を映し出したのだ。

 ふむふむ、こいつ等か。

 馬鹿王子の子飼いか。

 犯人は分かった。

 さて、対価を払ってもらおう。

 そう思い、私は魔法袋からあるものを取り出した。

 取り出したのは罠の起動装置だ。

 何も躊躇すること、私は起動装置を押した。

 すると、馬鹿王子の子飼い達の部屋から爆音がなったのだ。

 その後、騒ぐ音が聞こえてきた。

 さてさて、どうなっていることやら。

 そう思い、私は貴族学院中に配置した魔法具を起動したのだ。

 すると、馬鹿王子の子飼い達の姿を取られた。

 馬鹿王子の子飼い達の姿を見た私は大声で笑ってしまったのだ。

 だって、彼等の毛が全て無くなっていたから。

 私が仕掛けた罠は全身脱毛が出来るものだ。

 それの威力を上げ、一生涯生えないように調整した。

 腹を抱えて笑っていると扉が開けられたのだ。

 扉の方に視線をやると馬鹿王子の子飼い達がいた。

 責任を取れとか言ってくる。

 先程まで面白かったが、ここまで来ると哀れだ。

 哀れすぎる。

 腹を抱えっていたが、私は無表情で彼らに視線を向ける。

 「知りませんよ。私が部屋に置いてあった魔法具は失敗作ですから。それに、勝手に盗んだのですからそちらの責任ですよ」

 そう言ってもまだ騒いでいる。

 うるさいな。

 猿かよ。

 いや、これは失礼だったな。

 猿に。

 さて、毛がない猿以下の生物の対処をしなければな。

 「あ、この窃盗に関しては学院側に報告しませんよ。外の機関に報告させて頂きます。そちらの方が信頼出来ますから」

 その言葉を聞き、狼狽えていたが、証拠は無いと騒ぎ立てたのだ。

 まさか、ここまでとは。

 罠を仕掛けたのに証拠がない訳ないだろ。

 どうやら、知能も低いようだ。

 何だが、可哀想に思えてきた。

 哀れを通り越し、同情すらしてしまう。

 まぁ、手は抜かないがな。

 「証拠がない訳ないですよ」

 そう言い、私は証拠を壁に写したのだ。

 それを見ると顔を真っ青にし、可哀想なぐらい体を震わせていた。

 恐怖で。

 そして、私に許しを請う。

 だが、私は許さない。

 ここで許すと滑られる。

 故に徹底的にやる。

 そう思い、足に縋っている者達を蹴散らした。

 「貴方方はこれで終わりです。短い貴族人生を楽しんで下さい」

 そう言い、私は魔法具で結界を張ったのだ。

 その後、普通にベッドで寝た。
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