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第五話 変化

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 貴族学院に戻ってから1週間が経った。

 そろそろ、クソ王子の謹慎が解かれる頃だろう。

 そう、あのクソ王子はあれだけのことをしたのに関わらず、罰が1週間の謹慎程度なのだ。

 しかも、問われた罪は私を危機に晒したことのみ。

 ベリジェト嬢に関しての罪は何にもない。

 それにしても私が無事に帰ってきたとしても軽すぎる。

 普通に王の器ではないだろ。

 あのクソ王子は。

 勿論、両親は国王陛下に苦言を言ったが、それを止めたのはあのクソ野郎だ。

 私に馬鹿にしたような視線を向けるが、お前の方が愚かだな。

 両親は優しいが、怒ると怖い。

 昔、魔法具に夢中になり過ぎて、倒れたことがあるのだが、めちゃくちゃ怒られた。

 うん、あの時は怖かった。

 凄く。

 今回は何とか怒りを鎮めたが、次はどうなることやら。

 そうそう、あの後、ベリジェト嬢から正式なお礼をして貰った。

 別にそんなことはしなくて良いのにな。

 ただ、私は最低限のことをしたまでだ。

 まぁ、お礼はきちんと受け取っておいた。

 ベリジェト嬢自体も何かお礼をしたいのだろう。

 で、貴族学院に帰還してから私の周りは一変したのだ。

 簡単に纏めると腫れ物扱いになった。

 まず、少なからずいた友人は居なくなったのだ。

 古くからの友人も。

 そして、地味な嫌がらせも増えた。

 単純にイジメだな。

 次はあのクソ野郎に向けられる表情が変わった。

 馬鹿にするような表情ではなく、汚らしいものを見るような表情に。

 極めつけは教師からの執拗な嫌がらせ。

 そう、全て敵になったのだ。

 この貴族学院にいる者達が。

 まぁ、別にどうでもいい。

 私は正しいことをしたまで。

 これを後悔するわけがない。

 それにしてもここにいる者達の頭は花畑なのか?

 後のことも考えないで。

 私はやられたら、やり返すぞ。

 引き籠もるようなことはしない。

 だから、情報を集めている。

 今までやられてきたことを。

 それが誰だろうと関係無い。

 例え、血縁者だったとしても。

 忘れていると思うが、私の無属性だぞ。

 魔法具が作成し放題。

 だから、証拠となる魔法具をいくらでも作れる。

 ベリジェト嬢は私のことを優しいと言ってくれるが違う。

 私は性格が悪い。

 性格が悪いから、集めている証拠を使い、陥れる。

 しかも、これから幸せという時に開示する。

 一気にではなく、個別で。

 いつ自分の幸せが壊れるか震えて眠れ。

 さて、散々言ってきたが、私が言いたいのは1つだ。

 覚悟しろよ?
 
 全てを失う覚悟があるなら、続ければ良い。

 だが、その先に待っているのは破滅だ。

 

 

 
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