今さら戻ってこいと言われても、私なら幸せに暮らしてますのでお構いなく

日々埋没。

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「おおエリシュぅ、――お帰りぃ」

 地下牢から引き上げた私を待っていたのかルドラー伯爵が喜色めいた声を上げた。

「どうだった? パパの言いつけを守って悪しき魔女をイジメてやったかい? あれはいい声で鳴いたろう? あえて声帯を潰さないでおいたんだが」

 私はそれには答えず、吐き捨てるように告げる。

「……私は家に帰ります」

「んー? おかしなことを言うね、エリシュ! ここがお前の家じゃないか」

「いいえ、私の帰るべき家は家名と一緒に捨てました。ここは私のいるべき場所ではありません」

「ううむ根に持つなぁ。いい加減機嫌を直しておくれよぉ、あれは全部魔女が悪いんだから。……まあいいか、そのうちエリシュも分かってくれるだろう」

「果たして何十年かかるかは分かりませんけどね」

 皮肉を込めて答える。
 もっとも、いくら時間をかけても分かる時がくるとは思えないけれど。

「ところでエリシュ、お前になんか知らないお客さんがいるぞ。応接室でお待たせしてるから早くいってあげなさい」

 私に客? 誰が?
 なぜ急に連れ戻された私を訪ねてきたのかは分からないし知ったことではないのだが、なんとなく無視するのも気が引けたので仕方なく相手の正体だけでも確かめておくことにした。
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