婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません

第６話

　私がアーバス侯爵家の屋敷に住むようになって、１週間が経っていた。
　
　傍に婚約者リックか執事レアスのいる生活にも慣れてきて、私はアーバス家のために行動したい。
　今日はアーバス侯爵領で起きている問題を対処するため、私はリックと一緒に馬車で問題の発生した場所へ向かっていた。

　レアスは今日から少し別行動をとるようで、馬車の中には私とリックしかいない。
　これから起きることについて、私はリックに聞きたいことがあった。

「リック様、これからのことですけど――」

「――なっ、なんだろうか！？」

　数日前から、リックの様子がおかしい。
　私の傍にいるのは変わらないけど、どこか緊張している様子だ。
　そこも気になったけど、今はこれからの行動について尋ねておきたい。

「これから突然発生した魔力を宿している植物型モンスターを倒すと聞きましたけど、この問題は頻繁に起きているのですか？」

「そのようだ。魔力の災害に備えて大地の魔力を強化すると起きるらしい」

「そうですか……備えたことで、発生する問題もあるのですね」

　植物のモンスターが発生しても、そこまで脅威な存在ではないらしい。
　それでも成長する恐れがあるから、目撃情報があればリックはすぐ行動したいようだ。

「他の人に任せず、リック様が動くのですね」

「今の俺は暇というのもあるが、領地のために行動したいと考えている」

　リックの発言を聞いて――私も、シレッサ子爵家にいた時は同じ考えで行動していた。
　
　私の家族は提案しても拒んだけど、リックは領地のために行動している。
　ここに来てよかったと想うと、リックが少し顔を赤くして話す。

「カルラはその……いや、なんでもない」

「はい？　そうですか」

　リックは何か言いたそうにしていたけど、言うのをやめている。
　それが気になりながら、到着するまでの間に私はリックについて聞いていく。
　馬車での会話は楽しくて――私達は、問題の発生した場所に到着した。