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第7話

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 私は今まで、自分の実力を知らなかった。

 冒険者になった時も、依頼を終えるとすぐに移動魔法で屋敷に戻っている。
 私の扱える魔法はとてつもなく高度な魔法で……元姉リザよりも凄いようだ。

「私の元家族は知らないことなので、後悔することはないと思います」

 レインが「ローティア家は間違いなく後悔する」と言っていたけど、元家族は知らないことだ。
 私は気になってしまうと、レインが話してくれる。

「魔法学園の先生をしている人が、休日に冒険者として依頼を受けている……その人は来年、リーゼが入学するのを楽しみにしていた」

「そうなんですか?」

「冒険者のリーゼが公爵令嬢のリーゼと同一人物と断言はしなかったが、俺は話をしたことがある」

 魔法と魔力に長けた人なら、私の正体に気づく人もいるようだ。
 そしてギルドマスターが、私に話す。

「リーゼが依頼で助けた貴族は多い。その者達も気づくかもしれないな」

「魔法と魔力に長けた人でないと、気づけないのではありませんか?」

「それでもローティア家のリーゼが消えて、冒険者リーゼが他国に行ったと知れば……同一人物だったと考える者も現れるだろう」

 私は普通に依頼を達成していただけでも、かなりの人が感謝しているようだ。
 魔法学園の先生が私の正体を知っているのなら、そこから噂が広まりそう。
 そうなると元婚約者や元家族は、真相を知ることになるのかもしれない。

 ダーロスや元家族とは関わりたくないから、私は戻る気がない。
 真相を知ることができた私は、これから他国へ行くことにしていた。
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