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第67話

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 部屋で1人になって、私は今までの出来事を思い返す。

 幾つも国を滅ぼしている魔法組織、そのリーダーレオウが王都にやって来る。
 私の結界魔法がなければ、ウルクでも勝てなかった戦力のようだ。

「結界を張れなければ、私はランアス国に連行されていたはずです」

 最悪の事態を考えてしまうけど、ウルクがいてくれたから問題ない。
 全て解決して、これから時間が経てばランアス国は滅びるはずだ。

「それでも……リオナがまだ、ランアス国にいるのが気になります」

 魔法組織が壊滅して、もう私を連れ戻すことができないと考えるはず。
 それならリオナはランアス国を捨ててもいい気がするけど、未だに王妃のままだった。

 もしかしたら、まだ何か企んでいるのかもしれない。
 それが不安になって、私は呟く。

「ウルク様がいますし、問題ないでしょう」

 二―ルド国でウルクと出会い、私は結界魔法で力になれている。
 この日々がずっと続いて欲しくて、ランアス国がどうなっても構わない。
 
 そう考えていた時――リオナは、最後の行動に出ようとしていた。
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