婚約者の命令で外れない仮面を着けた私は婚約破棄を受けたから、仮面を外すことにしました

第４７話

　私は屋敷に戻り、今日の出来事を思い返す。

「マクスウェル……モンスターの王にして、ロランをあと３年以内に消そうと目論んでいる人」

　ロランが２０歳になった時……モンスターの王を倒す者の使命として、位置がわかるようになるらしい。
　マクスウェルは勝てなければ転生して勝てる時代まで生き延びるつもりだったけど、それはロランが封じている。

「モンスターを強化したとしても、ロラン様に勝てるわけがありません」

　私は本心を呟くけど、気になることもある。

　――今日の異変は、今まででも明らかに規模が違った。
　ダンジョンの入口に溢れた大量のモンスターでもロランは数十秒で倒し、更に魔法道具の解除も行っている。

　ロランの強さは常軌を逸していて、例えモンスターの王でも勝てるとは思えない。
　そこまで考えて……今回の異変が魔法道具と知り、気になることがある。

「私の仮面の魔法道具は……ロランでも、作り方がわからない魔法道具でした」

　今回の異変に使われた魔法道具も高度な魔法道具で、作り方がわからないとロランが言っていた。
　そこからマクスウェルの仕業だと考えたようだけど……それなら、私が着けていた仮面も、マクスウェルが関係していそう。

　もう仮面は外れたのだから、気にしなくていいのかもしれない。
　そう考えていたけど……その後、私はマクスウェルの仮面と関わることになっていた。