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第49話

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バルター視点

 俺はマクスウェルに、今までの出来事を話す。
 流石にロランのことは知っていたようで、話を聞いて納得した様子だ。

「なるほど……私の店に来た理由はわかりましたけど、悪いのは全てダリア様ですね」

「そうだ。奴が婚約者でなければ何も問題はなかった……ダリアの命なら差し出す。その条件で現状を対処できる魔法道具はないか?」

 俺がマクスウェルを危惧していたのは、魔法道具を金で売ったことがないからだ。
 マクスウェルの頼みを聞き魔法道具を貰う……その頼みも、マクスウェルが主導で行っていた。

 クースラ領地の民を、何人かマクスウェルに差し出したこともある。
 絶対に俺が犯人だと判明せず、更に魔法道具が魅了的過ぎて……リスクの高い行動を何度もしてしまった。

 シエルに着けさせた仮面の力で冷静になり、とてつもなく危険な行動をとっていたと自覚する。
 もう二度と関わらないと決めていたが……このままだと破滅するのなら、取引する必要があった。

「あります……利害が一致するので、教えておきましょう」

「……なに?」

「私はロランが商売の邪魔で、長年準備をして排除しようと企んでいました」

 そんなことを言い出して、俺は呆れていた。
 世界トップの魔法使いロランを、ただの魔法道具店の店主如きが倒せるわけがない。

「不可能だ……貴様はロランの強さを理解できていないのか?」

「それに関してですが、私はこの世界の誰よりもロランの恐ろしさを知っています……ロランを仕留めるための方法を、今からお見せましょう」

 マクスウェルがそう言って指を鳴らすと、地面が音を鳴らす。
 床が崩れて地下に進む階段になり、マクスウェルが俺を案内しようとしていた。

 俺はロランを倒すのは不可能だと考えながら……ロランを仕留める方法に興味があった。
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