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第72話
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処刑が行われて数日後――この国で今まで起こっていた異変は、一切起こらなくなっている。
国を滅ぼそうとしたマスウェルに協力していたことが判明して、バルターは処刑されていた。
ダリアは心が壊れて何も言えなくなっていたから、それだけで罪になると判断されたようだ。
全てが終わり、私の部屋で2人きりになって……ロランが、私に頭を下げていた。
マクスウェルが私を襲撃した時の話をして、ロランは私に謝罪する。
「シエルも予想できていると思うが……俺はマクスウェルがシエルを狙うと判断して、一緒に行動することを拒んだタイミングで指輪を渡し、危険な目に合わせてしまった」
そう言ってロランが謝罪するけど、もう終わったことだ。
指輪も返さなくていいと言ってくれたから、何も問題はない。
「ロランは私の身を案じて、指輪を渡してくれたけど……告白も本心ですよね」
「そうだ……そ、それより、俺のことをロランと呼んでくれたのが、一番嬉しい」
私は蔑んでばかりの他人を内心敬うことができず、全て対等だと思うことで精神を安定させていた。
本心を、様付けせずロランの名前を呼んで――ロランは満面の笑顔を浮かべる。
仮面を外すことができて――私は婚約者ロランと一緒になって、今が一番幸せだった。
国を滅ぼそうとしたマスウェルに協力していたことが判明して、バルターは処刑されていた。
ダリアは心が壊れて何も言えなくなっていたから、それだけで罪になると判断されたようだ。
全てが終わり、私の部屋で2人きりになって……ロランが、私に頭を下げていた。
マクスウェルが私を襲撃した時の話をして、ロランは私に謝罪する。
「シエルも予想できていると思うが……俺はマクスウェルがシエルを狙うと判断して、一緒に行動することを拒んだタイミングで指輪を渡し、危険な目に合わせてしまった」
そう言ってロランが謝罪するけど、もう終わったことだ。
指輪も返さなくていいと言ってくれたから、何も問題はない。
「ロランは私の身を案じて、指輪を渡してくれたけど……告白も本心ですよね」
「そうだ……そ、それより、俺のことをロランと呼んでくれたのが、一番嬉しい」
私は蔑んでばかりの他人を内心敬うことができず、全て対等だと思うことで精神を安定させていた。
本心を、様付けせずロランの名前を呼んで――ロランは満面の笑顔を浮かべる。
仮面を外すことができて――私は婚約者ロランと一緒になって、今が一番幸せだった。
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