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第14話
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ウルク視点
数日後――俺はルアーナの屋敷に呼び出され、部屋で談笑していた。
「ルドルス領の繁栄は素晴らしいものだと聞いています……ウルク様と婚約者になることができて、お父様とお母様も喜んでいますわ」
「そ、そうですか……それはよかったです」
ルアーナが嬉しそうに話すが、それは何も知らないからだ。
領地が繁栄したのはミレッサの力が大きく、そのミレッサはもういない。
カインが新しい婚約者になると言って反対したが、阻止するることはできなかった。
「ミレッサ様を護衛として傍におけなかったのは残念だと思いますけど、魔法を鍛えてばかりで危険な人と言われていましたし、もう気にしなくていいのではありませんか?」
「いいえ、パーティ会場でも言いましたけど……俺は、婚約破棄したことによるミレッサの報復を恐れているのです」
そう言ったのは、俺がまだミレッサを諦めていないからだ。
理由を用意しておくことで、新しい作戦を立てた時に伯爵令嬢のルアーナが協力してくれるかもしれない。
あの後、家族と話し合い――ミレッサの力だと知られないように、領民を酷使して現状を維持することとしていた。
ミレッサ以上の成果を出すかもしれないし、無理そうなら家族もミレッサを従えようと考えるはずだ。
その選択が間違っていることを知るのは――領民達による暴動が起きてからだった。
数日後――俺はルアーナの屋敷に呼び出され、部屋で談笑していた。
「ルドルス領の繁栄は素晴らしいものだと聞いています……ウルク様と婚約者になることができて、お父様とお母様も喜んでいますわ」
「そ、そうですか……それはよかったです」
ルアーナが嬉しそうに話すが、それは何も知らないからだ。
領地が繁栄したのはミレッサの力が大きく、そのミレッサはもういない。
カインが新しい婚約者になると言って反対したが、阻止するることはできなかった。
「ミレッサ様を護衛として傍におけなかったのは残念だと思いますけど、魔法を鍛えてばかりで危険な人と言われていましたし、もう気にしなくていいのではありませんか?」
「いいえ、パーティ会場でも言いましたけど……俺は、婚約破棄したことによるミレッサの報復を恐れているのです」
そう言ったのは、俺がまだミレッサを諦めていないからだ。
理由を用意しておくことで、新しい作戦を立てた時に伯爵令嬢のルアーナが協力してくれるかもしれない。
あの後、家族と話し合い――ミレッサの力だと知られないように、領民を酷使して現状を維持することとしていた。
ミレッサ以上の成果を出すかもしれないし、無理そうなら家族もミレッサを従えようと考えるはずだ。
その選択が間違っていることを知るのは――領民達による暴動が起きてからだった。
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