私の魔力を全て奪って婚約破棄するようですが、奪えるのは１週間だけです

第３４話

　魔物の群れによる襲撃を対処して、私達は冒険者ギルドに戻ろうとしている。

　回復薬は貴重だから冒険者の人達に感謝されていたけど、当然のことをしただけだ。

　冒険者ギルドに戻っている最中に、私はこれからの行動についてアインに尋ねる。

「今から冒険者ギルドに戻り、襲撃のあった他の場所がどうなったかを聞くのですね」

「はい。特に気になるのは冒険者の他に、サイール国の兵士達が防衛を行った場所です」

　前回の兵士達は私の魔力を奪ったジェイクが、聖女ローナを支援して大活躍だった。

　それによって冒険者達を見下し増長したようだけど……今回は本来の実力となる。

「兵士達が倒されて、村が滅びる可能性はありますか？」

「普通に考えるとありません。人がある程度集まっているのなら、魔物達はそこに向かいますからね」

　アインが言うには、冒険者達や兵士達が全滅した後でないと街や村を襲わないようだ。

「普通にとは、どういうことですか？」

「ありえないと思いますが……防衛していた人達が全員逃げた場合です。冒険者がいますから、大丈夫だとは思います」

　それでも……前回と違って危機的状況に陥れば、サイール国の兵士達は逃亡するかもしれない。

　アインはそれが気になっているようで、私達は冒険者ギルドに向かっていた。